Photo of the Day
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2003年7月1日(火) これじゃ魚眼レンズの描写
キヤノン・PowerShot G5 + 0.7倍ワイドコンバージョンレンズプログラムAEで夜景の撮影をしていたのだが、かなり暗い場所でもシャッタースピードが1秒以上に設定されない。そこで絞り優先AEに切り替えたけれど同じく1秒でロックされてしまう。ナニがナンだかわからず、問い合わせた。教えてもらって少し驚きました。G3も同じだそうだが1秒以上 (正確には1.3秒) で自動的にノイズリダクション機能がはたらくためその処理時間がかかってしまう。それを知らずに撮影をして、ユーザーに「ヘンな誤解を与えてしまうことを避けるために」わざと1秒で足切りをしたというのです。シャッタースピード優先AEやマニュアルでは「覚悟の上の操作」だから15秒まで設定できます、と。よけいなお世話です。
3倍ズームレンズ内蔵のG2にもワイドコンバージョンレンズもテレコンバージョンレンズもありました。しかしG3になって4倍ズーム内蔵となり、専用のワイコンもテレコンも新4倍ズームに適応した新型が発売された。G5はG3と内蔵レンズは同じですから、新ワイコン・テレコンが使用できます。そこでG3 ・G5用の0.7倍専用ワイコン (WC-DC58N) をG5に取り付けて撮影をしてみました。画像を見て、その、あまりの、なんといいましょうか、すさまじい歪みに圧倒されてしまいました。
これじゃあ魚眼レンズではありませんか…。画角は約24mm相当のワイドになるそうですけど、この、遠慮会釈のない図々しいまでのディストーションでは、1/1.8インチ型小さなCCDによるノイズがどうのこうのという以前の、レンズ描写のハナシになります。
2003年7月2日(水)
2003年7月3日(木) テレコンはフレアーが気になります
キヤノン・PowerShot G5 + 1.75倍テレコンバージョンレンズGシリーズ用としてワイド/テレコンバージョンレンズのほか、クローズアップレンズも別売されている。このテレコン (TC-DC58N) はマスターレンズの焦点距離を1.75倍にします。だから、G3/G5にセットすることで140mm望遠が約245mmの“ちょっと望遠”となります。でも、レンズフードが用意もされていませんから (取り付けようにもネジも切ってない) 、フレアーにはよくよく注意して撮影しないとじつにシマリのない画像になってしまいます。広角よりも望遠のほうがフレアーの影響を強く受けますから。
Gシリーズにワイコン、テレコンを取り付けるには、まず、ボディ側のレンズ鏡筒カバー (と、言うのかどうか) を外します。一眼レフのレンズ交換のようなバヨネット式になっていてワンタッチで簡単に外れます。つぎに、別売のコンバージョンレンズアダプターを取り付けてから、その先にワイコン、テレコンまたはクローズアップレンズをねじ込むことになります。テレコンは、まあイイとして、ワイコンのほうはデカい ―― レンズ前面の径が約90mmほどあります ―― から、G5は、人目もはばかる大袈裟なスタイリングとなってしまいます。
2003年7月4日(金) 梅雨はまだあけぬのかなあ
ペンタックス・Optio 550小型の500万画素デジタルカメラとしてはソニーのP10やミノルタのF300などがあるけれど、この550は小型である上に、35mm判換算で約38〜190mm相当の5倍ズームレンズを内蔵させていて、少し注目したい機種であります。ただしボディ外観のデザインが、やや“強烈で個性的”なところもありましてちょっと腰が引けます ―― ペンタックスのデザイナーは「シンプル・イズ・ベスト」をキモに銘じるべきだと思うのですが。
