Photo of the Day

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2005年2月1日(火) T33がアルミボディだとは、ソレは知りませんでした

ソニー・Cyber-Shot DSC-T33
 いま、ソニーのコンパクトデジタルカメラの中で、もっとも魅力的な機種をひとつ挙げろ、といわれれば(不本意ながら)このT33でありましょうか。いや、T33そのもに不満があるというわけではなく、いまラインナップされているソニーのカメラのすべてにいささかの不満足を感じるのであります。たとえば、このT33だってT3といったいどこがどんなふうに違うのか、なぜソックリ双子機種を出して、どんなふうに売りわけていこうとするのかなどがいまいちよくわからんのです。




 T33とT3とはどんなふうに違うのかについては、先日、T33のほうが絵づくりで少しシャープネスが強めになっておるようですね、と述べましたが、これはさっそく撤回します。T33もT3も、写りはまったくおなじであります(と、思います、頼りないですが)。ではナニが違うか。その後わかったことは、ボディがT3はステンレスなのに対してT33はアルミなんだそうです(ソンなこともぼくは知りませんでした)。ボディの材質を変えたもっとも大きな理由は、よく聞けば、カラーバリエーションを増やしたかったからだそうです。ステンレスに“色をつける”というのは技術的にあれこれ難しいところも多いのですが、アルミなら比較的カンタンに微妙な色をつけてカラーバリエーションを増やせる。というわけで、T3はシルバーとブラックの2色のみですが、T33はゴールド、ブルー、ホワイト、ブラウンの4色を用意したのであります。

2005年2月2日(水) 

2005年2月3日(木) 久しぶりに驚きました

カシオ・EXILIM PRO EX-P505
 約38ミリから190ミリ相当の画角をカバーする5倍ズームを内蔵した500万画素のコンパクトカメラであります。いわゆる一眼タイプのスタイリングをしたカメラだけどファインダーはない。バリアングル式の2.0型液晶モニターを見てフレーミングします。と、カンタンに説明をしましたけれど、しかしこのカメラ、なんだかんだあれやこれや“盛りだくさん”なのであります。ま、それはともかく発表されたこのカメラの姿写真をみて「なーんだ」とそのまま見過ごしてしまったら、いつの日か、実物を手にしたときにはきっと仰天するに違いありません(じじつぼくがそうでした)。




 発売前のいわゆるベータ版のカメラは、きれいに印刷された化粧箱に入っていないことが多く、なんにも印刷もされてない真っ白な箱(これをシロバコと言ってますが)で受け取ることがあります。使用説明書もA4用紙にコピーされたものがくることも多い。このカシオのP505はそうではありませんでしたが、シロバコの中になにやかやとエクスキューズ ―― アレをこうすると電源がOFFになってしまう、とか、こうした状況では色が反転してしまうことがあるとかなんとか ―― が書き込まれたメモが同封されていることもあります。
 いやソンな話はどうでもイイのですけど、で、P505ですがそのシロバコを開けてカメラを取り出したときに、一瞬ぼくはカタまってしまいました。なんじゃこの小ささは、こりゃあまるで、リカちゃん人形の専用カメラではあるまいか、と。にもかかわらず、P505にはプログラムAEはもちろん、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、さらにはマニュアル露出モードまであって、静止画撮影モードは多種多様、動画撮影モードも愉しそうなあれこれが入っていて…。でも、いまメチャ忙しくて、このカメラに構っておられないのが少し残念。

2005年2月4日(金) 

2005年2月5日(土) 

2005年2月6日(日) デカい「マイバッハ」をチッチャな「P505」で写す

カシオ・EXILIM PRO EX-P505
 内蔵5倍ズームはズーミングしてもレンズがその先端から繰り出しません。外から見る限りレンズ全長は一定不変。これなら内蔵レンズバリアを組み込めたはずなのにそれはない。安っぽいプラスチックのレンズキャップが付属しています。レンズ鏡筒の先には43mm径のフィルターネジが切ってありまして、ここに付属プラスチックフード(これもまた安っぽい)を取り付ける。でも準汎用とも言える43mmのフィルター径というのがちょっと惹かれました。ここに汎用のフィルターや、たとえばテレコンバージョンレンズをセットすることもできそうですが、しかしカシオから発表された資料にはそのことにはまったくふれておりません。




