Photo of the Day
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2005年5月1日(日) リコーはなかなかヤルじゃないか
リコー・Caplio GX8 28〜85mm相当の広角ズームレンズを内蔵した500万画素の、ぼくの大好きな「GX」の、そのバージョンアップ機種であります。800万画素になりました。撮像素子はどうもシャープ製のようです。1/1.8型CCDですが、シャープ製のほかにソニー製もあるらしい。いずれはそのソニー製800万画素CCDを使ったカメラがあちこちのメーカーからも出てくるでしょう。一般論ですが、シャープ製とソニー製を比べると、やはり“一日の長”といいますかソニーのほうが良いようです。いや「良い」というと語弊があるかもしれません。画像処理をする技術者にとってはソニー製のほうが「扱いやすい」と言ったほうがイイでしょう。ある人はシャープ製のそれは「じゃじゃ馬のようだ」と言っていましたが、別の人は「確かにそうだけどウマく操ればおもしろいCCDだ」と評価してました。ぼくはソノへんのことは専門家じゃないからよくわかりませんが、使ってみたかぎりの印象では、うーむ言い得て妙である、と納得してます。
GXがGX8になってマイナーなバージョンアップはあれこれありました。それはそれとして基本コンポーネンツは同じですから ―― 内蔵ズームもまったく同じ、どこかに新開発レンズと書いてありましたがそれは間違い ―― 確かに新鮮味はありません。しかし、実際に使ってみて、GX8で写した画像を見れば「おやっGXとは違うぞ」ときっと感じるでありましょう。少なくともGXよりは(いろんな面で)格段に良くなっています。じゃじゃ馬シャープ製CCDをよくここまで手なずけましたね、とリコーの画像処理担当者に拍手を送りたいほどです。そして、GX8を使ってなによりも感心したのは測光でした。露出のバランスがすばらしかった。とくに、従来なら“どオーバー”になってしまうような撮影条件でも、へぇーっどーしたの、と感心するほどの安定性でした。ナニをドウしてるのかわかりませんが、露出補正をすることがめっきり少ないカメラに仕上がっておりました。
2005年5月2日(月)
2005年5月3日(火) GRデジタルはまだかいな…
リコー・Caplio GX8 クリップオンタイプの外部ストロボが取り付けられるホットシューがGXと同様にGX8にもあります。GXではそこにセットした外部ストロボだけを単独発光できず (内蔵ストロボも同時に発光してしまう) ナニかと不評をかこっておったのですが、GXではそれが改良されまして単独発光も同時発光もできます。だから内蔵ストロボをメインライトにしてクリップオンストロボをバウンズさせてサブライトに使うとか、延長シンクロコードを使って ―― あたりまえのことですが、シンクロターミナルがないのでホットシューアダプタ付きコードが必要ですよ ―― ちょいと凝ったライティングをしてみるなーんてこともできるようになりました。
なお、くどいようですが、測光もよくなりましたけど、画質もGXよりもぐんっと良くなった印象です。文句なしに「多画素=高画質」ですねえ。
リコーには高級フィルムコンパクトの「GRシリーズ」てのがありました。薄型ボディに高性能な広角レンズを内蔵させた魅力的なカメラで、多くの人たちが高い評価をしていました。そのGRシリーズを“ベースにして”デジタル版を開発中であると、昨年秋のドイツ・フォトキナでリコーが発表しました。今年の秋には発売する予定である、とのことですが、ぼくは大いに楽しみにしています。漏れ聞くナイショ情報によると、いっぷう変わった個性的なコンパクトデジタルカメラとして出現しそうで、アレは使っていないけれどアンなものが用意されていてソンなことまでできるのかソコまでやるか、というようなちょっとわくわくさせるような (少なくともぼくには、ね) カメラのようです。
2005年5月4日(水)
2005年5月5日(木)
2005年5月6日(金) “無謀”とも言えるISO1600ですが
