Photo of the Day
バックナンバー
2003年5月1日(木) 新Pシリーズ用レンズアクセサリー
ソニー・Cyber-Shot DSC-P10+専用レンズアダプター+ワイドコンバージョンレンズP10に内蔵されているレンズは35mm判換算で38〜114mm相当の3倍ズームレンズ。Pシリーズはカールツァイス・ブランドのレンズではなく「SONY LENS」であります。このP10はさきに発売された320万画素のP8とはCCDと内蔵ズームレンズが違うが、ほかはほとんど同じに仕上げられていてボディデのスタイリングや操作系ザインは共通です。かたや500万画素、かたや320万画素、の違いだけ、と見ていいでしょう。
P10とP8は従来のPシリーズのカメラよりもボディサイズが小さくなった。それにあわせて、P8/P10用に専用のコンバージョンレンズやフィルターなどのアクセサリー類が発売になりました。コンバージョンレンズは画角が0.7倍の広角になるワイドコンバージョンレンズと、1.5倍になるテレコンバージョンレンズ、そして偏光フィルターやND、ソフト、クロスなどのフィルター。これらのアクセサリー類はP8/P10内蔵のレンズにダイレクトに取り付けるのではなく、まず、レンズアダプターなる“大袈裟な”枠をボディに取り付けて、そこにコンバージョンレンズやフィルターをセットするわけです。
だから、レンズアダプターを取り付けた時点で (この取り付けがまた厄介なんですよ) 、Pシリーズのスタイリッシュなボディデザインは台なしになって、なんじゃこれは、というようなカッコウに変身してしまいます。
2003年5月2日(金) 小さなボディのカメラだから「ミニ」を写したわけでもないけど
ソニー・Cyber-Shot DSC-V1すでにアメリカでは発表済みの機種だけど (あちらで発売しているのかどうか不明) ようやく日本でも5月下旬に発売されることが正式にアナウンスされた。4倍ズームレンズ内蔵の有効画素数510万画素カメラであります。Sシリーズの後継機種となるVシリーズ (おそらくシリーズ化されると思う) の最初のカメラでもあります。CCDは1/1.8インチ型で、これはP10に使用しているものと同じ。ボディはSシリーズに比べるととても小型で、しかし厚みはある。また、同じ4倍ズームレンズ内蔵のキヤノン・G3と並べて見ると、V1のその小ささが際だってよくわかる。
ひょっとしてV1の4倍ズームもまたキヤノンのレンズを使っているのかなあと思って ―― Sシリーズの3倍ズームレンズがそうだったから、ね ―― スペックを見てみたら、ぜんぜん (とは言い過ぎだけど) 違います。V1とG3を比べてV1のほうがコンパクトである理由は、ひとつはレンズが小さいこと、ふたつめは電池が小型であることでしょう。G3の4倍ズームの開放F値はF2.0〜3.0ととても明るいけど、いっぽうのV1のズームはF2.8〜4.0。なんだい、一絞りぶんしか違わないじゃないか、と考えるのはそりゃいけません。開放F値を一段ぶん明るくするにはレンズ口径を2倍にしなきゃいけませんから (古典物理からの理論だそうで、このへんを突っ込まれるとぼくには答えられません) とうぜん、レンズは大きくなります。レンズが大きくなるとカメラボディも大きくなります。
V1のバッテリーはPシリーズなどに使用しているCタイプで、従来のSシリーズの半分以下のサイズしかありませ。G3のバッテリーはEOS 10Dでも使っている大容量タイプですから大きい。ま、そうゆーわけで、4倍ズーム内蔵ながらV1は小さいわけです。
2003年5月3日(土) ボディを小さくしすぎた弊害もあります
ソニー・Cyber-Shot DSC-V1ボディのスタイリングは悪くはないと思います。高級感もあるし精密機械らしいメカニズム感もありますし、素材の使いこなし方もウマい。不満点といえば、光学ファインダー接眼部の処理 (ココだけが黒いプラスチックで形状も“浮いて”おります) 、そしてボディの厚みです。精いっぱいがんばったんだろうけれど、もう少し薄型にできなかったのだろうかなあ。ここまで厚みがあれば、もう、思い切ってバリアブルアングル方式の液晶モニターを採用してもよいのではないかと。