5倍もの高倍率ズームレンズ内蔵ともなると、光学ファインダーを覗いて正確なフレーミングなどとてもできやしません。パララックスが大きく出すぎるのと、これは550に限ったことではないのだが、とくにコンパクトデジタルカメラの光学ファインダーのツクリそのものがいささかプアーであるせいです。ま、ぼくはこうした光学ファインダーは“お飾り”程度にしか考えておりませんので、ココを覗いて撮影することはほとんどないのですけれど、先日、明るい場所で液晶モニターがどうしてもよく見えず、やむを得ずファインダーを覗いて撮影しました。そうしたら、そのパララックスのあまりの大きさに驚き、それはまるでよそ見をして写したかのようなできあがりでした。
なお、言わずもがなですが、上の写真はそのパララックスの見本ではありませんよ、てるてる坊主はわざとズラしてフレーミングしました。
2003年7月5日(土)
2003年7月6日(日) 沈胴ズームレンズだけでもすばやく出て欲しい、なあ
ペンタックス・Optio 550550の光学ファインダーのパララックスが大きすぎて使いづらい、ということはあちこちに書いていて (いささかクドいですが)、いやじつは液晶ファインダーだったらもっと使いやすかったのになあといつも考えるわけです。もうひとつ気になることは (これもクドいですけど)、起動時間の遅さです。メインスイッチを押してから、なかなかオンにならず沈胴ズームレンズもいっこうに出てこないので、スイッチの押し方がマズかったのかなあ、と、もう一度スイッチを押し直すと、なんと起動中だったわけで、二度目の押し込みがオフスイッチになってしまって、せっかく出てきたレンズがするすると引っ込んでしまうというマヌケ (ぼくのことです) なことをやってしまったりします。
メインスイッチを押してから撮影スタンバイになるまでが遅い (約7秒)、撮影が終了してスイッチを押してからズームレンズが収納されるまでが遅い(約5秒)。AF測距スピードがこれまたのんびりしていて、AF合焦ランプが点灯してから“ピッ”と確認音がして合焦OKまでが長くかかるもんだから、合焦ランプ点灯と同時にシャッターボタンを押し込んでピンぼけ写真をなんカットも作ってしまいました。
でも、550はこの起動時間やAF測距スピードだけをもう少しナンとかすれば ―― あるいは、そんなことにはあまり気にならないという人にとっては ―― 大変に魅力的な500万画素デジタルカメラのひとつだと思います。ぶーうぶーうと文句を言いながらも、最近、よく使っているお気に入りカメラのひとつです。
2003年7月7日(月) ステレオ写真が“簡単に”楽しめるデジタルカメラ
ペンタックス・Optio 550最近のペンタックスのコンパクトデジタルカメラには3D撮影モードが入っていて、つまり立体写真が“気軽に”撮影できます。カメラにはその3Dを楽しむための立体眼鏡も付録されております。撮影するときに、まず、立体写真を鑑賞する方法として「平行法」で見るか「交叉法」で見るかを決めなくてはならない (メニューにその選択項目がある)。でも平行法とか交叉法と言ったって、3D写真の基礎知識がないことにはなかなかわかりにくい (と思う) 。ことほどさように、さてペンタックス・デジタルカメラのこうした3D撮影モードを、ユーザーのうちのどれだけの人が試して、立体写真を楽しんでおられるのでありましょうか。
立体写真は、もうかれこれ15年以上も前になるだろうか、かなり凝ってやったことがありました。カメラ2台を平行タンデムに並べて同時にシャッターが切れるような仕掛けを作ったり、リアリストサイズのステレオ写真が撮影できる代表的な機種である「REVERE (リベア) 」などステレオ専用カメラ数機種を買ったり、ステレオ写真にかんする本やら資料やらをたくさん集めたりして楽しんでおりました。
リアリストサイズのステレオ写真についてだけでも ―― ステレオ写真そのものが大変に奥が深くてやり出せば泥沼に入り込んでしまいます ―― あれやこれやおもしろい話がありすぎてとても手短に語り尽くせません。一時、赤瀬川原平さんと一緒にステレオ写真の広い沼に入り込んでしまい、南伸坊さんなども巻き込んでステレオ写真ワールドを泳いでいたことがありました。