 このP505を見た人は必ず「うわー小さいねえ」とか「へえーこんな小さかったのか」といちように驚きます。やはりぼくと同じように発表時の写真や資料などから判断して「ふんっ、ナぁンだ中途半端なカメラ」なんて思っていたんでしょうね。
 1/2.5型の525万画素CCDを使っていますが、いやよく写ります(あたりまえだけど)。でも、またぞろ、ちっちゃいCCDはアカンとか高画素はムダだとか画質の悪いカメラを売って消費者を騙しておるなんてトボケたことを言う人が出てきそうですが ―― カメラがちっちゃいから余計にカンチガイするかもしれませんね ―― こうしたカメラは使って写して愉しければそれでイイんです。画質がどうのこうのと、それほど拘るならニコンD2X(もうかれこれ一ヶ月近く使ってますが、いやぁこれはいいカメラですねえ)やキヤノンEOS-1Ds Mark2を使えばいいわけで、それを同じ土俵に持ち出してあれこれ文句をつけるってのがおかしいです。マイバッハをP505で写してもじゅうぶんよく写りますよ ―― かんけいナイか。

2005年2月7日(月) 

2005年2月8日(火) 写真をもっと愉しみましょう

ペンタックス・*ist DS + DA 40mmF2.8
 薄くて軽いパンケーキレンズです。愛用してます。もし仮に*ist DSを持っていなくても、ぼくはこの40mmを見たらこのレンズを使いたいために*ist DSも一緒に買ってしまっていたかも知れません (かなり無理をしてでも) 。じっさい、そうした人もいたに違いありません。DA 40mmはそんな気持ちにさせてくれるほどの魅力を持っていますね。
 カメラもレンズもじつに不思議なところがありまして、気に入ったカメラやレンズを使うとナンだかとってもいい写真が写せそうな気分になります (この気分は大事なことです) 。写した写真を見ると ―― そうたいした写真でなくても、いい写真が撮れたよなあ、とひとりで満足してしまうことも多いです。この40mmレンズもそうですが、お気に入りのレンズを使って撮影しただけで、冷静に自分の写真を見られなくなる、と、ちょっと危ういですが、趣味で愉しんで写真を写しているぶんにはこれはこれでイイんではないでしょか。




 写真なんてべつにヘタでもいいじゃあないですか。ヘタはヘタなりにその写真を見て愉しめばいいし ―― ヘタだと思わなけれゃいい ―― カメラやレンズを愉しめばいいではないですか。ただしプロは、少なくともプロと名乗る限りはそんなこと言ってられませんし、写真がヘタなプロなんて存在価値はまったくありません。写真的センスのないプロもだめです。自分の写真がウマいかヘタか、それを客観的に判断できないプロも失格です。でもアマチュアならいいですよソンなことまったく気にしなくても。なによりも大切なことは気分良く撮影を愉しんで仕上がった写真を見て一喜一憂して愉しめばいいのです。そりゃあもちろんアマチュアでもウマい、イイ写真が写せるに越したことはありませんが、それよりも「愉しむこと」のほうがぼくは大事なことじゃあないかなあと思うわけです。そして、フィルムカメラからデジタルカメラになってそうした愉しみの幅が広がったようも感じます。
 まだ多忙が続いていますが、やけっぱちでだらだらと長文を書いてしまいました…。

2005年2月9日(水) 28mmのパンケーキレンズ

ペンタックス・*ist DS + DA 40mmF2.8
 ぼくは、いわゆる「パンケーキレンズ」と呼ばれているレンズを何本か持っています。たまたま数がそろってしまったというだけで、べつに「パンケーキレンズおたく」というわけではありません。ところで、パンケーキレンズは焦点距離がだいたい40mmから50mmあたりのものがほとんどで、聞くところによるとこれくらいの焦点距離がレンズ設計上、薄型のパンケーキレンズとしてもっとも作りやすいらしいです。ところが、ぼくの持っているパンケーキレンズの中にちょっと異色の焦点距離のレンズが1本あります。




