Photo of the Day
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2003年2月1日(土)
2003年2月2日(日) スライドバリアがすぐ閉じないようにしてッ
オリンパス・μ−10 DIGITAL(μシリーズだけに限らずオリンパスはスライドバリア方式のコンパクトカメラに“こだわっている”ようであります ―― デジタル、フィルムカメラにかかわらず。バリアをスライドして開閉することでメインスイッチのON/OFFも兼ねていて、これはこれでイイのだけれど、X-1/X-2ももそうですが、このμ−10 DIGITALはスライドバリアがすぐに動いてしまうのですよ。カメラを構えて、さあて、と思ったとたん、つい、バリアにチカラがかかってしまう。と、とたんにメインスイッチがOFFになって、するするっとレンズが引っ込んでしまいます。なんど、こうしてシャッターチャンスを逃したか…)
先日、三浦半島のほうに撮影に行ったとき、まだ未発表だったμ−10 DIGITALをこっそりポケットに忍ばせていました。小さな漁港で釣り船の手入れをしていた漁師さんとしばらく世間話をしておりまして、そのオジサンがぼくの持っているカメラ ―― フィルム一眼レフカメラを3台ほど持っていました ―― を見て「カメラは水に弱いからねえ…」と。
「釣り客がよくデジタルカメラを持って船に乗ってくるんだけど、いつも水を被ってカメラを壊してるよ」と言うんです。ポケットからμ−10 DIGITALを出して、このカメラなら海水ジャブンでも大丈夫なんだよ、いいでしょう、と言いたかった (自慢したかった) けれど、しかしまだ内緒のカメラだから無闇に (たとえ漁師さんといえども) ほれっと見せるわけにはいきませんから、いやいや水に濡れてもなんともないデジタルカメラもあるんですよ、なんて話だけで終わってしまいました。
2003年2月3日(月) ふたたび“防滴”デジタルカメラについて
オリンパス・μ−10 DIGITAL(μ−10 が「水道水で洗える」ほどの“防水”機能は (タテマエとして) 備えていないことになっている。オリンパスが保証するのはJIS保護等級4級までで、これは「防沫形・いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響がないもの」とされております。そのワンランク上の“5級”になると「防噴流形・いかなる方向からの水の直接噴流を受けても有害な影響がないもの」となりまして、水道の蛇口から勢いよく出る水をかけても問題なし、というものです。でも、だいたいこのような性能は余裕を見て決められている場合が多く、ぼくは水道水でμ−10 を洗っても支障がないほどの実力を持っておるんではないかと考えておりますが、でも、μ−10 は防水カメラではなくて正しく言えば“防滴”カメラなんです)
μ−10 DIGITAL内蔵のズームレンズの開放F値はF3.1〜F5.2、シャッタースピードの連動範囲は通常撮影モードで1/1000秒〜1/2秒までで、これにISO感度が自動的に変化して、それで適正露出値が決められる。いわゆる「絞り機構」はありません。ではこれらを組み合わせて、それでも露出オーバーになってしまうようなときはどうするかと言えば、NDフィルターを使って減光する。高輝度の被写体では、自動的に内蔵のNDフィルターが作動して光量をコントロールするわけであります。
こうしたハナシをすると、絞りの効果が出せないではないか、とか、なんだいつも開放絞り値で撮影しているのか、とヘンに誤解してこのカメラを断罪する人が出てきそうでイヤですが、ぼくはこうした機構をμ−10 DIGITAL が採用していることを高く評価しております (その理由をくどくど述べると長くなるので省略しますが)。
2003年2月4日(火)
2003年2月5日(水) もう少し頑張りましょうね、ミノルタ