2003年7月8日(火)
2003年7月9日(水)
2003年7月10日(木) 雨の岬巡り
キヤノン・EOS-1D + 28〜135mmF3.5〜5.6 IS1Dを使うときは前日に、必ず二つのバッテリーパックをフル充電してから (ときどきリフレッシュしてから充電) 持って行く。1Dは、D60や10Dに比べてとても電池大食らいのようで、それほど撮影もしていないのにバッテリーがすぐにダウンしてしまう (ぼくは一眼デジタルカメラではコンパクトデジタルカメラと違って撮影中は、たとえ長時間になろうともメインスイッチをONにしっぱなしでOFFにすることはない、このせいかな…) 。こうなると残りがひとつだけになってとたんに心細くなる。以前、そんなことをキヤノンの開発の人に不満を言っていたら「タナカさん、バッテリーは三つ持って行くのが“常識”ですよ」なんて言われてしまった。もちろん冗談だろうけど…。
「カメラマン殺すにゃ刃物はいらぬ雨の三日も降ればよい」なーんて昔から、雨の続く梅雨時になるとよく言っておりました。撮影を予定しているその日が雨だったりすると「あのカメラマンは雨男」だと、天気さえもすぐにカメラマンの責任にしてしまうというバカな人もおりました。なかにはもっと大バカものもおりまして、ヤツは雨男だから一緒に仕事をしたくない、なんて冗談にもならないことを真顔で言っておるのを聞いたこともあります。
というわけで、小雨が降ったりやんだりのあいにくの天気のなかを、オープンカー三台を連ねて千葉から茨城の海沿いの道を走りました。どこに行ってもどんよりとしたにび色の空が広がっていて、オープンカーにはぜんぜん似つかわしくない最悪の撮影日となりました。郵便ポストが赤いのも電信柱が細いのも天気が悪いのも、みーんなぼくのセイです…。
2003年7月11日(金) 青い九十九里海岸
キヤノン・EOS-1D + 100〜400mmF4.5〜5.6 IS使っていてじつに気持ちのいいカメラで、その気持ちよさ (レスポンスの良さ) はEOS-1Ds以上だと思う。もちろん、EOS D60やEOS 10Dなどとは“比べものにならぬ”ほどの優れたフィーリングで撮影が続けられる。この1Dを使ったあとに、D60や10Dを使うと、なんだこりゃあ、と感じてしまうこともあります。いや、だからといって、D60や10Dがだめなカメラだという意味ではありませんよ (ヘンに誤解する人が多いからなあ) 、同じように一眼デジタルとコンパクトデジタルを同じ土俵で論じるべきものでもない。
1D/1DsのAFはEOS-1VやEOS-3と同じく45点エリアAFで、その測距方式は45点の自動選択方法や任意の1点を選択する方法などいくつかが選べる。視線入力機能を備えたEOS-3ではぼくは視線入力を活用して任意のAFポイントを瞬時に選びながら撮影をしているけれど、1D/1Dsや1Vでは (視線入力機能がないから) ほとんどの場合45点のAFポイントのうち真ん真ん中の1点だけを使って、AFロックなどをしながらピント合わせをしている。高速で移動するような被写体を連続撮影するような場合には、45点任意選択モードを選ぶことはあるが、残りの44点は無視して中央1点のAFポイントだけしか使わない。1D/1Dsを使うたびにいつも、もったいないなあ、と思いながらAF撮影をしております。
2003年7月12日(土)
2003年7月13日(日) ニコンの「四本目」の手ブレ補正レンズ
ニコン・D100 + VRズームニッコールED24〜120mmF3.5〜5.6 Gニコンで3本目の一眼レフ用手ブレ補正レンズ。いや正確に言うなら手ブレ補正レンズは4本目で、いっとう最初はコンパクトカメラ (ズーム700 VR) に内蔵させた35〜70mmズームレンズがある。そのカメラは、キヤノンが最初に発売した手ブレ補正レンズ (EF75〜300mmF4〜5.6 IS) よりも前に発売されていて、つまり手ブレ補正レンズについてはキヤノンよりもニコンのほうが製品化は先なのであります。