 焦点距離が28mmです。リコーの「XR RIKENON 28mmF3.5」です。Kマウントですからとうぜんながら*ist DSに取り付けて使うことができます。この28mmF3.5はレンズ全長が19.5mm (DA40mmF2.8は15mm) ですが、重さは60グラム (40mmは90グラム) とメチャ軽い。希少レンズです。とっくに生産中止になっていまして、ぼくは中古カメラ店でも見かけたことはいちどもない。非球面レンズを使っておりまして、これまたとうぜんながら絞りリングがあってF22まで手動で絞れます。その写りはどうかといいますと、まあまあ。いや誤解しないで欲しいのですが「まあまあ」というのは、うおっスゴイ描写だ、というほどでもないという意味ですからね (しかし*ist DSの鮮やかモードとマッチングはよいです) 。おもしろいレンズですよね。28mmで、絞りリングもあって、これだけの薄型レンズに仕上げられるんですから、だから、ペンタックスもぜひ、こうした広角系のパンケーキも作って下さいね、ね、という、本日はお願いのメッセージです。

2005年2月10日(木) 

2005年2月11日(金) 

2005年2月12日(土) 

2005年2月13日(日) 

2005年2月14日(月) 

2005年2月15日(火) 

2005年2月16日(水) 

2005年2月17日(木) ポルシェ 356S ロードスター

カシオ・EXILIM EX-P505
 なかなか気に入りましてこのカメラを使っております。なんでしょうか、キュートな魅力がありまして手放せません。カメラを見せると、必ずと言っていいほど皆さん驚きます。その驚く様子がまた楽しみで、そんで持ち歩いているようなところもあります。使っていて気になるところもありますが、たとえばモードダイヤルのクリックが柔らかすぎてバックからカメラを出し入れするだけで動いてしまいます。動画モードになっているのを知らずに「あれっ」なんてことはしょっちゅうでした。




 鬼の攪乱。もともとカラダだけは頑強にできていまして、具合が悪くなって寝込むなんてことはめったにないのですが、先週末から調子が悪くなり、まるまる二日間、食事もせず水分を少し採っただけでほとんどベッドに横たわったままでありました。でも、そんなときに運悪く仕事が立て込んでしまっていて、締め切りを過ぎた原稿をいくつか仕上げなくてはならない、校正を今晩中に終えてしまわねばならない、約束してあったセミナーで5、60人を前に1時間以上ムツかしい話をしなければならない、こんな体力気力のないときに限ってヘビーな撮影 (肉体的にも精神的にも) を一日かけてやらなくてはならず、わが生涯二度目の点滴を受けて ―― 注射嫌いのぼくには恐ろしいできごとでしたが ―― まあナンとか乗り越えましたけど、うーん、つらい一週間でありました。
 少しぐらい病気がちでもいいから、そのぶんもう少しアタマが良ければいいのになあと、ふだん思っていたことに、きっとバチが当たったのでしょうね。やっぱり健康一番です。カメラもカラダも故障なしがよろしい。

2005年2月18日(金) 

2005年2月19日(土) 一に体力、二に財力、三、四がなくて五にセンス

リコー・Caplio GX + 専用ワイコン
 「タナカさんはたくさんのコンパクトデジタルを使っているようですが、ベストスリーをあげてくださいな」と問われて、すぐに「イチバンはリコーのGX、で、で、ニバンは、えーっとえーっと…」とすぐにつぎの機種名が出てきませんでした。先日のことです。いまなら、あの機種この機種と続けて名前が挙げられるのですが、あのときはナニをボケておったのかなあ。
 で、そのGXですがちょっと“カスタマイズ”してみました。これです。 ワイコンリングに、とあるメーカーのフォーカシングラバーを巻き付けました。なんだか少し精悍な印象になっような気もします(贔屓の引き倒しか)。GXユーザーの皆さん、どーですか。