ミノルタ・DiMAGE F300(バッファメモリの容量がF100に比べて2倍の32MBになっているのだが、いったいコレを何に使ってるんだろうか、と思わせるほど、撮影した画像の書き込みに時間がかかる。ストップウオッチを使って自分で測ってみた時間と、メーカーが測ってみた時間とどれくらい違うんだろうかと気になって、担当部署に問い合わせたけれど、この部署が、まあ、F300の起動時間に合わせてるんでしょうか (と思わせるほど) ノンビリしておりまして、数週間待っていてようやく答えていただきましたが「公表しておりません」でありました)
F300には1秒以上の長時間露光撮影時にノイズリダクション機能をON/OFFできる機能を備えている。多くの、こうした機能を持つデジタルカメラは露光時間と同じだけの処理時間で次の撮影ができるのだが、F300はその処理時間に加えてさらにもうひとつ処理時間が必要なんであります。知らなかったもんだから、当初、いったいどうしたんだっ、と慌てましたが、聞いてみると、たとえば2秒の長時間露光をすると同じ2秒間、ノイズ成分だけを取り出す処理をして、さらにプラス7秒間の「引き算処理時間」が必要となるという。つまり、2秒+2秒+7秒=11秒かかってしまいます。
寒空でワンカット撮影するたびに10秒以上もじっとしているというのもツラいものがあります。なお、付け加えますと、こうしてガマンが強いられるノイズリダクションON撮影をしても、OFFで撮影してもそれほど仕上がりに大差はありませんでした。もともと、とてもノイズの少ない画質なんですよ。
2003年2月6日(木)
2003年2月7日(金) ヒストグラム表示なんて、ナンの役に立ちますか
オリンパス・CAMEDIA C-5050 Zoom(ぼくのお気に入りのカメラのひとつで、バックの中に入れたり肩から下げてよく持ち歩いております。じつに多機能なカメラなんですけれど、その機能をぼくはほとんど活用しておりません(もったいない)。撮影モードはもっぱらプログラムAE専門で、マニュアル露出モードなんて切り替えたことさえありませんし、シャッタースピード優先AEモードはキライだし、そもそもこうしたコンパクトデジタルカメラで絞りの効果を出して作画するなんて (ぼくは) あまりイミないと考えておりますから絞り優先AEも使いません。ですから、まさに宝の持ち腐れ状態でのほほんと5050Zoomを使って楽しんでおります)
もちろんこの5050Zoomは多機能カメラですから「ヒストグラム」の表示機能が備わっている。ヒストグラムとは、アノ、山状のグラフでこれを読んで露出オーバーかアンダーか、ハイライト部からシャドー部までどこまで階調描写再現が可能かどうか、なんてことを“判断”するものだそうですが、使い方(読み取り方)はじつに難しいし (とくにぼくには、ね) 、こんなグラフを見たからといって写真がどうなるわけでもないのですが (と、ぼくは思うんだけど、ね)、しかし、このヒストグラム表示にはげしく固執している人もいるんですねえ (高級一眼デジタルカメラならわからぬでもないけれど、ね)。
先日も、あるデジタルカメラのプレゼンテーションがあったんだけど、そこで、まるっきり初心者をターゲットにしたそのカメラに対して「ヒストグラム表示の機能をぜひ入れるべきだ」と言う人がおりまして、ぼくはしばし唖然としてしまいました。ヒストグラムを見て写真を撮れば、たとえばフォトコンテストで優秀賞を獲得できるのかっ、とイヤみのひとつも言いたくなりました (その人にワルイから言ってませんけどね)。
2003年2月8日(土) べつに仲が悪いわけじゃない
パナソニック・LUMIX DMC-F1(このF1のレンズ鏡筒には「LEICA DC VARIO-ELMARIT」と記されております。わかりきったこと言うなよと怒られそうですが、ライカのデジタル用バリオ・エルマリートということです。ライカ一眼レフ用のズームレンズに、かって28〜70mmF3.5〜4.5バリオ・エルマーRというものがありましたが、これはライカがあのシグマに頼んで作ってもらったことで有名なレンズでありました (という言い方がいいのか悪いのか、いちおう共同開発てことになっておりますから)。なお、このF1のバリオ・エルマリートは、シグマで作っているものではありません、誤解のないように言っときますけど)