リコー・Caplio GX8 GXもそうですが、このGX8もまたISO感度がISO1600もの超高感度までセットできます。こうしたコンパクトデジタルカメラでは他にはフジのF10ぐらしかありません。このクラスのCCDのフォトセンサーサイズのことを考えるといささか“無謀”とも思える高感度です。GXのISO1600を経験した人ならその画質がどれほどのものであるかはよく知っておりましょうが ―― びっくりして、あきれて、笑ってしまいますが、そのうちに、しょうがないなあ、とGXがいとおしくなります ―― そりゃあヒドいもんです。でも、ぼくも含めてですがGXユーザーの多くは「ノイジーになるのは覚悟のうえだ、撮れないより撮れた方がイイ」と考えています。いや、もちろん「ユルせんっ」と怒っている人がいることも承知していますが、でもエエじゃあないですか、たかが高感度のノイズじゃないですか死にはしません怪我もしません。世の中、怒るべきことはほかにたくさんあります。
でもそうは言ってもすごいノイズですよISO1600のそれは。ISO1600はまあ仕方ないとしてもISO800もそりゃあなかなかなもんです。さすがISO400になると (ISO1600を見た後に見ると) 少しほっとしますが、それでも、たとえばキヤノンのISO400などと比べるとうーむと腕組みをしてしまいます。でも、GX8の高ISO感度の画質の救いは、出てくるノイズに対して力まかせにあらがって押さえつけようとせずに、そこそこやりたい放題にさせているように感じます。ですから、確かにノイジーではあるのですが、切れ味やシャープ感は残っていてその画像からは決して悪い印象は受けません。
ところでGX8ですがオートホワイトバランスのアルゴリズムもGXから少し (いや大幅かな) 変わっているようです。GXでは力づくで補正しようとする傾向が見られたのですが、リコーも大人になったのでしょうか肩の力がうまく抜けたのか、アベイラブルな光を残すようなコントロールをしています。
2005年5月7日(土)
2005年5月8日(日) 世界最薄9.8mm
ソニー・Cyber-Shot T7 「世界最薄9.8mm」の、3倍ズーム内蔵510万画素コンパクトデジタルカメラであります。ただし「9.8mm」とはいってもカメラの“もっとも薄い部分”が ―― カメラ全体の何パーセントかを占めておれば、そう謳うことができることになってるそうです ―― 9.8mmということです。ただし、この超薄型カメラにしては大袈裟すぎるスライド式のレンズバリアがあるので、じっさい手にしてみるとそれほどの薄型であるとは感じられない。そのスライド式レンズバリアがどう考えても邪魔に思えるのです。もちろんバリア内は空っぽです。このバリアを下方向に“カツンッ”とズラすと、すぐさまメインスイッチがONになりますから、確かにスピーディーにカメラを起動することはできます。
「こんな、大きなカサブタのようなレンズバリアなんかないほうがずっとすっきりするじゃあないですか…」と、ぼく。さらに、「ごくふつーのボタン式のメインスイッチにして、T33のようなレンズ前面のちっちゃなレンズバリアなら、そのまま超薄型になっていたのに、ねえ」と、ソニーのマーケティング担当の人につっこんでみたら、間髪を入れず「いやいや、あーた、なにをおっしゃるか」と。
「このスライドバリアが人気があるのですよ、T3やT33でスライドバリアをなくしたら、元のT1のようなスタイルにして欲しい、との要望がガゼン多かったんですよ、だからこのT7はきっと売れます」と力強い反応でした (少し脚色) 。
2005年5月9日(月) 露出補正のダイレクト設定
ソニー・Cyber-Shot T7 かなりの努力をして、と同時に、とても無理をしてここまでの超薄型にしたものですから、あれこれと使い勝手のうえでしわ寄せも出てきています。たとえばボディ背面の操作ボタン類が左端に移動してしまったので必然的にその操作は左手でおこなうことになります。通常の多くのカメラが右手操作なのでそれに慣れきっているぼくなどは、当初かなり戸惑いました (いまでも、ですけど) 。
それにしても、いつになったらソニーは、露出補正ぐらいメニュー画面におりなくてもダイレクトに操作できるようにしてくれるのでありましょうか。メニューのOSDにしても、いま一度、初心に帰って (製品のラインナップもデジタルカメラに対する考え方もそうですが) 検討しなおしてみるべきではないでしょうか。