 2月17日。鬼の攪乱。これ、攪乱ではありません「霍乱」です。数人の方からご指摘をいただきました。つい、知ったかぶりをして漢字変換したら、自分の無知蒙昧をさらけ出すことになってしまいました。お恥ずかしいしだいです。
 まだカラダの調子がイマイチで気力が湧いてきません。ところで、写真家希望の若い人から相談を受けたときなど、ぼくはジョウダン半分で写真家として成功するには「1に体力、2に財力、3、4がなくて5にセンス」だと言います。疲れたとかしんどい、とか言って撮影を途中で投げ出してしまわないだけの体力はぜひ必要です。重く大きな機材を持って長時間歩き回ったりしなければならないのでヤワなカラダではいい写真は撮れません。財力とは、つまり資金力、経済力ですね。必要な機材が手に入らない、撮影地にいくだけの旅費も滞在費もない、スタジオを確保してセッティングもできないとなれば、それが容易にできる人 ―― お金持ちですね ―― に比べればかなりのハンディはあります。写真の実力が認められるまで無収入でも喰っていける経済力も必要です。で、つぎにセンスです。写真的センスとはナニかについてはひと言ではなかなか言いずらいですが、ごく簡単に言えば「写真で表現する思考回路を持っているか」でしょうか。ちなみに上記は男性に対してのアドバイスですが、女性には「1に気配り、2に愛嬌、3、4がなくて5にセンス」と言っておりますが、女性蔑視だと怒られそうです。

2005年2月20日(日) 

2005年2月21日(月) 

2005年2月22日(火) 高ISO感度の“常識”を変えました

富士フイルム・FinePix F10
 高ISO感度でのノイズ発生を大幅に少なくした (目立たなくした) という“画期的な”コンパクトデジタルカメラ。600万画素のスーパーCCDハニカム「HR」を大改良し、さらに画像処理に新しく「リアルフォトエンジン」を加えることで、ISO感度をアップさせてもノイズの少ない高品質の画像が得られるようにしたというものであります。このF10ではISO感度は、ISO80から100、200、400、800、そして1600まで設定が可能です。なぜISO80があるのか不思議ですが ―― こんなヤヤこしい感度などこのカメラには必要ないと思います ―― それにしてもISO1600で撮影してみて驚きました。これならISO3200を入れておいても良かったんではないかと思ったほどでした。




 とはいえISO1600ともなると、さすがに、ISO400の画像などと比較すると少しノイジーな画像になります。でも「1600もの高感度のことを考えれば上出来ではないか」と、ぼくはそれほど気にはなりません。ノイジーだと言いましたけれど、それは写した画像をパソコンディスプレイでpixel等倍で見ての話であって、その画像をたとえば2Lサイズ程度にプリントしてみれば充分に鑑賞に堪えています。シャドー部に少しノイズは目立ってきますが、感心したのはシャープ感や色の鮮やかさがほとんど損なわれていないことです。ISO1600でこうした画質ですからISO400やISO800はどしどし“常用”してもよいほどでした。
 ISO100で、たとえば1/8秒でしか撮影できないような状況だったとしても、ISO800なら1/60秒、ISO1600なら1/125秒で写すことができます。この意味は大変に大きいです。

2005年2月23日(水) F10を少しヨイショ

富士フイルム・FinePix F10
 「ブレ」には手ブレと被写体ブレがあります。手ブレはシャッターを切ったとき (つまり露光中) にカメラが動いて画像がボケてしまう現象です。三脚などカメラをしっかりと固定する道具を使用するか高速シャッタースピードを選ぶか、手ブレ補正レンズを活用することで手ブレを避けることができます。被写体ブレは露光中に被写体そのものが動いて (ブレて) 写ってしまう現象です。走る人や風にそよぐ花などを写すようなときは被写体ブレしやすい。この被写体ブレを防ぐには三脚も手ブレ補正レンズも役に立ちません。もっとも効果的な防止策は高速のシャッタースピードで撮影することです。がしかし、むやみに高速シャッタースピードで撮影するというわけにはいきません。そんなことをすれば適正な露出値が得られません。




 しかし、自由自在にシャッタースピードだけを変化させて撮影しても、適正露出が得られる方法があります。ISO感度を変えることです。たとえばISO感度をアップすれば、簡単に高速シャッタースピードを選ぶことができます。ところがデジタルカメラでは高ISO感度を選んで撮影をするとノイズが目立ってきて画質が悪くなる傾向がありました。高いISO感度にして高速シャッタースピードで手ブレも被写体ブレも少なくして撮影したいと思っても、画質とトレードオフしなければなりませんでした。
 ところがF10では高ISO感度を選んでも、従来機種のように“見るからに”画質が低下するということはなく、充分に常用範囲に入るぐらいの“高画質”なのです。ですからF10を使って積極的にISO800やISO1600で撮影すれば、容易に高速シャッタースピードで手ブレも被写体ブレもないシャープな写真がえられるというわけなのですが、少しヨイショをしすぎましたかな。