ニコンのVR (Vibration Reduction) レンズもキヤノンのIS (Image Stabilizer) レンズも、その構造は基本的に同じで対になった角速度センサーを使って上下左右方向のブレ (の量と速度) を検知して、そのブレ方向と逆方向に同じ速度で補正光学系を動かしブレを相殺、その結果ブレを“目立たなく”するというもの、です。
というような、ぼくのいい加減な説明を読んで、おおっそうか、と手ブレ補正のメカニズムを納得、理解されておるとは思いませんが、すなわちぼくが言いたかったことは、VRレンズもISレンズも「手ブレ防止レンズ」ではなく「手ブレ補正レンズ」なのでありますよということです。ブレを目立たなくするだけで (ブレ量を少なくするだけ)、完全にブレを防止してしまうレンズではないのです。なかに、カンチガイをしてらっしゃる人がいて、このテのレンズを使うと「ブレない」と信じて疑わない。それは間違いです。
2003年7月14日(月) 手ブレ補正レンズの、ほんとうの効用
ニコン・D100 + VR ズームニッコールED24〜120mmF3.5〜5.6 Gニコンの手ブレ補正レンズは、キヤノンのそれに遅れること数年、ようやく出てきた初の一眼レフ用手ぶれ補正レンズがVR80〜400mmF4.5〜5.6。で、二本目がVR70〜200mmF2.8G、三本目がこのVR24〜120mmだ。VR80〜400mmにはシャッターボタンの半押し (SW1) でVR動作がON/OFF選択できるスイッチがついていたのだが ―― ファインダーを覗いて画像がゆらゆら揺れて気持ち悪い、という人のためにSW2でVRが働くモードも備えていたが ―― VR70〜200mmではそれがない。ニコンは、ココがキヤノンと違うところッ、と自慢していたけれど二本目からは省略。でも、VR70〜200mmでは揺れる乗り物に乗りながらでもブラさずに写せる新モードを搭載した。ところが、このVR24〜120mmはそのどちらのモードも省略した、いたって“シンプルな”レンズとなった。
手ブレ補正レンズの効用は、低速シャッタースピードでも気軽に手持ち撮影ができるということだけではない。手ブレが目立ちにくいけれどよく見てみるとわずかにブレていることの多い中速シャッタースピード ―― たとえば1/125秒から1/250秒あたり ―― で、ブレを最小限に抑えて撮影ができること。言うまでもないが、画質を低下させる最大の要因は手ブレで、どんなにすぐれた描写性能を持ったレンズで撮影をしてもブラせてしまえば、なんのこっちゃ、です。
つまり手ブレ補正の機能を使用することで、そのレンズの持っている描写実力を最大限に発揮して、気楽に、撮影ができるということであります。なお、ニコンのVRレンズはF5以降のボディにしか対応してないし、ボディの改良もできぬ。
2003年7月15日(火)
2003年7月16日(水)
2003年7月17日(木)
2003年7月18日(金) また、青森へ
キヤノン・EOS 10D + タムロン28〜75mmF2.8昨年秋のフォトキナでタムロンは、28〜75mmF2.8、180mm MacroF3.5、17〜35mmF2.8〜4.0、そして70〜200mmF2.8の4本の新レンズを“開発発表”をした。そのうちの28〜75mmと180mm Macro の2本が先月頃から発売が始まった。とくにこの28〜75mmF2.8ズームは「よく写る、小さい軽い、安い」と三拍子そろった (冗談でもおべんちゃらでもなく) 、いま、大注目の交換レンズのひとつでありましょう。そのズームの標準価格が5万5千円でありますから、F2.8大口径の標準ズームがすべて10万円以上 (実販でも) する、大きい、重い、のに対して、4万円そこそこで手に入る。10Dと組み合わせると約45〜120mm相当となる。