スライドバリアについて文句を言いましたが操作面ではイイところもなきにしもあらずです。大きなスライドバリアを指先でちょいっとズラすだけで「ぴよーんっ」と音がして、たちどころに撮影スタンバイになるのは (起動時間は約1.1秒とのこと) たしかに気持ちいいです。2.5インチ型の“クリアフォト液晶”はソニーが自慢するだけあって、明るい場所でもとてもよく見えます。イイです。その液晶モニターがカメラの右側によっているのでホールドするときに画面に少し指がかぶさってしまいますが、しかしそれほど気にならないし、カメラのホールド感も悪くない。…でもやっぱり、じっくりとT7の姿を眺めていると、コバンザメのようなレンズバリアが気になりますねえ…。
2005年5月10日(火)
2005年5月11日(水) 厚みはあるけど使い心地のよいカメラです
ソニー・Cyber-Shot W7 薄型Tシリーズに比べるとメチャ厚型カメラです。サイズそのものはまぁ小型なのですがそのぶん厚みを感じます。でも厚みのあるカメラなのですがけっして悪い印象はありません。とってもイイ感じでホールドできますし使っていて気分のよくなるスカッとさせてくれるカメラです。画質もいいし、露出、オートホワイトバランスも安定してますのでオートでそのまま気楽に撮れます。レンズは無理のないごく標準的な3倍ズームなので悪くはありませんが、ワイド側でのちょっと“クセのある歪み” ―― 画面周辺部だけで歪むのではなく画面中心部付近から徐々に歪んでいくタイプのタチの悪いディストーションです ―― が気になりました。
ところで、T7超薄型9.8mmカメラについでですが ―― ぼくがカンチガイしておったようで ―― 数日前にいささかワケのワカランことを書いておりました。9.8mmっちゅうのは「最薄部」なんですよね。ぼくはT7の、バリア部分を除いたボディのほとんどが9.8mmの超薄だと思っておったのですが、そうではなくて、T7のボディ厚みの中の“もっとも薄い部分”が9.8mmということだったようです ―― ノギスで実測したわけでないので…どの部分が9.8mmか不明ですが。
というのも、ソニーのT7のスペック表を見ると、「奥行き (つまり厚みですね) 」が「14.7mm」とあってそのあとに、遠慮がちに (最薄部9.8mm) と書き足してあるんです。と、まあ、どーでもイイようなツマラんはなしでした。
2005年5月12日(木) ダイナミックレンジの広いココロで
ソニー・Cyber-Shot W7 良いカメラです。1/1.8型CCDの720万画素です。2.5型の大型液晶モニター、単3型乾電池使用、内蔵ズームの焦点距離は38〜114mm相当で「カールツァイスのバリオテッサー」となっておりますが、ま、ブランド名だけの“借り物”であることは周知の事実です。パナソニックの「ライカレンズ」も同じです。いえ、だからといってワルイ (描写的にも道徳的にも) というわけではありません。「やっぱりカールツァイスはイイなあ」と思えばそれでいいじゃないですか、ブランド名ちゅうもんはそうゆーもんです。ぼくなんぞも、似たようなもんです五十歩百歩です。ライカの名前が付いてれば (わかってても) ナンとなく良さそうな気分になることもあります。いいじゃあないですか、それこそ個人のかってです。
どうも最近、デジタルカメラとなるとそのスペックに対してやたら立腹したりささいなことにいちゃもんを付けますが、しょせんカメラなんですからソンなにムキになることもないと思うんですけどねえ。そもそもカメラとか写真について道徳的な要求をすることがおかしい。カメラとはこうあるべきだ、とか、写真はかく写してこう表現すべきだ、とか。そうした人はなぜか、古くさいムカシからの写真的概念にとらわれてカメラや写真表現を判断しがちですが、いま、時代は大きくそして急激に変化しているんですから、カメラや写真表現が新しく変貌していってもなんの不思議もない。写した写真をどんなふうにして愉しもうが表現しようが構わないんです。カメラの液晶モニターだけで愉しもうがパソコンディスプレイに映し出して愉しもうがイイんですよナンでもナニしても。それを古くさい一面的な道徳的概念でもって、写真はプリントしてこそ作品だ、なんてアホなこといわんでください。もっともっとダイナミックレンジの広い見方や考え方をして欲しいなあ。
2005年5月13日(金) D50はサニー、カローラのクラスか?