液晶モニターは、はっきり言って (ぼくには) 見づらい (見にくかった)。とくに晴れた日の戸外では、にっちもさっちもいかんじゃないか、と独り言をいいたくなるほど見にくい (見にくかった)。そのうえ、さまざまな撮影情報がその見にくい液晶モニターに表示されるんだけど、これまた文字が小さくて…。せっかくの絞り優先AEやシャッタースピード優先AE、そしてマニュアル撮影モードを備えているのに、絞り値もシャッタースピードも、これじゃ見えんじゃないかい。文字表示のデザインやレイアウトにも課題はありますが、モニター画面がやはり小さいんですよ、P8/P10と同じ1.5インチ型なんですもん、その小さな画面にたくさんの情報を表示させようとするから。
レンズの描写性能は、基本的にはよろしいです。シャープです。しかし、ディストーションが少し強いです。広角側で樽型、望遠側で糸巻き型になるズームレンズの典型的な歪曲収差がでます。
2003年5月4日(日)
2003年5月5日(月) どーでもイイことだけど、V1の、少しディープなハナシ
ソニー・Cyber-Shot DSC-V1+1.7倍テレコンバージョンレンズソニーは、Sシリーズの機種もそうだったのだが、なぜなのだろうかフォーカスモードとAEロック操作をとても重要視しているようです。独立したボタンにそれぞれの機能を与えていて、わざわざメニュー画面で選ぶ必要がないようにしております。V1もそうでありまして「FOCUS」と「AE LOCK」の二つのボタンが、狭いボディ背面でエラそうにでかいツラしているのですが、たとえばこの二つのボタンでISO感度とホワイトバランスの設定ができたほうがずっと良いのに。撮影中にフォーカスモードを切り替えることなど、ぼくはほとんどやりません。
ソニーの開発陣にはコンバージョンレンズ・フェチの方がいるんではないかと勘ぐりたくなるほど“凝った”コンバージョンレンズがこのV1にも用意されております。新しいPシリーズ用のコンバージョンレンズセットもかなり“凝って”ます。
V1用のワイドコンバージョンレンズは0.7倍で、これをセットすると約24mm相当の広角撮影が可能になる。このワイコンをレンズ鏡筒にねじ込むと (レンズ鏡筒のネジに小さなスイッチがある) 自動的にズーミングができなくなる。これはわかるのだが (ワイド側のみの撮影に限定されるから) 、しかし同時にマクロ撮影モードの設定もできなくなるがその理由がわからん、なぜなのだろうか。テレコンバージョンレンズは1.7倍なので約230mm相当の望遠となる。テレコンもテレ側だけしか撮影ができない (ワイド側にズームすると画面がケラれてしまう) 。ただ、テレコンをセットしたときはマクロ撮影モードを選ぶことはできるのだが、最短撮影可能距離が遠くなってしまい、このとき最大撮影倍率はテレコンなしよりも小さくなる。いろいろ制限の多いコンバージョンレンズだ…少しハナシがディープすぎるか。
2003年5月6日(火)
2003年5月7日(水) ペンタックスの秘密主義
ペンタックス・Optio 55035mm判で約37〜187mm相当の5倍ズームレンズを内蔵するペンタックスの“意欲作”であります。ウルトラ小型薄型の Optio S の人気のカゲに隠れてしまっている感もなきにしもあらずだけど、同じく3MB3倍ズームの Optio 33L もそうでもっともっと注目しても良いカメラだと思います。ただ、相変わらずボディのスタイリングが…外観もそうだけど操作ボタン類などのデザイン処理が、ねえ。ただし、ま、これは個人的な趣味趣向によるところが大きいですから、まったくの独り言です。
550は1/1.8インチ型の500万画素CCDを使用しております。ちょっと彩度の強い画像だがイヤみのない素直な画質に仕上げています。しいて言えば、ぼくはOptio Sの画質傾向よりも、この550や33Lの画質・色調傾向のほうが好みだなあ。ともかく最近のペンタックスは画像処理についてはよくがんばってると思います。知らず知らずのうちに、着実に力をつけてきたなという印象です。
ただ、ペンタックスは昔からそうなんだけど、無闇と意味のない秘密主義をとることがあります。たとえばですけど、550を使ってオートISO感度モードで撮影をして、その写真のISO感度をExifデータを読んでチェックしてみようとしても、どこを探しても見当たらない。ぼくたちが気付かないどこか特別な場所に (暗号化されて) 記載されているのかも知れないが、誰でもがカンタンに情報が見られないようにしているというのは、なにか意図的に隠しているようでもあり、あまりいい感じはしませんなあ。
2003年5月8日(木) 光学ファインダーの情けないほどのパララックス