ライカもいろいろタイヘンだと思います、これから。なんだか自分の身を削って細々と生きているようにも見えてライカファンのぼくなど、ときどきいたたまれなく感じるときもあります。苦しみ抜いてライカM7を出したり、ぜいぜい荒い息をしながらライカR9を出しているように思えてならない。M7もR9もそこそこ良くできたがんばってるカメラだけど、どうしてだろうかなあ、ライカならではの吸引力の強い魅力が感じられない。
ぼくが持っているオンボロM3やM5などと新型M7、よれよれライカフレックスSLと新型R9とを比べると、くやしいから言うわけじゃないけれど、それでもM3やM5、ライカフレックスを使ったほうがずっといい写真が写せるような気がするんですよ。M7やR9を気分良く使っている人にはごめんなさいね、他意はありませんから。
2003年2月9日(日) ライカレンズのなまえ
パナソニック・LUMIX DMC-FZ1(DMC-FZ1に内蔵されている35mm判換算で35〜420mm相当の12倍ズームレンズには手ぶれ補正付き。12倍という高倍率ズームにしてはとても小型で、このレンズを作った松下電器のレンズ開発力の高さに驚かされる (どうも正真正銘の“自社製”のようでありますが、うたぐり深いぼくとしてはまだ半信半疑なので、こんど天童市にあるという松下のレンズ工場を見せてもらって確認してこよう)。なおかつ手ぶれ補正の機能 (もちろん光学補正) も入っていて、さらにズーム全域で開放F値の変化のない大口径F2.8ですよ、もう、こうなるとキヤノンもニコンもペンタックスもミノルタもオリンパスもエラそうな顔ができなくなりますねえ)
このFZ1のレンズにもF1と同じく「LEICA DC VARIO-ELMARIT」と明記されている。エルマリートの名前はライカでは開放F値F2.8のレンズにつけられることになっている (F1の3倍ズームはF2.8〜F4.9) 。ちなみに ―― 一般的にですけど、 F1.0という明るいレンズには「ノクティルックス (Noctilux)」、F1.4レンズには「ズミルックス (Summilux)」、F2のレンズには「ズミクロン (Summicron)」、F2.8レンズは「エルマリート (Elmarit)」、そしてF3.5レンズには「エルマー (Elmar)」という具合に開放F値でレンズ名が決められております。なお、なにごとにも例外があって、50mmF2.8なのにエルマーと名付けられているレンズもありますけどね。
このほか、ズマロン、ズミタール、ズマリット、ヘクトール、タンバール、テリートなどの名前もありますし、ライカ用レンズなんですがカールツァイス製のスーパーアンギュロンやホロゴン、シュナイダー製のクセノンなんてものもあります。ま、こうしたライカレンズのあれこれについての蘊蓄は限りがありません (ぼくは詳しく知りませんが)。
2003年2月10日(月) 売れるでしょうね、このカメラは
カシオ・EXILIM EX-Z3(EX-Z3とペンタックスのOptio Sと、あちこち“似たものどうし”ではありますが、どちらも興味津々のカメラであります。カシオとペンタックスのあいだではいろいろ丁々発止があるようで、同じ部品などを使ってはおりますが、ほとんど別物、と言っていいくらい違うカメラに仕上がっているようにも思えますが、しかしぼくは発表会場でしかOptio Sを見ておりませんから断定的なことはいえません)
レンズは素晴らしいデキであると感心しました。意表を突くその機構だけではなく、とても描写性能のよいレンズであるとの印象でした。ただ、いま使っているベータ版機種のレンズはごく初期段階のものなので丁寧に作っているからデキが良いのかもしれませんが、しかし量産体制に入ってもコンスタントにこれだけのレンズが作り出せるのなら大したもんだと思います。いままでのOptioシリーズに使っていたレンズ描写とは、ちょっとばかり違います。
画質については ―― このクラスのデジタルカメラの画質について目くじらを立ててあれこれ言いたくはないのですが ―― まだベータ版の機種であることを前提に言いますと、暗い場所でのシャドー部のノイズが少し気になりました。もうちょっと、ウマく取り除いて欲しいもんです。
2003年2月11日(火) 大きな液晶モニターはいいなあ