弘前市内のホテルを早朝、食事前にちょいと散歩。弘前城とその周辺を2時間ばかり気持ちよく歩きました。5時過ぎという早い時間にもかかわらず弘前城内には散歩したり走ったりする人がたくさんいたのには少し驚きました。早朝に弘前城をめざしたのは岩木山が見たかったからなのですが、残念ながら雲が厚くたれ込めていて、しばらく待っていたのですが見ることあたわずでありました。弘前城址もその周囲の街並みも、ひとびとの様子と同じようにゆったりとした落ち着きがあって、素晴らしい街でした。青森がますます気に入りました。
2003年7月19日(土) タムロンの技術力
キヤノン・EOS 10D + タムロン28〜75mmF2.8いくらなんでもF2.8通しの大口径の標準ズームレンズを、これほどまでに小さく軽くそして低価格に仕上げて、その“弊害”がどこかに隠れているのではないかと疑心暗鬼で使ってみたけれど、取り立ててコレといった欠点が見当たらないのであります。強いて言えば、望遠側で糸巻き型のディストーションが見られる程度で (広角側では“まったく”歪みがない) 、でもその歪みも35mm判フルサイズで撮影したときに見られる現象で、歪んだ画面周辺部をカットしてしまう10Dのようなデジタル一眼レフではほとんど気になりません。最短撮影距離がズーム全域で33センチというのも素晴らしいスペックのひとつです。
F2.8通しのズームレンズ、つまりズーミングしても開放F値が変化しないコンスタントF値のズームレンズを設計するのはいろいろタイヘンなのです。このような標準ズームレンズでは、広角側は (比較的) 容易にF2.8大口径を確保できる。しかし望遠側でもF2.8を確保させるにはレンズ有効径をたっぷりと大きくするしか方策がない。だから多くの大口径レンズは大きく太くなってしまう。
小さな鏡筒のまま大口径、コンスタントF値のズームを作るために、タムロンはいろいろなワザを使ったそうでありますが、そのいくつかのワザは、たとえば高屈折ガラスや低分散ガラスあるいは非球面レンズなどの特殊硝材ガラスを効率的に組み合わせて設計していること、薄型で短くて丈夫な鏡枠を独自に設計製造してそれを使用していることなどであります。…本日はすっかりタムロン宣伝モードになってしまいました。
2003年7月20日(日) もう1本のタムロンレンズ
キヤノン・EOS 10D + タムロン180mmF3.5 Macroそのまま等倍撮影が可能な望遠180mmのマクロレンズ。10Dと組み合わせると画角はその焦点距離の約1.6倍となるため、約300mm相当画角の“超”望遠マクロレンズになってしまう。言うまでもないが、このマクロレンズは至近距離はもちろん、無限遠まで撮影距離にかかわらず自由自在にピントを合わせて撮影ができる。だから通常の望遠レンズとしても使えるわけだ。タムロンには昔、「SP180mmF2.5」という名レンズがあったのだが (アダプトールマウントのMFレンズ) 、この180mm Macroレンズはそれを彷彿とさせるなかなかキレのよい描写をする。
青森の話その後。弘前市内のホテルを出てから、十和田湖、奥入瀬渓流 (一ヶ月もたたぬうちに再びここに来てしまった) を経由し、三沢市をかすめ、太平洋側の338号線を北上。そのまま下北半島最北端の尻屋崎まで行くつもりだったのだけど、六ヶ所村を抜けたあたりから霧と冷たい小雨が降り続き、景色も単調でもうひとつぱっとしない。かなり北上したところで、もーやーめた、と下北半島の“斧の柄”のあたりを横断して陸奥湾に出た。踵を返すように一路、279号線を南下して、風車などを眺めながら、結局、三沢空港からJASに乗って羽田に戻ってきました、とさ。
2003年7月21日(月)
2003年7月22日(火) サンニッパ・ズームで花火撮影
キヤノン・EOS 10D + シグマ 120〜300mmF2.8120〜300mmのズームレンズながら“F2.8通し”の大口径望遠ズーム。シグマの快挙、と言っても決して言いすぎではない凄い出来映えのレンズだと思う。300mmF2.8レンズのことを一部の人たちは憧れを込めて“サンニッパ”と呼んで別格扱いしていますが、つまりサンニッパは高性能・高価格レンズの代表格でもありました。でも、いったい誰もがこのサンニッパをベースにしてズーム化しようと考えたでありましょうか (少なくとも、ぼくは想像すらしませんでした) 。この120〜300mmF2.8ズームのハナシをシグマから聞いたときは「ええっー、うっそぉーっ」とガキっぽい叫び声を上げたくらいです。