ペンタックス・Optio 550500万画素デジタルカメラには2/3インチ型CCDとそれよりもふたまわりほど小さな1/1.8インチ型CCDを採用している機種がある。いや、正しく言えば1/1.8インチ型と1/1.76インチ型の2種類のCCDがありますから、500万画素デジタルカメラには計3種類のCCDを使った機種が混在しております。2/3インチ型はCCDサイズが大きいぶん、レンズも大きくなりボディも大きい。1/1.8または1/1.76インチ型はCCDサイズが小さいのでレンズも小さくボディも小さく作れるけれど、画質のめんでは (ムキになって画質をうんぬんすれば) いろいろ不利な点もあります。
550は5倍ズームレンズ内蔵で、それに対応した5倍光学ズームファインダーが組み込まれている。オリンパスやパナソニックなど高倍率ズーム内蔵機種は液晶ファインダーを使っております。どちらのファインダーのほうがイイかといえば、ぼくは迷うことなく液晶ファインダーをヨシとします。たしかに、液晶ファインダーはドットが粗くてざらついた見え方をしますが、撮影距離にかかわらずパララックスがほとんどない。光学ファインダーはクリアーに見えますが、低倍率でも近距離にピントを合わせたときや望遠側にズーミングしたときなどはとくに、ファインダーで見ている画面と実際に写った画像とはとんちんかんなほど差がでる。
それが5倍もの高倍率の光学ファインダーともなると、そりゃあ、パララックスの大きさは尋常ではなくなります。そんなことはペンタックスは百も承知、千も合点のはずだから、その光学ファインダーの精度をもう少しアップしておいて欲しかった。ぼくは一度、それを覗いて撮影をした写真を見て、二度と光学ファインダーを見て撮影をしようとは思いませんでした。
2003年5月9日(金) なーんてことないけど、良くできたデジタルカメラ
ペンタックス・Optio 33LこのOptio 33Lは、たくさんの機種がひしめく3倍ズームレンズ内蔵・3MBデジタルカメラの中で、価格、性能、使いやすさ、を総合的に判断すれば、ベストスリーの中に入れたいカメラのひとつ。ボディサイズは決して小さいとは言えないし、スタイリングがとくべつ良いわけでもないし、取り立てて興味を惹く撮影機能を備えているわけではないが、しかしとても良くできたデジタルカメラだとぼくは思います。
33Lは同じ3倍ズームで300万画素の330GSを改良したモデル。330GSは背面液晶モニターが左側に起きあがって、つまり被写体側に向くだけのナンノコッチャの、まるで役立たずのバリアブル液晶モニターだったわけだが、それが33Lではこんどは上に起きあがってくるりっと回転するようになった。だからモニター画面がこちら側に向くようになったし被写体側に向けることもできる (これをペンタックスではフレキシブル液晶モニターと呼んでおります) 。左方向に起きあがって回転できるモニター搭載機種はあるけれど (キヤノンのG3やニコンの5700など) 上方向に起きあがる機種は珍しいし、これが使っていてなにより楽しい。このほかにもいろいろ遊び心があるカメラであります。
2003年5月10日(土) マセラティか、フェラーリか
ペンタックス・Optio 33L33Lのボディスタイリングは、お世辞にもカッコイイとは言い難いけれど、しかしじゃあ、カッコワルイかといえば決してそんなことはない。シンプルでとてもあっさりしたデザインで、なにかとデコラティブすぎるペンタックス・デザインから少し外れていてそれが良いのです。電池はCR-V3を1個か、または汎用タイプの単3型乾電池が2本使用できるのもイイ。Optio 550もそうだけど、画質も色調もなかなかよろしいです。撮影機能は必要にして十分で、けっこう楽しめる撮影機能も盛り込まれております。
最近のマセラティは魅力的なクルマが少ないけれど、戦後から1960年代あたりにかけてのレーシングカーやストリートカーには素晴らしく魅惑的な車種が多い。かってはフェラーリよりも“格上”だったそのマセラティの経営がおかしくなったとき、最大のライバルでもあったフェラーリが援助してマセラティ・ブランドを守ったという有名な話もあります。
あるコレクターに、グランプリレースで競っていた頃のマセラティとフェラーリのレーシングカーを数台、並べてじっくり見せてもらったことがありましたが、そのツクリの良さは断然にマセラティのほうが上でした。サスペンションアームの仕上げなどは舌を巻くほど美しいものでした。フェラーリなど (その当時の、ですけど) 、おとといこいッ、てな印象でしたね。
2003年5月11日(日) どうして3倍ズームじゃあないの?