カシオ・EXILIM EX-Z3(EX-Z3がペンタックス・Optio Sに勝る魅力は、大型の液晶モニター、スライドショーも可能なクレードル付き、でありましょうか。とくに、2インチ型TFTカラー液晶モニター (約42mm×31mm) は、やはりものすごく見やすい。ぼくのように近いもの小さなものが見えにくいニンゲンにとっては (はやいハナシが老眼ですけど) うれしいかぎりです。が、しかしそうでない人にもモニターが大きいことでデジタルカメラの楽しみ方がきっと、ぐーんと広がってくると思います)
EX-Z3は従来のEXILIMシリーズと同じように充電・画像転送用の台座(クレードル、標準セット)対応で、そのクレードルにセットするだけでUSBケーブル経由で撮影画像がパソコンに自動的に転送される。クレードルには大きなボタンがあって、これを押すと撮影した画像が大型の液晶モニターでスライドショー表示が始まる。
と、書くと、あんまりおもしろくもなさそうでしょうけれど(ぼくの説明がツマらん)、でも実際にやってみるとコレがいがいとおもしろいんですよ。いままでの小さな液晶モニターだったら「ふんっ」なんて思ってしまうようなものですが、画像表示されるモニターが大きいから「ほほーっ」と楽しんで見てられるんですよ。
2003年2月12日(水) 兄弟機種ではありません
カシオ・EXILIM EX-Z3(昨日、一昨日と、このカシオのEX-Z3とペンタックスのOptio Sのハナシをいっしょくたにやっておりましたが、なんのこっちゃ、と感じられた人もいるかと思います。少し簡単に説明いたしますと、EX-Z3とOptio Sとは、内蔵3倍ズームレンズとCCDと画像処理などのための集積回路 (LSI) が「同じ」ものなのです。
ズームレンズはペンタックス製、LSIはカシオ製、そしてCCDはパナソニック・DMC-F1にも使用している松下電器製です。デジタルカメラにとってとても重要なパーツがまったく共通なので、この2機種を“兄弟機種”だと言う人がいますが、しかしぼくはそれはちょっと違うと考えております)
言い替えれば、レンズ・LCI・CCDの三つが同じだけでそれ以外は“まったく (と、いっていいほど) ”違う部品と設計思想で仕上げています (Optio Sをまだ使い込んでいないので断定は避けたいですけど)。たとえば液晶モニターの大きさ、撮影機能 (スペック) 、ボディのスタイリング、そして大きさや重さがゼンゼン違います。いわゆる、絵づくりの最終調整も微妙に異なっているはずです。同じLSIを使っているとはいえ、設計者や開発企画者がこれをどのようにカスタマイズして個性的なデジタルカメラに仕上げるかがウデの見せ所で、これらカシオとペンタックスのカメラにはソレが顕著にあらわれておりまして、じつにおもしろい。
“兄弟機種”ではない、とぼくが言いました理由は、ソンなことを言えばいま発売されているデジタルカメラのほとんどは“兄弟機種”ということになってしまうからです。それくらいいまのデジタルカメラは特定部品がメーカーを越えて入り乱れクロスオーバーしながら作られているんですよ。
2003年2月13日(木)
2003年2月14日(金) 95万円のカメラなんてそう気安く買えません
キヤノン・EOS-1Ds+28〜135mmF3.5〜5.6 IS(95万円です。実販価格です。税金が付くと100万円です。ボディだけの価格でもちろんレンズなしです。ぼくにはそれを買うだけの甲斐性がありませんから雑誌のレポート記事などのためにキヤノンから借りた1Dsでときどき撮影をさせてもらっています。仕事が終われば (イヤイヤ) 返却します)
1Dsは使うたびにため息がでます。いいカメラです。欲しくなります。でも、―― 買えない悔しさから言うわけではありませんが、いまのぼくの撮影スタイルを考えると、大枚100万円も出して買うべきカメラでもないぞ、と強引に自分を納得させております。使っていてこんなにも気持ちよくなるデジタル一眼レフカメラは他にないのですけど。
最近、デジタルカメラはちっちゃな機種ばかりを使っていて、重い大きいカメラを敬遠していて本格的な一眼デジタルカメラはあまり手にしなかったのだけど、こうして1Dsをたまに使ってみると、ぼくもプロのフォトグラファーでありますから、被写体に対峙したときの気分がぐんと引き締まるようで、ちゃらちゃらしたコンパクトデジタルカメラを使っているときの気分とはいささか違っているのを感じます (ちゃらちゃら、もたまにはいいとは思うんですけどね) 。
