Photo of the Day

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2005年3月1日(火) 

2005年3月2日(水) 

2005年3月3日(木) 珍車 TALBO MATRA MURENA

リコー・Caplio R2
 R1、R1vと続いて大幅にモデルチェンジされたR2です。収納時に一部レンズ群が待避してボディ内にフラット格納される4.8倍ズーム (28〜135mm相当) を内蔵していることはR1から同じ。この一部レンズ群待避構造ズームはややトリッキーな構造でありまして、性能良く量産することはそう簡単ではありません。でもレンズ製造がこなれてきたのか、R1の時に比べるとR2ではレンズ描写性能は相当に良くなっています。とくに望遠側での描写性能は、チャートを写してみれば ―― ぼくはチャート信者ではありませんが ―― おっ、ここまで写るのかと感心させられるほどで、そのレンズの良さの一面がわかります。




 珍しいクルマです。フランス車。タルボ・マトラ・ムレーナ。ぼくはクルマの写真を長年撮り続けておりますけれど ―― 役得といいますか、そりゃあ博物館に飾っておくようなクルマにも何度も乗せてもらったこともあります ―― でも、自慢じゃありませんがクルマにはさっぱり詳しくありません。しかし、このクルマが珍車であることぐらは知っております。おそらく、日本には数台しかないでしょう。3人がけの横長シートが一列だけのリアエンジンのスポーツカーです。ハナシには聞いていましたが見たのは初めてです。眼福しました、という、ほんじつは、なーんてことのないお話でした。

2005年3月4日(金) 光学ファインダーなんかなくってもエエやんか

リコー・Caplio R2
 R2には2.5型の大きな液晶モニターが搭載されました。R1やR1vの“小さな”液晶モニターと比べると“月とスッポン”ほど見やすくなりました。こうした大型の液晶モニターを使ったコンパクトカメラが多くなってウレシイかぎりですが、しかし中には、明るい戸外などではとたんに見えなくなってしまう意気地なしのモニターもあります。でもこのR2の液晶モニターはなかなかよろしいです。明るい場所でも (ぼくには) 不満なく見えます。また、R2では液晶モニターを大型化したついでに、いわゆる光学ファインダーを省略してしまいました。




 もともとぼくは、光学ファインダーなんかなくってもエエやんか、と思っています。光学ファインダーがあってもそれを覗いて撮影することなど“まったく”と言っていいほどありません。視野率の悪いパララックスの極端にあるファインダーを覗いて写真を写そうという気にはとてもなりません。明るい場所でもそこそこに見える液晶モニターならそれで充分です。でも、液晶モニターの視認性は悪いうえに光学ファインダーもないカメラ、となるとこれは困りますね (そんなカメラもあります) 。使っていて情けなくなります。
 リコーのカメラでいつも感心するのは「ノイズ批判」を恐れずに高ISO感度で撮影できるようにしていることです。このR2もISO800まで設定できます。リコーはキヤノンのようにノイズ除去にイノチをかけて画像処理をやっていませんから、ISO800にもなると盛大にノイズが目立ってきます (フジのF10の画像を見たあとだと、うへっ、となりますけど) 。でも、このノイズらだけの画像を見るたびに「リコーの勇気」を感じます。ノイズなんかちょっとぐらい出てもエエやんか、写らないより写った方がエエやんか、と言っているようで (そんなことリコーは言ってませんけど) そうしたリコーの姿勢が好きですねえ。このR2はISO800までですが、あのGXはISO1600まで設定可能なんです。

2005年3月5日(土) 

2005年3月6日(日) 画期的な、素晴らしいカメラです

富士フイルム・FinePix F10
 この春に発表されたコンパクトカメラの新製品の中ではダントツ、優秀なカメラです。他のコンパクトカメラがやや“低調”だったせいもあるのですが、このF10がキワだって光っています。購入予定候補のナンバーワンにおいておくべきカメラです。
 ぼくはこうして発売前に使わせてもらう機会があってたくさんのカットを写しておりますが、その結果を見ての素直な感想としては、まさにエポックメーキングなカメラだとの印象でした。いままで写せなかった ―― 露出アンダーになったり、画質が極端に悪くなったり、ピンぼけになったり、ブレてしまったり ―― そのような場所や状況でもこのF10を使えば「写せる」ようになったわけですからこれは素晴らしいことじゃあないでしょうか。