キヤノン・IXY DIGITAL 30春の新製品発表から約2ヶ月ほどズレて、とつぜんポツンと発表された。なにかワケありの感ありの30であります。この30は320の後継機種となるもので、2倍ズームレンズ内蔵で300万画素。キャノンではメモリーカードに初めてSDカードを採用した機種でありますが、小さなメモリーカードを採用したわりには (さらに専用リチュウム電池も小型になっているのに) ボディサイズがそれほど小型ではないのが、どうもにも解せません。
それほどの「小型」じゃないとは言いましたが、いやもちろん“そこそこ”コンパクトに仕上げております。めちゃくちゃ小型ではないけれど、そこそこの小型だからこその良い面もあります。ホールディング感がばつぐんによろしいのです。ボディの仕上げも実にウマいしとっても高級感溢れる、いちど手に持つともう離したくなくなるほど質感がよろしいです。指先がニタニタ笑ってしまうほどのいい感触です。
320と同じ2倍ズーム内蔵ですが、レンズは新規開発です。なのに、なぜ3倍ズームにしなかったのか?、どうして2倍でヨシとしたのか?、てなことを開発担当の方に聞いたら苦しそうに小声で「価格です…」と。つまり3倍ズームレンズ内蔵だと実販価格5万円以下にすることは大変に難しいというわけです。いくら天下のIXY DIGITALでも、300万画素3倍ズームが5万円を越えると、売るのがとたんに難しくなるのもわからぬではない。いや、だからといって2倍ズームというのも、いまの時代、ナンですよねえ。
2003年5月12日(月)
2003年5月13日(火) マクロ撮影モードの不満、いろいろ
キヤノン・IXY DIGITAL 306群6枚構成 (非球面レンズ3枚) の超小型2倍ズームレンズを内蔵、従来のIXY DIGITAL用バッテリーよりも小型の新型バッテリーを採用し、小型薄型のSDカードも採用、これまた超小型の内蔵ストロボユニットを組み込む、などなどカメラをスリムでコンパクト化できる要素はたくさん揃ってはいるのだけれど、そのワリには、わっと驚くほどの小ささには仕上がっていない。電池も小さくして (容量も小さくなってしまった) 、バッテリーチャージャーもうんと小さくなりました。
マクロ撮影モードでの最短撮影距離は広角側で10センチだが、望遠側にズーミングすると23センチになる。同じ2倍ズームの、前モデルとなるIXY DIGITAL 320は広角側は同じ10センチだが望遠側は27センチだったので、30では少し近づけるようになった。でも、広角側での10cmというのはちょっと遠すぎる。せっかくの“新規設計レンズ”なのになあ。IXY DIGITAL 400でも広角側で5センチまで近づけるんだぞ。
キヤノンのコンパクトデジタルカメラはほとんどそうなのだが、至近距離になって測距可能範囲外になると光学ファインダー横のLEDで警告するだけで ―― そのうえ低輝度警告とAF測距範囲外警告がごちゃごちゃになってよくわからん ―― 液晶モニターには「ピンぼけになるぞ」の警告はでない。いつも使っていて、これは不親切だなあと思います。理想を言えば、マクロ撮影モードで被写体に近づきすぎて測距範囲外 (つまりピンぼけです) になればシャッターがロックしてくれればいいのになあ、と。メカニズムとしてそう難しいことではないと思うし、実際フィルムコンパクトカメラではそうした機能を持った機種もあった。ニコンのコンパクトカメラに多かったなあ。
2003年5月14日(水) ブロニカRF645でアタマとウデを活性化させる
キヤノン・IXY DIGITAL 30この30でぼくがもっとも“憤慨”しているのは (と、言うほどのもんでもないけれど) 、メモリーカードがCFカードからSDカードに替えられたことではなくて、専用バッテリーの形状を変更したことです。初代IXY DIGITALからずっと同じ形状のバッテリーだったのに (だから機種が替わっても互換性があった) 、しかし30からはいままでの機種とは互換性がなくなった。容量は同じままだが半分の大きさにしたぞ、というなら納得はするけれど、たったひとまわりほど小さくなっただけなのだ (容量も少なくなった) 。各メーカーごとにバッテリーの形状が違ってうんざりなのに、同じメーカー内で幾種類ものバッテリーをほいほい出さないでちょうだい。奢るなキヤノン。