2003年2月15日(土) せめてカタログでも見て…
キヤノン・EOS-1Ds+28〜70mmF2.8L(EOS-1DやEOS D60には数十ページの立派なカタログがカメラ店などに置いてあるのだけど、さて1Dsのカタログはといえば約100万円のカメラとは思えぬほどそっけなくて、新聞の折り込みチラシのような4ページもののカタログしかない。100万円もするカメラを買うのにカタログを見て「決めたぞッ」という人もいないだろうけれど、1Dsが必要な人やどうしても欲しい人はカタログなぞ見ないで買ってくれるだろうとキヤノンが考えているんでしょうか)
いや正確に言うならEOS-1Dsの立派なカタログは、なくはない。あることはあるんですが、800円の有料なんですよこれが (サービスセンターなどで購入可能でカメラ店では売っておりません) 。「Ds Technical Overview」がそれで、30ページを越える豪華なカタログであります。1Dsのメカニズムや特徴が詳細懇切丁寧に解説されていて内容はシブい、さらにサンプル画像の入ったCD-ROM付きであります。
1Dsは欲しいけれど諸般の事情で手に入れることあたわず、という人は (じつはぼくもそうですよ) ふらんすへいきたしとおもへどふらんすはあまりにとおし、ではありませんが、せめて800円のカタログを見て楽しんでおきましょう、か。
2003年2月16日(日) 音声認識してテキスト変換
リコー・Caplio G3昨年夏に発売されたCaplio RR30の後継機種であります。内蔵の3倍ズームレンズ、324万画素のCCD、充電式専用電池のほか単3型乾電池も使用可能などの基本性能はほぼ同じだが、たとえば録音・再生ができるようにしたり、さらにシャッターボタンを“イッキ押し”したときのタイムラグがRR30の0.22秒から0.14秒にスピードアップ、とあれこれ改良されている。ボディサイズはRR30に比べて大きくなったけれど、スタイリッシュになったしホールディング性はすこぶる向上した。
G3には3モデルがあって、ベーシックモデルの「G3」はプラスチックボディで
2万8千円を下回るぐらいの実販価格 (標準価格が5万6千円ですから、いくらナンでも2万8千円はないです、「3万」8千円以下、であります、ぼくのキータッチミス) になるようだ。機能的にはまったく同じだが「G3 model M」は、マグネシウム合金ボディとなり (コレがよろしい)、ただしプラスチックG3に比べて実販価格で5千円ほど高くなる。そして、最上級モデルの同じマグネ合金ボディ「G3 model S」には、オモシロい機能を備わっております。なにかといえば、撮影後にアフレコをするとその音声メモがテキストに変換できるというものであります (パソコン上で専用ソフト使用) 。いまの段階では簡単な単語しか音声認識してテキストに変換できないけれど将来的にはこりゃあ大いにあれこれ発展する可能性がありそうですねえ。
2003年2月17日(月) G3の実販価格は「4万円以下」です
リコー・Caplio G3前モデルのRR30からG3になってボディサイズがわずかに大きくなった。どのメーカーも最近は、新製品は小さくなることはあっても大きくなることはない。そうしたトレンドとは逆を行くようなG3だが、RR30に比べて“見た目”もよくなっているし、なによりもカメラを持って構えたときの安定感がすこぶるよい。これなら少しぐらいカメラが大きくてもいいや、と思わせる。ところが、機能ボタンやメニュー画面の操作性が相変わらずスムーズではなく、このへんのユーザーインターフェースの改良がリコー・デジタルカメラの課題でありましょうか。
ぼくが借りて使ったG3はベーター版の機種だったせいかもしれないが、その画像 (画質) がRR30のそれからあまり“進歩”しているような印象を受けなかった。同じような、この1/2.7インチ型334万画素 (総画素数) CCDを使っている他社のデジタルカメラと撮り比べると、G3のそれには少々荒っぽさを感じてしまう。個性的な画像、パーソナリティー溢れる画質、と言えば聞こえはいいけれど、ぼくとしてはもう少し落ち着いた滑らかな画像になるようにして欲しいと感じました。でも、総合的にはとても好感の持てるカメラに仕上がっていると思っています。