 前々からぼくは、「デジタルカメラが進化していけば、いずれは“露出”という概念がなくなってしまうだろう」と言っておったんですが、このF10はその第一歩のような気がします。暗い場所ではシャッタースピードを遅くしたり絞りを開ける。明るい場所では高速シャッタースピードにしたり絞り込む、といった“古典的撮影術”の呪縛があったわけですが、F10はゆっくりとですがそれを解きはなってくれました。明るい場所でも暗い場所でもカメラにまかせてシャッターを切るだけで、だれでもが“きれいに写せる”ようになったのです。写真技術の習熟度にかかわらず初心者でも“容易に気軽に写せる”カメラが出てきたことで写真の世界はもっともっと広がっていくように思えます。このカメラ、F10を使うことで、まったく新しい写真表現ができるかもしれません (ぼくはアタマが硬いからムリですけど) 。
 ですからぼくのいまの気持ちとしては、F10を開発した人たちに「素晴らしいカメラを作ってくれましたありがとうの賞状」を手渡したいほどです。

2005年3月7日(月) ちょっとお遊び比較をやってみました

富士フイルム・FinePix F10
 高画素になれば画素サイズが小さくなってノイズまみれになる、だから高画素のコンパクトカメラなどイラナーイっ、200万画素や300万画素の時代はヨカッタ、なんてトンチンカンなことを言っていた人たちはこのカメラをどう評価するんでしょうか。ハナっから無視するんでしょうか、それともまた重箱の隅を突くようにしてあら探しをするのでしょうか。なぜ、そうまでして技術の進歩、将来の可能性をイヤがるのか否定するのかぼくにはそのへんのことがよく理解できません。F10は600万画素の“高画素コンパクトカメラ”です。ハニカムCCDとはいえ画素の小さな「HRタイプ」を使っています。でも、ISO1600までの高ISO感度を選んで撮影をしてもそこそこの画像が得られます。ISO800ぐらいまでなら平気の平左で撮影ができます。高速のシャッタースピードで写せますからブレないシャープな写真が得られます。素晴らしいことじゃないですか。




 F10はカメラデザインがもう少しスマートだったらもっとヨカッタのにとかカラーバリエーションが欲しかったなあとか露出補正やホワイトバランスモードがもう少し素早く設定できるといいのになあとかの“希望”もありましたが、でも、まあイイですガマンします (今回は) 。こうした不満を「まあイイや」とユルしてしまうほど高ISO感度の魅力が大きいです。
 ところで、お遊びですけど、手元にあった一眼デジタルの“入門機種”の高ISO感度と、このF10の高ISO感度を同じ条件で撮影して、それをプリントして比較してみました。オリンパス・E-300 (800万画素) 、ニコン・D70 (600万画素) 、ペンタックス・*ist DS (600万画素) 、キヤノン・EOS Kiss Digital N (800万画素) の4機種のISO1600と、そしてF10 (600万画素) のISO1600です。そのプリントを数人 (目の肥えた人たちです) に“ブラインドチェック”してみましたが、見たとたん「あっ、これがF10ですね」と言った人は、誰一人いませんでした。一眼デジタルの画像と比べてもそれくらい差がなかったというわけです。ISO800でも比較してみましたが、こちらのほうはもっと違いがわかりませんでした。補足ですが、さすがEOS Kiss Digital N だけはISO1600でもノイズの少なさはキワだっておりましたけれど。