仕事撮影以外の、個人的なスナップ撮影にコンパクトデジタルカメラを使うことが多くなって、最近めっきりとフィルムカメラを手にすることが少なくなった。デジタルカメラばかり使っていると写真がどんどんヘタになる (アタマも悪くなる) ようで怖い。これではイカンぞと思い、休日などは積極的にできるだけオーソドックスなフィルムカメラを使ってウデとアタマを活性化させるように心がけております (効果のほどは不明です) 。
いま、毎日持ち歩くバックにはブローニーの220フィルムをセットしたブロニカRF645を放り込んでいる。レンズは ―― といってももともと45mmF4、65mmF4、それに100mmF4しかないのだけれど ―― これをその日の気分でとっかえひっかえして撮影をしております
2003年5月15日(木) ブレるかブレないかはシャッタースピードで決まります
オリンパス・CAMEDIA C-740 UZ10倍ズームレンズ内蔵の300万画素カメラ。この740のCCDは松下製の1/2.5インチ型だが (もちろん松下もオリンパスもノーコメント) 、740の前のモデルであるC-730 UZはソニー製の1/2.7インチ型CCDでありました (同じくソニーもオリンパスもノーコメント) 。740も730も、10倍ズームの焦点距離は35mm判換算で38〜380mmまで。つまり撮像素子サイズが違いますから、とうぜんレンズは同じじゃありません。730は7群10枚の5.9〜59mmF2.8〜3.5だったけれど、740では7群11枚の6.3〜63mmF2.8〜3.7の新レンズが採用されております。この新ズームレンズは6月中旬発売予定の400万画素のC-750 UZにも使用されております。…ややこしい。
730も、この740も、これから発売される750も、380mmもの超望遠撮影が可能な10倍ズームレンズながら手ぶれ補正の機構を内蔵させておりません。ブレてしょうがないじゃないか、と思いきやこれが意外とブレが目立ちません。
フィルムカメラでは露出を決めるためのパラメーターとしては、フィルムを選んでしまえば自動的にISO感度は決定されてしまうから、あとはシャッタースピードと絞り値だけ。露出がどうのこうのと言っても、結局はシャッタースピードと絞り値の二つをコントロールするだけであります。しかし多くのデジタルカメラにはオートISO感度の機能があって、これを利用すればシャッタースピードと絞り値に加えて第三の露出のためのパラメーターになります。オリンパスはこの三つのパラメーターを焦点距離に応じてじつに上手に組み合わせておるんではないか (つまり最適なシャッタースピードが選べるようにアルゴリズムが練られているのではないか) と考えるわけです。
2003年5月16日(金)
2003年5月17日(土) レチナIIIcのシャッターが壊れてしまった
オリンパス・CAMEDIA C-740 UZC-700シリーズは8〜10倍の高倍率ズームを内蔵させてつぎつぎとモデルチェンジを繰り返しています。超望遠撮影ができることがウケてオリンパスの人気商品になっています。基本的なボディスタイルや操作部のレイアウトなどはC-700 UZとほとんど同じ。で、初代からのぼくの不満はメインスイッチとレンズカバーでした。メインスイッチの操作感がよろしくない (押しにくいのです) 。レンズカバーは、ぜひ内蔵型にして欲しい (メカニズムとして大変に難しいのは承知の上なのですが、そこをなんとかぜひ) 。
ブロニカRF645を少し使っていて、ひょんなことから、そうだレチナで撮影してみよう、と思い立ち、引き出しから久しぶりのレチナIIIc (大窓ではなく小窓のほうであります) を取り出してシャッターを確かめたら、これががっかりで、レンズシャッターが思うように作動してくれません。2年ほど前に分解調整してもらったばかりなのに…。こうした些細なことで意外に落ち込むもんです。シュナイダーのクセノン50mmF2が内蔵されていて、この描写がぼくは大好きで、新型ベルビア100Fで試してみようと思っていただけに残念無念であります。
そこで、しょうがないなあ、というわけでもう一台のレチナ ―― こちらはレチネッテでレンズはローデンストックのレオマー45mmF2.8 ―― を取り出してみましたらシャッターは快調。ただこのレチネッテのピント合わせは目測式で、それがチト厄介であります。