ニコン・D70s + SIGMA 18〜200mmF3.5〜6.3 DC 液晶モニター画面が1.8インチ型でイイや、とかケーブルレリーズを使って撮影することなぞない、というならD70で充分でしょう。今月中旬に配布される予定のD70用の新ファームウエアでバージョンアップすれば、液晶モニターとかケーブルレリーズアダプターなどの表面的な“メカ部分以外”はそっくりD70sと同じになるわけですからね。D2HsはD2Hからメカ部分などはまったく変更せずに画質を少し修正してマイナーチェンジ、D70sはD70からメカ部分を少し変更して画質はまったく同じのマイナーチェンジ。いままでは一眼デジタルのバージョンアップ版といえばフルモデルチェンジだったんですが、なんだか一眼デジタルカメラもコンパクトデジタルカメラのバージョンアップのように“小手先の手直し”だけになってきましたね。
というわけでD70からわざわざD70sに買い換える必要はあまりないとぼくは思っておるんですが、かといって新規購入はどうかといえば、これまたややこしい。6月に発売予定のD50があって、このスペックがD70sに“酷似”していて ―― ケーブルレリーズは使用できませんけど ―― 価格が約1万円ほど安い。でもこのD50は、イジワルだなあと思うのだけど、レンズとのキットでないと買えない (とうぶんの間)。D50ボディだけ買ってレンズはタムロンやシグマの高倍率ズームと組み合わせて、なんてことができない。
タナカ「…D50はクルマで言うと大衆車のカローラだったりサニーちゅうことですよね」
ニコン「いえ、コロナくらいじゃないですか」
タナカ「えっ、まだその下があるってこと?」
ニコン「そんなこと言ってませんっ。でも、本当に欲しいのは6万、7万の機種でしょうね。そこへいつ持って行くか、です」
タナカ「じゃあ、カローラ、サニーのクラスがある、と」
ニコン「それはもう、何か出せばまたその下をいかなきゃいけない…」
(いつものように多少、脚色)
2005年5月14日(土)
2005年5月15日(日)
2005年5月16日(月)
2005年5月17日(火)
2005年5月18日(水) 明るい場所ではイクジのない液晶です
カシオ・EXILIM EX-Z57 2.7インチ型の“超”大型液晶モニター搭載なので構図を決めるにしても画面の隅々までよく見えるのでフレーミングも大変にやりやすいんですけれどしかし天気の良い日の明るい戸外ではとたんに見づらくなる、ということは、以前にも言いました。ソニーの、たとえばTシリーズの液晶モニターぐらいによく見えれば、このZ57は満足度いっぱいのカメラなんですけどねえ。と、ぶつぶつ文句を言いながらも曇り日やそれほど明るくない場所で撮影するときは、ついついこのカメラを手に出かけてしてしまいます。電池が長持ちするのも魅力のひとつです。
それにしてもキヤノンはコンパクト、一眼を問わず“感心するほど”大型液晶モニター採用に消極的ですねえ。
さて、お恥ずかしいハナシですが、このZ57ではシームレスマクロ撮影ができる、つまりマクロモードに切り替えることなく無限遠からそのまま至近撮影ができる、ということをつい最近“発見”したのです。それまでにマクロ撮影をするときは、せっせとマクロモードに切り替えておりましたが ―― マクロモードから“抜ける”ためには操作ボタンを何度も押さなくてはならずじつに厄介なんですが ―― そんなメンドウな必要はなかった、て、ことがわかって俄然、このカメラが使いやすくなりました。
そのシームレスマクロと ―― このことをカシオは「オートマクロ」とよんでいます ―― 通常の切り替えマクロモードとは、測距スピードの違いだけでピントが合わせられる距離はまったく同じ。オートマクロのときは、最悪のばあい無限遠から至近距離までを連続的に測距スキャンするのですが、マクロモードではマクロ撮影距離域だけしか測距スキャンしないので短時間でピント合わせができるというわけです。
2005年5月19日(木)
2005年5月20日(金) どうしてこんなに硬い画像に仕上げたんだろう