2005年3月8日(火) もう一日だけ、F10について

富士フイルム・FinePix F10
 F10を使いこなすキーポイントはオートISO感度で撮影することです。通常の気楽な撮影ではISO感度はカメラにまかせて“余計なこと”は考えない。エエかっこして知ったかぶりをして、ここはISO400でとかここはISO100で撮影をしましょう、なんてことはしないほうがイイでしょう。カメラ、F10にまかせておけばISO100からISO800まで自在にISO感度を変えてくれます (おそらく下限はISO100だと思うのですがフジに確かめたわけではありませんので不確定) 。撮影した画像をカメラで再生すればその画像の撮影情報があわせて表示されましてどのISO感度で撮影されたかも確認できます。もし、この場面は高ISO感度ではなくもっと画質の良い低ISO感度で写したかったのに、と思えば、そこでISO感度を自分で選んで撮影し直せばいいのではないでしょうか (でもソンなめんどうなことどれだけの人がやるでしょうかね)。




 ただしISO1600は、400や800に比べると画質低下度が気になる人もいるでしょうから“覚悟”をして選んだ方がいいかもしれません。高速シャッタースピードがどうしても必要、というような場合ですね。

 こうして「ISO感度」などと書いてヘイキで話を進めてますけど、これは専門用語です。「ISO感度」とか「高感度」と言って、このクラスのカメラを購入しようとする人たちのうち、すぐに理解できる人がどれだけいるでしょうか。あたりまえのことですが、知っている人は知っている、でも知らない人はなにがなんださっぱりかわからない。「ISO感度」とはそういった用語です。だからフジとしては、今後、ユーザーに「ISO感度」の理解度を高める努力 ―― 理想は「ISO」という専門用語を使用しないのがいいですね ―― を惜しまないようにしなければいけません。

 ところで、どうもフジはこの新スーパーCCDハニカムHRを“外販”するようですね。あちこちから漏れ聞く話によるとどうもソンな気配があります。もしそうなれば、こりゃあおもしろいことになりますね、いろいろと。 (ただし、ぼくが言うことなんていつもエエかげんですからまじめに信じないでくださいね)

2005年3月9日(水) 

2005年3月10日(木) 

2005年3月11日(金) D70とD100の後継機種ですけど

ニコン・D2X + VR 70〜200mmF2.8
 カメラ部についてはもうどこにも文句のつけようのないほどの完成度の高さですが、デジタル部がもう少しの熟成度が足りなかったような気がしました ―― オートホワイトバランスの安定性とハイライト部の階調描写などにちょっと気になることがありましたが、きっとファームウエアのバージョンアップなどで対応するでしょうね。それはそれとして、総合的に見ればとても良くできたカメラだと思います。さすがニコンです。シャッターを切るたびに確実感 ( 写っているぞっ ) が指先に伝わる。だから安心してアタマを切り替えてつぎの被写体に向かって撮影ができます。プロ用カメラとしてはこれは大事なことです。




 D2XではなくてD70とD100の“後継機種”のことですが、アメリカでおこなわれたPMAで、発表も参考出品もありませんでした。でも、ニコンはPMAにやってきた一部のディーラーたちにはアンダー・ザ・テーブルできっとナニかを見せていたはずです。PMAというのは、日本で毎年おこなわれるちゃらちゃらしたカメラショーとは違って商売の場、つまりトレードショーです。全米各地、だけでなく世界各地から有力ディーラーがやってきて各メーカーと商談して、その一年の取引がほぼ決まってしまうこともあるそうです。そんな大事な商取引の場に、今年発売する予定 ―― ほぼ確実 ―― の重要機種について有力ディーラーにナンにも言わないわけはない、と、まあぼくは考えております。諸事情があってアンダー・ザ・テーブルにしたのではないでしょうか。
 で、そのPMAからほぼ一ヶ月後になる、今月17日から東京ビックサイトで始まるフォトイメージングエキスポに、ニコンはナニか“重要機種”を参考出品するだろうかといえば、いやあこれは想像ですがナンにもない可能性が高い。

 ところで心配していておりましたコニカミノルタですが、ようやくデジタル一眼専用レンズをその東京のショーに参考出品 (開発発表) するようですね。ま、内容はどうであれ、これは朗報です。

2005年3月12日(土) 