2003年5月18日(日)
2003年5月19日(月)
2003年5月20日(火) A310もF410も、その画質には感心できません
フジ・FinePix A310第四世代のスーパーCCDハニカム「HR」を採用したカメラで、先行発売されたF410も同じの1/2.7インチ型の有効画素数310万画であります。新A310は、旧A303とほぼ同じボディスタイルだが、Fボタンが新しく設けられたこと、USBコネクターの形状が変更になったこと、ビデオ端子が新設されたことなど、いくつかの相違点がある。新A310も旧A303も、1/2.7インチ型サイズのCCDだけど、旧A303はソニー製CCDだったが新A310になってスーパーCCDハニカムHRに載せ替えられた。
旧A303のISO感度はISO100に固定されたままだったのだが、こんどの新A310ではISO200、ISO400のどちらかに切り替え可能で、さらに記録画像サイズが小さくなるがISO800も選ぶことができるようになった。ただしオートISO感度モードは備わっていない。
ISO感度がマニュアルで変更できるようになったことは歓迎なのだけれど、小さなCCDなのに基準ISO感度がISO200からと“高感度設定”なものだから、その無理がたたって、とくに低輝度時にランダムノイズが盛大に目立ち、とてもザラついた画像になってしまう。なぜ、少しでもノイズが目立たない (と思われる) ISO100またはISO50を基準ISO感度に設定しなかったのだろうか。そのへんのフジの理屈がぼくにはどうもよくわかりません。スーパーCCDハニカムHRの限界が見え隠れもする…。
2003年5月21日(水) フジの、オートモードとマニュアルモード
フジ・FinePix A310ISO感度をアップすると、より高速のシャッタースピード得られる。シャッタースピードが速くなるとブレが抑えられてシャープな写真が写せる。しかしISO感度を高くするとノイズが目立ってきたりして画質は悪くなる。画像は多少、荒れるけれどブレの少ないシャープな画像を良しとするか、あるいは、ノイズの少ない良好な画質ではあるがブレてボケた画像でもがまんするか。さあさあどちらか二者択一っ、に追い込まれて、やむなく前者のほうをとったのがこのA310やF410ではなかったのだろうか。
A310だけに限らずフジのデジタルコンパクトカメラの多くには、基本撮影モードとして「オート」と「マニュアル」のどちらかが選択できるようになっている。しかし、このオートとマニュアルという言い方は少し語弊があって誤解を招きやすく、つまりA310のオートモードとは初心者向け完全自動撮影モードであり、マニュアルモードとは絞りやシャッタースピードをコントロールできるモードというわけではなく、ただ単に撮影機能の選択項目の範囲が広くなったにすぎない。どちらもカメラ任せの自動露出撮影モードに変わりはないのだ。他のメーカーのカメラでいうところの、グリーンモードとPモードのうようなもの、と思えばよい。
そこで、昨日、A310ではオートISO感度のモードがない、と述べたけれど、正確に言うならばマニュアルモードではオートISO感度が設定できないがオートモードではオートISO感度モード (オート範囲はISO200〜400) の選択ができる、ということです。ぼくの言い方にも語弊がありましたし、舌足らずでした。
2003年5月22日(木) デジタルカメラのISO感度
フジ・FinePix A310A310とF410とは、同じCCD、同じレンズ、そして“ほぼ”同じ撮影機能を備えている。その写り具合も、まあだいたい似たようなものだけど (どちらも少しノイジーでシャープ感に欠ける) よく見比べるとF410の画像のほうが良いし、撮影レスポンスも良く (A310は単3型乾電池、F410は専用リチュウム電池が原因なのか、それとも基板が違うのかぼくはわからない) 、そして液晶モニターの見え具合もよろしい。実販価格ではF410のほうが1万5千円ほど高いのだけど、さてはたしてその価格差に見合っただけの“違い”があるかといえば、さあて…。