2005年2月24日(木) 

2005年2月25日(金) 

2005年2月26日(土) 

2005年2月27日(日) がんばれミノルタしっかりしろコニカ

コニカミノルタ・α-7 Digital + 28〜75mmF2.8
 コニカミノルタとしては、このα-7デジタルと、これ以降の一眼デジタルをいったいどうするつもりなのだろうか。なんだか心配です。先日のPMAの情報によるとコニカミノルタのブースにはα-7デジタル用の新交換レンズの参考出品もなかったようで、これにはぼくもいささかガッカリとしました。昨年秋にα-7デジタルを発表したとき開発の責任者が「来年には専用レンズを3本から5本ぐらい出しますよ」とはっきりと言っておったんでそれに期待をしたいたわけです。いやその開発責任者がウソをついているというわけではなく、なにかウラに暗い事情があるような気がしないでもない。




 ある販売調査資料を見てみると“さっぱり売れていない”のですよ、このα-7デジタルが。昨年秋に発売された直後は、おおーっ、というほどの売れ行きでありましたが、それもごく短期間だけで、あとは、おいおいどうーしたんだ、と心配になるほどの急激な落ち込みでありまして、それがいまも続いております。カメラは良い。良くできたカメラですが、売れてません。売れない理由のひとつは、やはり価格が高いこと。もうひとつは、コニカミノルタに“売る気がない”こと、でしょう。
 もし本気で売る気があるならここまで売り上げが落ち込んでくるまえになにか販売上の手だてをするはずですがそれすらやろうとしてません。たとえば東京にある広報や宣伝の人たちのやる気のなさを見ていると、おいっ、もっとがんばって売る気になれよ、とげきを飛ばしたくもなります。堺にある古びた旧ミノルタの建物で昨年あれだけ苦労してα-7デジタルを仕上げた技術者たちがこれじゃあ可哀想ではないですか。
 ヒゲの泉さーん、ぼくは応援してますからね、がんばって下さいね。

2005年2月28日(月) がんばれミノルタしっかりしろコニカ、ふたたび

コニカミノルタ・α-7 Digital + 28〜75mmF2.8
 言うまでもなくα-7デジタルが発売直後に“爆発的”に売れたのは、ミノルタレンズを持っていてミノルタからデジタル一眼が発売されるのを長い間ガマンにがまんをしてじっと待っていてくれた人たちが、ウワッと買ってくれたからにほかなりません。つまりレンズを持っていればボディだけを (多少高くても) 買えばすむわけですしカメラ選びの対象としてはハナからα-7デジタルしか眼中にはない。ところがミノルタレンズを持っていないデジタル一眼購入予定者はといえば ―― こうした人たちこそを大事にしなければならなかったのだ ―― 、ボディだけではどうしようもないですからレンズとセットで買わなくちゃならん。レンズと一緒に買うんだったら他のメーカーの機種はもっと安い。それにα-7デジタル命の人たちと違って、もっと冷静に他機種との比較検討もしますから、そうなるといっそうツラくなってしまいますよね。




 「手ブレ補正機構を搭載してるんだから、少しぐらい価格が高くてもほっといても、ダマってても売れるよ」とアンノンと構えていたようなフシも見られました。でもはたしてα-7デジタルの手ブレ補正が、新規ユーザーにとって価格にも増してボディの大きさ重さにも増してそれを凌駕するほどの魅力あるものであったかどうか大いに疑問です。じじつ「コンパクトと違って一眼レフですから手ブレしそうなら三脚を使いますから…」と言う人も少なくありません (ぼくはこの話を聞いて目からうろこでした) 。コンパクトと一眼レフとでは撮影に挑む“心構え”がハナから違うんですね。
 ところでα-7デジタルを使い始めたころどうもピントがズレる現象が多々見られました。いまもときどきおこります。ぼくのいままでの長い経験で (長いだけですけどね) 使用した機材の個体差とは考えにくくて、そうしたことを広報の担当者に話をしたこともありますが「あ、そうですか」でおわり。一事が万事ということもあります。今後、一眼デジタルをどうするのかぼくにはわかりませんが、多くのユーザーからの声には真摯に対応する基本姿勢を忘れないでくださいねというお願いと心配なだけなんです。

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