2003年2月18日(火)
2003年2月19日(水) スーパーマクロ撮影、最短撮影距離2センチ
サンヨー・Xacti DSC-J1<Xacti=ザクティ>はサンヨー・デジタルカメラの新ブランドネーム。その第一弾がJ1であります。ボディのスタイリングは従来のMZやAZシリーズとは大幅に違っていてスマート、どちらかと言えば、MZ/AZが“男性向け”、J1が“女性向け”といった感じがする。J1はボディ外観から受ける第一印象がとても優しく、なかなかよろしいです。
メインスイッチをONにすると女性の声がする (だからといって女性向けデジタルカメラというわけではないけれど)。たとえばメディア (SD/MMCカード) が装填されていなければ「メディアが入っていません」という具合であります。これをサンヨーでは「おしゃべりナビ」と呼んでいてあれこれサシズやガイドをしてくれます。カメラを受け取ったときはおもしろくてその「おしゃべり」を聞いておったんですが、しばらくすると、ええいウルさいぞっ、と今では音声消去モードにして使っております。
メインスイッチONでもうひとつ、あれっ、と思うのはズームレンズ (2.8倍) 内蔵なのにレンズがボディからピクリっとも出てこないことだ。これは、ちょうどミノルタのディマージュ X/Xiと同じようなプリズムを使った屈曲光学系レンズだからであります (ただしミノルタ製レンズではありません)。
2003年2月20日(木) 動画の画像はキレイです
サンヨー・Xacti DSC-J1同じプリズム式屈曲型ズームのミノルタ・DiMAGE X/Xiよりも、このJ1のレンズのほうがずっと描写性能はよい (あのX/Xiのズームの描写はちょっとナンですからねえ) 。通常撮影モードで無限遠から最短20センチまでシームレスでピント合わせができるとスペックでは公表されているが、しかしじっさいにやってみると (ズーム広角側で被写体条件によっては) 10センチぐらいまで近づいてもピントが合ってシャッターが切れる。これは気持ちイイ。さらにスーパーマクロモードに切り替えると、レンズ前面から2センチまでの超至近距離撮影もできる。レンズがボディ内に引っ込んだままだから、ボディの影がすぐに写り込んでしまうのが難でありました。
AFの測距ポイントは5点のワイドエリア。スポットAFに切り替えも可能。しかしAFスピードはお世辞にもスピーディーとは言い難い (でもこれはベーター版機種でのハナシで、製品版になればもっとよくなる可能性もあるけれど)、が、ピントは確実に合います。…当たり前、か。
J1のウリはなんと言っても、なめらかな動画撮影であります。VGAサイズ、秒間30フレームで、メモリーカード容量いっぱいまで (ちょっといろいろ制限はありますけれど、512MBで5分ぐらい) 撮影ができる。同じVGAサイズで秒間15フレームだと12分近くも連続動画撮影ができます。30フレームの画像をTVで再生して見てみると、おおっ、というほどキレイ。
2003年2月21日(金) 高速レスポンスのデジタルカメラ
サンヨー・Xacti DSC-J1ボディは金属製だがマグネシュウム合金だから軽い。スタイリングに工夫がされているせいか、金属といったカタいイメージはない。さてボディ前面のレンズ周りのクロームメッキがちょいとハデできんきらきんの印象がありまして、さらにメインスイッチをON/OFFするたびにそこにあるLEDがぱんぱかぱーんと七色に光るおまけもあります。女性の声もするし (英語モードもあります) 、人を驚かせ (そして少し呆れさせ) ることが (も) できる楽しいカメラであります。
レンズがずるずると伸び出してくる沈胴式のズームレンズではないので起動時間がめちゃくちゃ速い。約1.2秒 ―― とはいっても、先日、発表になったフジのFinePix F700は沈胴式ズームだけど起動時間は約1.2秒ということで、速いなあと驚いていたコニカのKD-500Zの約1.4秒を凌ぐもので、F700の発表会場でまたまたびっくりさせられました。でも、この「起動時間」については各メーカーそれぞれ計測方法がマチマチで、いったいどんな計り方をしているのか見極める必要があるんですけ。