今年も横浜の港に上がった花火を4〜5キロ離れた川崎・子安あたりからノンビリ遠望しました。20日夕暮れ、毎年恒例の大パーティーがありまして (100人以上が集まりました) 、ビールを飲みつつ (クルマだったからほんの少し) 、すき焼きをたっぷり食べ (暑かった) 、その後、屋上に上がって焼き鳥を頬張りながら花火見物。この日は風がほとんどなく、どどんっ、と花火が上がるたびにそのケムリがどよーんと空中に止まっておりまして、つぎつぎ上がるきれいな花火がよく見えない。
10Dには多重露出撮影機能がないので (次機種ではナンとかして欲しい)、しょうがないバルブシャッターを選んで右手でシャッターボタンを押したまま、左手に持った黒い布をまるで手品師きどりでレンズに被せたり外したりしながら“多重露出撮影”をやったりしましたが、どうも思ったようにウマくいきませんでした。
2003年7月23日(水)
2003年7月24日(木) Optio S の薄型3倍ズームレンズ
ペンタックス・Optio Sボディの厚みが約2センチの超薄型カメラ。そのボディに沈胴式3倍ズームレンズが内蔵されていて収納時にはレンズはボディ内に完全に引っ込んでカメラは真っ平らになる。OFF状態でカメラをフラット超薄型にするために、ズームレンズ内の一部のレンズ群を上下二段重ねにして収納するようにしている。さらにレンズ鏡筒を三段伸縮型 (多くのデジタルカメラ内蔵の沈胴式ズームレンズは二段式) を採用するなど高い技術力とアイディアが詰め込まれたカメラでもある。レンズ設計者にとってこのOptio Sのズームレンズがいかに“破天荒な方式”であるかは、知り合いの他社のレンズ設計者が「信じられないツクリだ」、「とてもウチではOKが出ない非常識な設計です」などと呆れ顔で言っていたことを想い出します。
一部のレンズ群を付けたり外したりというのは、たとえばリアコンバーターレンズを考えればよい。しかしマスターレンズに付けたり外したりするリアコンレンズはそれじしん固定されたままで動くことはない。ところがOptio S の内蔵ズームは構成レンズ群のなかの一部の群がズーミング時にレンズの間隔を変えながら前後移動 (変倍差動) する。このときレンズの光軸が少しでもズレてしまうとピントもナニもあったもんじゃあなくなる。一部のレンズ群が“取り外し式”になっているうえに、多段式鏡筒なので、つまり可動部が多い、精度が出しにくい、などのレンズにとっていちばん避けなければならない不安定要因が多い。にもかかわらず、それを抑え込んで精度のよい薄型3倍ズームレンズを作り上げたペンタックスのレンズ設計力とレンズ製造技術力 (それと、破天荒な発想) には大いに感心させられます。
2003年7月25日(金)
2003年7月26日(土)
2003年7月27日(日)
2003年7月28日(月) 夏空の、少し予感
カシオ・QV-R40ステンレスボディで同じく400万画素3倍ズームレンズ内蔵のQV-R4の、モデルチェンジ機種がこのQV-R40。ボディはアルミ合金を使用して軽量化をはかっております。ボディの前面からのスタイリングは新旧モデルとも大変に似通っておりますが、その背面は大幅に変更されていて、新型QV-R40はじつにシンプルで操作ボタン類も大変に少なく整理されています。操作性がバツグンによろしくなっております。