2005年3月13日(日) D2Xの多重露出とクロップ撮影モード

ニコン・D2X + VR 70〜200mmF2.8
 D2Xの注目の“新しい機能”として多重露出撮影モードとクロップ撮影モードがあります。多重露出の機能は、フジ、ペンタックスに続いてニコンもやってくれました。残すはキヤノンです。デジタルカメラの多重露出は、フィルムカメラと違ってもう“ひとつの可能性”を秘めています。こんどのD2Xでは不可能だったのですが ―― DX2に多重露出の機能が入ると聞いたとき、ついに来たかっ、と思いましたがそうではありませんでした ―― 露出を変えて2カット撮影をしてそれを重ね合わせることでダイナミックレンジの広い写真に仕上げるということができます。もちろん、被写体が動いてもカメラが動いてもダメですけれど、でもこのワザがカメラ内で可能になれば ―― ニコンならやってくれると思っていた ―― ハイエストライト部からディープシャドー部までディテール描写された写真が容易に手に入れることもできそうです。今回は残念でしたが将来(あるいは次回)に期待したいです。




 D2Xは通常12.4メガピクセルで記録するのですが、クロップ撮影モードを選ぶと画面中央部の約6.8メガピクセルぶんだけを使って撮影します。メリットとしてはクロップモードにすることで約5コマ/秒の連写速度が約8コマ/秒になります。そのときファインダー画面にはクロップの撮影範囲が細い枠でスーパーインポーズ表示されるます。しかし、これが見にくくフレーミングしずらい。スポーツ撮影で実際に試してみましたが、慣れないせいもあったのですが、いやあアタマがこんがらがってしまいました。クロップ撮影の実画面範囲の外側も一緒に見えているものですから、ついついフレーミングに迷いが出てしまう。スポーツファインダーに慣れている人には、この見え方でも気にならないでしょうけれど、ぼくは思い切って実画面範囲外は見えないようにしてくれたほうがよかったように思いました。アイディアとしては高く評価しますが、これもまた将来の改良に期待したいです。

2005年3月14日(月) 

2005年3月15日(火) 

2005年3月16日(水) 

2005年3月17日(木) 本日が発売日

キヤノン・New EOS Kiss Digital + EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6 II
 新型のKiss Digitalです。“世界最軽量”のデジタル一眼レフカメラとのことです。ボディサイズもペンタックスの*ist DSよりもわずかに大きいだけで、タイヘンに小さくて軽い一眼レフです。撮像素子も新型の800万画素CMOSを採用していて、その画質は「限りなくEOS 20Dに近い」とのことですが、ぼくは20Dを超えているのではないか (画質面だけですが) とさえ思います。でもデジタルカメラは画素数や画質だけですべてが決まるわけではないのは自明のことです。総合的に見てカメラの良し悪しを判断しなければならん、と、まあ、ぼくはエラそうなことを考えております。




 本日が発売日だそうですね。ボディだけが約10万円、18〜55mmの標準ズームとのセット価格だと約12万円とのことですが ―― この価格、ぼくは“高いカメラだなあ”と思いますけど ―― キヤノンのことですからこのカメラもまた、ほっておいても売れるでしょうね。先代のKiss Digitalが約1年半ほどの間に全世界で120万台ほど売れたといいますから (ニコンのD70で100万台だそうです) 、一眼デジタルの“ブーム”に乗ってNew Kiss Digitalはさて何万台ほど売ってしまうのでしょうか。
 キヤノンらしい、じつにウマいツクリのカメラです。キヤノンでなければこのようなカメラはゼッタイに作ることはできません。合理的な、徹底して合理的なカメラです。「確実に、売って儲かる」カメラですね。カメラ好きのココロをくすぐるようなプラスアルファはいっさいありません。ですから、一眼デジタルカメラとしてのおもしろみの少ないカメラです。限りなくコンパクトデジタルカメラに近いとでもいいましょうか ―― ごく気軽にそこその写真が写せるという意味で。使っていてもワクワクした気持ちに、どうもなれない (ぼくは)。

2005年3月18日(金) いろいろ不満もありますが…よく写るカメラです

キヤノン・New EOS Kiss Digital + EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6 II
 なぜ、ファインダーの見え具合をもう少し良くしてくれなかったのでしょうか。たしかに、ソコをいじるとすぐにコストに跳ね返りますが、しかしそこはキヤノンなのですから、コストのかからないようにしてなにか工夫ができなかったものでしょうか。
 なぜ、液晶モニターにいまどき1.8型なんてちっぽけな安ものを使ったのでしょうか。せめて2.0型ぐらいは奢って欲しかったし、メニュー文字も大きくして欲しかったし、せめて、もう少しクリアーなものにするとか画素のきめ細かなものを選ぶとかして欲しかったなあ。