で、話をJ1に戻しますが、「静止画モードです」と女性ボイスが言い終わらないうちに、もう撮影スタンバイしておるんですよ。そして、撮影間隔は約1.6秒、撮影画像の再生表示間隔は約0.6秒 (サンヨー発表) ということで、まこと使っていて気持ちいい。
2003年2月22日(土) 第四世代スーパーCCDハニカム使用のデジタルカメラ
フジ・FinePix F410CCDとメディアを除く基本コンポーネンツはF401とまったく同じ (と思う)。カメラ名の数字の「1」が左側にひとつズレただけにすぎないことを見ればわかるように、いっけんするとほとんど変わったようには思えない (が、実は“ひと桁”も違う、このへんの微妙な変化があれこれ憶測をよびます) 。CCDは新しいスーパーCCDハニカムの第四世代を使っていて、記録メディアがF401がスマートメディアだったのがF410ではxD-ピクチャーカードになったし、そして重要な撮影機能などを呼び出す専用ボタン(フォトモードボタン) を新設したことなどが変更点であります。
第四世代のスーパーCCDハニカムは二種類発表されて、ひとつがダイナミックレンジの広い画像を得るための大小二組のCCDセンサーを組み合わせた「SR」と、もうひとつが解像度をアップするためにCCDセンサーをより微細化した「HR」だ。「SR」を使ったカメラがFinePix F700で、いま使わせてもらっているこのF410が「HR」のCCDセンサーを使った新型デジタルカメラというわけであります。旧F401が有効画素数210万画素だったのだが、新F410では同じ1/2.7インチ型ながら有効画素数310万画素と高画素になりました。CCDが微細化されるとこれを嫌う人がまたやみくもに非難するんだろうなあ (その気持ちはわからないでもないのですが) 。
2003年2月23日(日) 人形町・芳味亭・定食・旨い
フジ・FinePix F410ふたつの第四世代・スーパーCCDハニカムのうち、“本命”は大小二組のCCDセンサーを組み合わせた「SR」のほうだと思います。こちらは大いに期待ができます。でも、このF410の、CCDセンサーをより微細化させた「HR」は、世の中の高画素化に向けてとりあえず挑戦してみました、という感じで、その仕上がりはイマイチ感心しませんでした (ベーター版のF410を少し使ってみたその印象です、まだチューニングをやっている最中でしょうから製品化されるまでは断定的な言い方は避けねばなりません)。とにかくシャドー部に見られるノイズの多さだけが気になりました。
旧F401は1/2.7インチ型で有効画素数210万、新F410はサイズが同じで310万画素。だから、ひとつづつのCCDセンサー (ピクセルサイズ) はかなり微細化している。センサーが小さくなるほど感度が低下するノイズの発生も多くなるというのが一般常識であります。にもかかわらず新F410は基本感度が旧F401と同じISO200なんです。このへんにちょっとばかり無理があるように思えてなりません。たとえばですが ―― シロート意見ですからマトはずれかも知れませんが ―― 基本感度をISO100かISO50ぐらいからにして画像のチューニングをやればもっとノイズを防げたのではないだろうかと考えるわけです。でもスーパーCCDハニカムすなわち高感度タイプなんだぞ、というフジのプライドが許さなかったのかなあ。
ともかく試作機のF410を使った限りでは、スーパーCCDハニカム「HR」はいささか未完成の感じを強く受けました。フジにはもう少しがんばってもらわねば、と。
2003年2月24日(月)
2003年2月25日(火)
2003年2月26日(水) ノイズがあるからといってなんのその