デジタルカメラにも「ISO感度」というフィルム用語が使用されておりますが、もともとこれはフィルムの撮影感度 (説明を省略するが、感度には指定感度と実効感度がある) をあらわすもの。フィルムのISO感度を決めるには、昔から事細かに決められた検査方法でおこなう。それを“なし崩し的”にデジタルカメラに取り入れてしまったわけで、今ではあたかもフィルムのISO感度とまったく同じように考えられておることがありますが (まあ現実的には同じようなモノですけど) 厳密に言えばフィルムのISO感度とは似て非なるものなんであります。
いま、このへんのことをSIPA (カメラ映像機器工業会) のデジタルカメラ関係の技術委員会でだいぶ前から検討され議論されておるようですが、いつものようにいろんな思惑がからみあってなかなか結論が出ないようです。
2003年5月23日(金)
2003年5月24日(土) あきれたデジタルカメラ
ライカ・D-LUX「ライカブランド」の「松下電器製」のデジタルカメラ。ボディ外観は初期のバルナック型ライカを思わせるようなクラシカルなスタイリングだ。でも、はっきり言いますが中身はパナソニックのDMC-F1 (3倍ズームレンズ内蔵の3MB機種) であります。以下、一部のライカファンの夢を壊すような言い方になりますが、CCDもレンズも基板も絵づくり (の基本) も松下電器です。ライカ社はボディスタイリングのデザインを受け持っただけ (だと思う) 。そもそもいまのライカ社にデジタルカメラなど作れるような技術も設備もアイディアもありません (と思います) 。
このD-LUXはオープン価格ですが、な、なんと、その実販価格は14万円ぐらいになるらしい。なぜこんな“法外”な値付けになるのかぼくにはさっぱりわかりませんし、どうしてなの?と調べる興味もありません。ひょっとすると、シャッターボタンにはサファイア、レンズ鏡筒はゴールド仕上げかな、なんて考えてしまいましたが、手にして見たらふつーの仕上げでありました。パナソニックのF1はいま4万5千円程度の実販価格で売られております。
D-LUX (ベーター版) とF1で、詮無いことだとは知りつつ比較撮影をしてみましたが、少し絵づくりに違いがありまして、D-LUXのほうが色調はナチュラルで少し柔らかめの描写になっていたようで、これはぼくの好みでした。
2003年5月25日(日)
2003年5月26日(月) ライカのブランド
ライカ・D-LUXD-LUXを手にして、おやっ、と少し驚いたのは電池・メディア室の蓋がプラスチックではなくボディ外装と同じアルミ合金製でありました。「高品位な金属ボディ」を謳っているどんなカメラも電池室など電気まわりは発火などに対して神経質になってプラスチックを使用しております。でもD-LUXはそこをがんばって (パナソニックががんばったんでしょうけれど) 他の製品とはちょっと違うぞ、と正真正銘のオール金属ボディとしました。
このライカデジタルカメラを見て、いまの時代、ブランドとはなんだろうかなあと少し考えてしまいました。D-LUXには、ライカというブランド以外に ―― 他のあまたあるデジタルコンパクトカメラとは少し違う部分もありますが、しかしだからといって“14万円”という値付けの明快な理由にはなりません。やはり「Leica」のブランドだけ付加価値となって+アルファ (いささか法外ですが) されたのでしょう。
数年前からライカ社のやりかた (商品構成) を見ていると、やや下品な物言いになってしまいますが、ブランドに頼り切ってそれを食いつぶしているだけのように感じられます。ライカ社にはいま「Leica」のブランドしか財産はないわけですからもう少し大事にしなければなあ、なんて思ってしまいます (大いに僭越なことですけど) 。
2003年5月27日(火) サファリラリーのこと
キヤノン・IXY DIGITAL 30IXY DIGITALにかぎらず、キヤノン・コンパクトデジタルカメラのメインスイッチ (ボタン押し込み式) は、カメラを起動するときはボタンスイッチを「長押し」しないとONにならない。しかしOFFにするときはONにするときとは違ってわずかに押し込むだけの「チョイ押し」するだけで電源が切れる。ツマらんことかも知れないがぼくはこうしたことにいたく感心します。他の多くのデジタルカメラはON/OFFが同じストロークだったり、わずかに指が触れただけでONしてしまう機種もある。カバンに入れておいただけでカメラの電源が入ってしまっている、なんてことを何度か経験したカメラもあります。