 よく写ります。ただし、“よく”というのは95点や100点という意味ではなく75点ぐらいという意味です。どんな条件、被写体でも平均点以上に確実に写ります。露出もピントもホワイトバランスも、そして画質も、あっけらかんとして、あらゆる撮影条件で平均点以上に写ってくれます。カメラまかせにしてシャッターを押すだけでいいんです (ただし、よけいなことをしちゃイケません、失敗しますから)。これはこれでスゴいことです。素晴らしいことだと思います。とくに初心者にとっては、理想的な、夢のような一眼デジタルカメラでしょう。
 でも、このカメラを使って75点以上の写真、たとえば90点とか95点の写真をモノにすることはとっても難しいように感じました (相当の写真的センスと知識が必要でしょう) 。ファインダーを覗いてシャッターを押す瞬間に、「ひょっとすると素晴らしいショットをこのカメラが写してくれるんではないだろうか」といった淡い期待をもたせるような、そんなカメラではありません。うへっなんだこれは、というような失敗写真はないですが、うわっすごい、と大喜びするような写真を得るのはそう簡単ではありません。

2005年3月19日(土) 

2005年3月20日(日) 広角と望遠の2本のパンケーキレンズ

ペンタックス・*ist DS + DA 40mmF2.8
 愛用しておりますパンケーキタイプの40mmレンです。シャープで、ややハイコントラストの描写をします。なので、ぼくはこのレンズを使うとき*ist DSの画像仕上げモードを「ナチュラルモード」に設定することが多い。
 金属製ねじ込み式のちっぽけなレンズキャップが付属しているのですが、ぼくはこれを使わずにもっぱらフィルムケースの蓋で代用しています。40mmの専用フードとセットになったレンズキャップなのですが、その径がフジの35mmフィルムのプラスチックフィルムケースの蓋とぴったりなのです。ペンタックスの開発の人に教えてもらいました。ねじ込み式だとクルクルと回転して付けたり外したりするのがメンドウですが、プラスチックの蓋ならワンタッチで付け外しができてコレがなかなかよろしい。




 東京ビッグサイトで開催されておりますフォト・イメージング・エキスポ (PIE) のペンタックスのブースには、デジタルカメラ用交換レンズの開発ロードマップが公開されていました。これを見てみると40mmに続き、同じ薄型パンケーキタイプのレンズとして広角と望遠が出てきそうです。広角レンズは (おそらく) 20mmから24mmぐらいの焦点距離を狙っているようです。望遠レンズのほうは70mmぐらいではないでしょうか。この焦点距離なら*ist Dシリーズと組み合わせれば、広角レンズのほうは30mmから35mm相当の画角になり、70mmだと約100mm相当の画角のレンズとして使用できます。関係者にいろいろと聞いてみると、この2本のレンズとも“かなりの”薄さに仕上げられるとのことで大いに期待できます。ぼくの予想では今年中に発表し、来年春までには発売するのではないかと思います。楽しみです。

2005年3月21日(月) 

2005年3月22日(火) 

2005年3月23日(水) 

2005年3月24日(木) キヤノンの本気カメラです

キヤノン・IXY DIGITAL 600
 「600」ですが「700」万画素のコンパクトデジタルカメラです。有効画素数710万画素の1/1.8型CCDを使用しております。この1/1.8型CCDは素性がなかなか良さそうですね。というよりも、キヤノンの画像処理のウマさと、この600に使用している3倍ズームレンズの性能が優れているためでしょうか、画質は素晴らしいです。写してみてびっくりしました。こうなると、フジのF10もそうですが、フォトセンサーのサイズが小さくなると画質が悪くなる、とは、一概に言い切れなくなってきますね。ちっぽけなコンパクトデジタルカメラで、この解像度があってここまで写ってくれるならわざわざ大きくて重い一眼デジタルなどを使って撮影するのがアホらしくなるほどです (極論ですが) 。