旧型QV-R4と同じく、新型QV-R40も1/1.8インチ型413万画素CCDを使用しているのだが内蔵ズームレンズがまったく違っている。旧型はレンズ鏡筒にハッキリと「PENTAX LENS」と明記してあって、そのズームはペンタックスのOptio 430に内蔵されているレンズと同じものだった。ところが新型のズームレンズにはいっさいそうした表示はなく、8〜24mmF2.8〜4.9というスペックでペンタックスのズームを調べたらそんなものはありませんから、これはペンタックスのものではない (われながらツマらんことを詮索しておりますが) 。
カシオが自前でズームレンズなど作るわけがありませんから、これはさて、どこのレンズを流用しておるのか。と、思いつつQV-R40のメインスイッチをONにして、その沈胴式内蔵ズームレンズの“動き”をじっと見たとたん、なーんだ、あのカメラのレンズじゃあないか。
2003年7月29日(火) ダイレクトONボタン
カシオ・QV-R40とてもキビキビ作動してくれ、使っていてストレスのほとんど溜まらないデキのよいカメラです。電源が単3型乾電池2本というのもイイ。起動はスイッチを押すとほぼ同時、といった印象で、そう、この感触はコニカ・KD-410Zや510Zを使ったときとまったく同じであります…ね。ただそのコニカのカメラとちょっと違うのはAFのスピードと精度で、実際に両機種を並べて比較したわけじゃありませんから不確かですけど、このQV-R40のほうがずっと正確でスピーディーに合焦するように感じました (スポットAFモード)。だから使っていて余計に気分爽快だったのかも知れません。
「ほとんど」ストレスのない、とは言いましたが、ただひとつ、なぜこんな仕様にしたのだろうかと不思議に思わせられるものがあり、それがアシを引っ張って、少しストレスが溜まりました。R40にはボディ背面に「ダイレクトON」ボタンを二つ設けており、これが最大の特徴でもあります。R40が完全OFF状態でも、ダイレクト起動ボタンを押すだけで瞬時にON、ダイレクト再生ボタンを押すと瞬時に再生画面表示する。わざわざメインスイッチをONする必要がない。
ところが、たとえばダイレクト起動ボタンを押して撮影したあと、R40をOFFにしようとして再びそのダイレクト起動ボタンを押しても (そうするのがごく自然な操作手順だと思うけど) ウンともスンとも反応がない。つまり、いったん起動させてしまったR40を終了OFFにするには、ボディ上部に設けられたメインスイッチを押さねばならぬのだ。なぜ、ダイレクト起動ボタンだけで、すべてをまかなえるようにしなかったのでしょうか、カシオに問えども黙して多くを語らず。
2003年7月30日(水)
2003年7月31日(木) 手のひら“一眼レフ”
フジ・FinePix S50001/2.7インチ型310万画素スーパーCCDハニカムHRを使用した10倍ズームレンズ内蔵の一眼タイプ小型デジタルカメラ。ひと言でいってしまえばこれだけなんだけど、しかし小さい軽い。フジではこうしたグリップ付き一眼タイプカメラのことを「ネオ一眼」と呼んでおりました。レンズ交換ができない、ミラー光学系を使ったレフレックスタイプではない、ので「一眼レフカメラ」と呼ばず、ネオ一眼デジタルカメラ。いいネーミングだと思います。
10倍ズームレンズ内蔵にしては、大変にちっちなボディです。手のひらサイズ、ミニチュアサイズと言っても、言い過ぎではないでしょう。でも撮影機能はいっちょ前の、そこそこのものを備えていて、フルオートプログラムAEのほか、シフト可能なプログラムAEや絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、それにマニュアル露出もあるし、カンタン撮影モードのシーンモードも。でも、そうしたフルスペック機能を持つカメラのわりには、ターゲットユーザーを少し“見下した”ようなところもなにしもあらずで、押しつけがましく感じる仕様もありました。
以下蛇足ですが、ややノイズっぽい描写傾向のありましたF410と同じCCD (HRタイプ) を使っておりますし、撮影感度も同じようにISO200からしか設定できませんからその写り具合はF410よりも優れているということはありません。ただし10倍ズームレンズの迫力は十分に感じられます。