フジ・FinePix F410第四世代のスーパーCCDハニカム「HR」のHRとは「ハイレゾリューション」からとったもので、ちなみにもうひとつの「SR」は「スーパーダイナミックレンジ」であります。ところでこのF410の背面操作部には新しく「Fボタン」が設けられた。このボタンを押すと、記録画像サイズ、ISO感度、そして色調のみっつのモードが素早く選べるというもの。メニュー画面内で、どこだどこだっ、と探し回らなくてもよいようにしたというわけ。なおFボタンのFは「FinePix フォトモード」。
確かにF410では、撮影条件や被写体条件によってはノイズが目立つこともありますが、しかしそれも“眼を皿のようにして”見てのハナシで、ノイズがあるからF410の画像はダメなんだとか、F410そのものがダメなカメラなんてことはぜーんぜんありません。ややもすると、低価格の (比較的) コンパクトデジタルカメラの撮影画像のちょっとした悪い画質描写だけを取り上げてあしざまに「こんなカメラ、けっ」と非難する人がいるようですが、それはちょっと違うと思います。そりゃあ画質も大事でしょうけれど、しかしカメラは機能やら操作性やら価格やらをもっと総合的に見て判断しなきゃあイカンのではないかと。そういう意味ではこのカメラは十分に評価に値するカメラですし、いま大評判のオリンパス・μ−10 DIGITALなんぞはアノ価格で素晴らしい仕上がりですし、買って決してソンのないデジタルカメラでしょうね。
2003年2月27日(木) デジカメ、動画デジカメ
サンヨー・Xacti DSC-J1このJ1は、というよりもサンヨーのデジタルカメラは ―― ところで多くの人はデジタルカメラのことを縮めて「デジカメ」と言っておりますがじつは「デジカメ」はサンヨーが商標登録しているコトバなんです、ま、こんなことデジタルカメラにディープな人には常識でしょうけれど ―― で、エーとサンヨーのデジタルカメラはむかしから動画撮影機能がウリでした。このJ1は、VGA (640×480ピクセル) サイズで、30フレーム/秒で、使用するメモリーカードいっぱいまで撮影ができるという“他を圧倒する”機能を持っております。
ぼくは撮像素子を利用した動画撮影の記録メカニズムなどについては詳しくわかりませんが、VGAサイズの画像を15フレーム/秒ではなく30フレーム/秒でどんどん撮影して記録していくのには“大変な”技術力とノウハウが必要なんだそうです (受け売り) 。ですからサンヨーは威張って「動画デジカメ ―― これも商標登録済み」とか「ムービーデジカメ」「ナチュラルムービー」と言っておるわけです。
ただし、こんどのJ1のウリの、VGAサイズ+30フレームでメモリーカードいっぱいまで撮影可能、とはいっても、どうも256MB以上の高速処理タイプのSDカードでないとだめのようです。64MB程度のSDカードなら書き込み速度がまにあわず途中でスHOMEしてしまいます (実験済み) 。そして、必ずJ1でまず最初にSDカードをフォーマット (初期化) しておく必要があります (確認済み) 。
2003年2月28日(金) ソニーの新製品らしからぬ新製品
ソニー・Cyber-Shot DSC-P8有効画素数320万画素のP8はDSC-P7 (同じく320万画素) の後継機種、なんだそうだ。CCDがP7では1/1.8インチ型だったのだが、P8では1/2.7インチ型になっている。レンズはDSC-P2のものを流用している (と思う) 。ボディサイズが横方向で少し小さくなったけれど、相変わらずの“Pスタイル”のままであります。だから新製品を持っていても、おおっ新しいデジタルカメラ、という気がしない。売れている機種は、フジのFinePix F410もそうだけど、モデルチェンジの時にそのスタイリングを大幅に変更しにくいのだろうなあ。
デジタルカメラの新製品ラッシュです。これは数日後にアメリカで始まるカメラショー・PMAなどに向けてのものです。なんだかんだといってもアメリカのマーケットは大きくて各社ともこれにはかなりチカラを入れております。もちろんソニーもアメリカ市場を重視しておりまして、先日もアメリカ向けには注目すべき新製品をどぉーんと発表しているんですが、国内はというと (いまのところは) この320万画素のP8と、その下のクラスになるDSC-P72 (3倍ズーム内蔵、320万画素) やP32 (単焦点、320万画素) が正式発表された程度です。