 昨年の春ごろには2/3型CCDで800万画素という新型機種がたくさんありました。それがいまでは1/1.8型で700万画素です (1/2.5型の600万画素も発表されました) 。ところが画素 (フォトセンサー) サイズは小さくなるけれど画質は決して悪くはならない。むしろよくなる傾向が強いようです。
 さて予想ですが、今年の夏から秋、冬にかけて、こんどは1/1.8型「800万画素」CCDを使ったコンパクトデジタルカメラがぼちぼち出てきそうですね。ウワサではその1/1.8型800万画素CCDの性能は“なかなか”良いものだそうでして、多画素化バンザイではありませんがぼくは (あることについて) おおいに期待をしております。むろん、このIXY DIGITAL 600の後継機種として (いつになるかわかりませんけれど) 800万画素CCD搭載機種が出てくることは間違いありません ―― そのために600の内蔵ズームレンズを800万画素 (あるいはそれ以上の画素) にも対応できるように設計を一新したのかもしれません。

2005年3月25日(金) IXY 600の動画撮影機能に注目してます

キヤノン・IXY DIGITAL 600
 画質は良い、カメラの操作性も良い、そしてなによりも、そのカメラのスタイリングがスマートで高品質でいいです。外観のかっこよさだけでなく中身もそれに見合っていてかっこいい。使っていて持っていてじつに気持ちの良いカメラです。ただひとつ、手ブレをしてしまうことが、コレが困る。せっかくの素晴らしい画質もブレてしまってはなんのこっちゃです。キヤノンは手ブレ補正の (高い) 技術をちゃんと持っているにもかかわらず「出し惜しみ」してこうしたコンパクトなカメラになかなか搭載してくれません ―― キヤノンはどうも最近、技術の出し惜しみをする傾向が見られるようですね (臆病なのか慎重なのか、やればできるのにISO400以上の高ISO感度を避けているのも)。ひじょうに残念なことです。




 画質の良さのほかにIXY 600で感心したことは動画撮影モードの多彩さでした。そんなもんIXY 50/40から搭載されておるワイ、と言われそうですが、30フレーム/秒のスタンダード動画撮影のほかに、60フレーム/秒のスムーズ動画撮影やファイルサイズの小さな (メール添付などに便利) 15フレーム/秒のライト動画撮影などのモードに加え、動画再生時にはスローモーション表示の機能もあります (スピードが可変できる) 。ややもするとデジタルスチルカメラに搭載されている動画撮影モードを小馬鹿にする人がいるようですが、いえいえ、これからは、とくにコンパクトデジタルカメラでは、動画撮影がもっともっと注目されて活用される時代になってくると思います。そこで、将来はぜひ、カメラを縦位置に構えて動画撮影をして、それが縦位置構図のまま再生できるようにして欲しいものです。

2005年3月26日(土) 

2005年3月27日(日) 梅は咲いたか桜はまだかいな…

キヤノン・IXY DIGITAL 55
 この55は、400万画素のIXY DIGITAL 50のボディやレンズをそっくりそのままにしてCCDを載せ替え500万画素にした (だけの) モデルです。ボディやレンズはまったく同じです。CCDのほかに、少しだけですが中身の機能をアップしました。いまここにキヤノンからもらった「機能比較表」がありまして、それを見ますと、起動時間が約1.3秒 (50) から約1.1秒 (55) になったこと、液晶モニターが高輝度タイプになって (大きさ、画素数は同じ) 機能がアップしたこと (LCDブースター機能、ナイトビュー機能) 、そしてカメラでカンタンに色変換処理ができるマイカラー機能が付加されたことなどです。だから、たいした“機能向上”ではありません。50のユーザーはまったく気にすることはないでしょう。