このバイオレットは1980年の第28回サファリラリーで優勝したニッサン車。ドライバーはシェッカー・メッタ、ナビはマイク・ドーソンです。ひさびさに見てとっても懐かしかった。記憶がちょっと曖昧ですが、この1〜2年後にそのサファリラリーに取材に行ったことがあるんです。もちろんアフリカも初めてケニアも初めて。
ラリーの取材は、とくにアフリカでの取材はそれはそれは大変だったんですが、終わってみれば、ああまた行きたいなあと思わせる不思議さがありました。ぼくが行ったときもメッタとドーソンがバイオレットで走っていましたが優勝はできなかった。レースが終わったあとメッタ ―― ほかにはラウノ・アルトーネンやティモ・サローネンなどがニッサン車をドライブしてました ―― かれらのクルマのナビシートに乗せてもらい“ラリー疑似体験”もしました。いやあ、アルトーネンのドライブが凄かった…。
2003年5月28日(水)
2003年5月29日(木)
2003年5月30日(金) 京都・知恩院の山門の歪み
ソニー・Cyber-Shot DSC-V1+0.7倍ワイドコンバージョンレンズV1内蔵の4倍ズームレンズは35mm判カメラ換算で約34〜136mm相当の4倍。このレンズ用にテレコンバージョンレンズ (1.7倍) とワイドコンバージョンレンズ (0.7倍) が別売で用意されております。ワイドコンバージョンレンズをセットすると (ネジ込み式) 、以前にも述べましたがズームは広角側に固定されズーミングができなくなります。このとき34mmの画角が約24mm (正確には約23.8mm) の“超”広角となります。
うえの写真を見て、あれっ?、と感づかれた人はよく目の肥えた、そして注意力のある方であります。知恩院の山門の大屋根の瓦の並びが、中央部がゆるく盛り上がったように見えます。画面下の石階段もまた、同じように波打ったように歪んでおります。もちろん、この知恩院の山門も石階段も大昔から真っ直ぐなのですが、しかしV1用の専用ワイドコンバージョンレンズを取り付けて撮影すると、こんなふうにヘンテコリンな歪み (ディストーション) が出てしまうのです。
ふつうはこうしたディストーションは緩やかに曲線を描いて樽状になったり糸巻き状になるものですが、こんなふうに“たんこぶ”のように歪むディストーションはぼくは写した記憶がありません。発見者のぼくとしてはあらたに「たんこぶ型ディストーション」と命名したいと思います。
2003年5月31日(土) 嵯峨野・広沢の池
ソニー・Cyber-Shot DSC-V1+0.7倍ワイドコンバージョンレンズワイドコンバージョンレンズと組み合わせると、たんこぶ型ディストーションが出てしまうぞ、と昨日、述べました。別段、ソニーのカタをもってフォローするわけではありませんけど、広角ズームレンズには多かれ少なかれディストーションは出るもので、ディストーションがあるからこのズームレンズもコンバージョンレンズもダメだと短絡的に判断するものでもないように思います。もともと、ぼくなぞは、多少の歪みにそれほど神経質にはなりませんし (いえ正直言えばドンカンなんですけどね) 、画面周辺部に垂直水平線がなければそんなもんどーでもイイじゃないかと思ってしまうほうです。
京都・嵯峨野には大きな池がふたつあります。ひとつは大覚寺境内にある大沢の池です。この池の端には「瀧のおとはたえてひさしくなりぬれどなこそ流れてなほ聞こえけれ」で有名な「名古曽の瀧」跡などがあります (昔はいまのようにりっぱに整備されてませんでしたけれど) 。もうひとつの池は、大覚寺から東の方向に少し行ったところにある広沢の池です。池の大きさは広沢の池のほうが倍以上の大きさがあります。
ぼくはこの広沢の池の周囲の風景が大好きで ―― 嵯峨野でいちばん好き ―― 中学生や高校生のときによく友人と連れだって散歩をしました。いま思い出すと笑止千万ですけど、古今和歌集や万葉集の歌をあれこれ取り上げながら歌の品定めをして歩いたものです (若者というのはじつに恥知らずなもんです) 。というわけで、久しぶりの広沢の池で、そんなことを想い出してしばし赤面でありました。