 IXY DIGITAL 600とこの55にはちょっと興味のある機能が搭載されています。「物理フォーマット機能」とキヤノンが呼んでいるものです。カメラでメモリーカード (SD) を初期化するときに、通常のフォーマットのほかに物理フォーマットが選べます。物理フォーマットとはカード内のデーター記録領域をすべて「1」にしてフォーマットするというもので、つまりこうしておくことで新しいデータをカードに書き込むときに必要な部分にだけ「0」を書き込めばスピーディにデータ記録ができるというわけです (資料を読んでの受け売り) 。
 物理フォーマット機能を使ってカードをフォーマットしたときのメリットは (ナンとなく) わかるのですが、逆にデメリットはなにかあるのだろうかとそれが少し気にはなります。ですので、こんど機会がありましたらキヤノンに尋ねてみましょう。ちなみに、キヤノン物理フォーマットをしたカードを他のメーカーのカメラで使ってみても、別段、ぼくが気づくようなこれと言った不具合はありませんでした。

2005年3月28日(月) 

2005年3月29日(火) 

2005年3月30日(水) こんなこと、どうでもイイことですけれど

カシオ・EXILIM EX-Z750
 カシオEXILIMシリーズには700万画素機種として、このZ750のほかにP700もあります。どちらも同じ1/1.8型CCD (総画素数741万画素、有効画素数720万画素) を使っています。どうでもイイことですけど、Z750のボディには「7.2MEGA PIXCEL」、しかしP700のボディには「7.0MEGA PIXCEL」と表記されております。もちろんどちらの機種も撮影画像サイズは3072×2304pixelで同じです。ちなみに、まったく同じ1/1.8型CCDを使っているキヤノン・IXY DIGITAL 600のボディには「7.1MEGA PIXCEL」と明記されております。




 Z750は3倍ズームなのに対してP700は4倍ズームレンズ内蔵です。カメラ内部の画像処理の設計はP700よりもZ750のほうが少し“新しく”なっているそうです。ただ、カンタンにですけれどZ750とP700を撮り比べてみましたら、ぼくはP700の画像のほうに好感が持てました。Z750はややハイコントラストぎみの絵づくりでエッジ処理も強めで色も鮮やかで (つまりハデ) 、これはきっと一般向けを狙っているのでしょうね。
 Z750のISO感度設定はISO50、100、200、400ですが、P700はISO80、160、320、640で、このへんにもP700がハイエンドクラスのユーザーをターゲットにしている様子がうかがえます。ところで、Z750のISO400とP700のISO320の画像を比べてみるとダンゼンP700のほうが良かったですね (P700のISO640はちょっとキツい) 。ただし、カメラの扱いやすさについては、これはもう文句なしにZ750のほうがいいです。P700を使っているとアタマがこんがらがってしまいます。

2005年3月31日(木) 液晶モニターが大きいことは大歓迎なのですが…

カシオ・EXILIM EX-Z57
 Z57は1/2.5型の500万画素CCDを使用しています。Z55と画素数や内蔵ズームレンズは同じです。なにが違うかといえば、液晶モニターが、Z55は2.5型なのに対してZ57は2.7型とひとまわり大型になっています。2.7型なんてデカい液晶モニターを搭載しているコンパクトデジタルカメラは、いまのところこのZ57だけでしょう。ボディ背面はそのほとんどを大型液晶モニターが占めています。ですから、Z55でも苦労をして組み込んだ光学ファインダーが、Z57では省略されております。光学ファインダーはなければないでイイや、とは思っていたのですが、しかしこのZ57を使って明るい戸外で撮影をしてみたら ―― とくに直射日光があたる場面では ―― いやはや、この液晶モニターはとたんに見え具合が悪くなります。これには困りました。




 光学ファインダーはなくってもイイとは思っていますが、しかしそれは、明るい場所でも液晶モニター画面がきちんと見えること、視認性が良いことが条件です。Z75を見たとき液晶画面が大きくてぼくは大喜びしたのですが、明るい戸外での視認性の悪さに少しがっかりしました。フレーミングしようにも画面がほとんど見えない。メニュー (の奥底) には画面を明るくするモードがあるのですが、それを選んでも“焼け石に水”でした。大きな液晶画面は大歓迎なのですが、少しぐらい暗くても画面がザラついていてもよいから、明るい場所でフレーミングができるような液晶モニターを選ぶか工夫をして欲しいなあ。

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