キヤノン・PowerShot S2 IS 昨年の春に発売された300万画素「S1 IS」のモデルチェンジ機種がこの「S2 IS」です。500万画素になって内蔵ズームも10倍から12倍になりました。CCDサイズが1/2.7型 (S1) から少し大きく1/2.5型 (S2) になったためもありましてレンズが“かなり”大きくなりました。レンズが大きくなったからでしょうかボディサイズもデカくなりました。デカくなったといえば液晶モニターも「1.5インチ型から1.8インチ型に大型化」となって (これでもまだまだ不満ですけれど) まぁナンとか液晶モニターらしくなりました (バリアングル式です) 。
ファーストインプレッションは、旧S1 ISとは“比べものにならぬほど”良くなっているとの印象でした。ただひとつ、気になったのは画質でして、ど、どーしたの? というほどのぱりぱりかりかりの硬い画像だったことです。ぼくはこんな調子の画像はキライです。
でも、おもしろかったのは動画撮影モードでした。同時録音もステレオです。当初は動画撮影ばかりやってで“遊んで”ました。動画撮影中に、というよりも動画モードでも静止画モードでも、シャッターボタンを押せば静止画撮影、動画ボタンを押せば動画撮影ができます。動画静止画撮影がクロスオーバーしていて、いつでも好きなときに好きな方をどうぞ、なんです。同じような機能はすでにサンヨーのXacti Cシリーズにも搭載されています。ただXacti (C5) とS2 ISが違うのは、たとえば動画撮影中に静止画を撮影するとC5では約2秒ほど画面が止まる (ストップモーション) だけなのですが、S2 ISでは、ごく短時間ですが画面がブラックアウト (真っ暗) になってしまいます。
このハナシをキヤノンのある人に言ったら「ここで静止画を撮影した、ってことがわかってエエじゃあないですか…」と反論されてしまいました。まあそりゃそうですが、でも、ぼくはナンだか気になりましたねえ。
2005年5月21日(土)
2005年5月22日(日) 手ブレ補正は初心者のため、ではありませんよ
キヤノン・PowerShot S2 IS 手ブレ補正がよく効いているため、いっそうかりっとシャープに写ることと、輪郭強調の強すぎる絵づくり (と、ぼくは思うのだけど) の、ふたつの相乗効果のために“ぱりぱりかりかり画像”との印象を受けるのかもしれません。あるいはズームレンズの描写そのものがちょっと硬調ぎみなのだろうか。
手ブレ補正 (IS) はON/OFFの切り替えができるほか ―― OFFにする必要などなく常時ONでイイ、と思うんだけれど ―― シャッターボタンを押しこんだ瞬間からISが作動するモード (スルー画を見ているときにゆらゆらしない) 、そして流し撮りモードが加わりました。
手ブレ補正の機能を「初心者のための機能である」なんてめちゃくちゃな誤解をしている人がいるそうで、そのハナシを聞いてびっくりしました。もうひとつ、手ブレ補正についての誤解があるようでして、「低速シャッタースピードのときに効果がある」と思い込んで高速シャッタースピードで撮影をするときにわざわざOFFにして撮影する人がいるそうです。手ブレ補正はすべてのシャッタースピードできちんと働きますからシャッタースピードによってON/OFFを切り替える必要などありません。三脚を使っての撮影でも (基本的には) OFFにする必要はない。
そもそも高速シャッタースピードなら「ブレない (ブラさない) 」と信じていることのほうがオカシイのです。1/1000秒でも“器用な人”はブラしてしまいます。とくに注意しなければいけないのは1/125秒から1/250秒あたりのシャッタースピードでして、ブレていないようでブレていることが多いのです。なんだかシャープじゃないぞ、と感じた画像を子細にチェックしてみると微妙にブレていることがあります。つまり手ブレ補正はそうしたわずかなブレにも対応して補正してくれるので、よりいっそうシャープな画像が得られるというわけなのです。
2005年5月23日(月)
2005年5月24日(火) キヤノンの勇気
キヤノン・PowerShot S2 IS 画質が“硬い”のナンのと文句を言いながらも愉しく使っています。いまのコンパクトデジタルカメラの多くが薄型小型化しているなかで、ちょっと大きく重く感じるS2 ISですが一眼デジタルと比べれば、ずっと気楽に持って歩いて撮影ができます。EVFファインダーがもう少し“大きく”見えてくれればいいのになあと思いましたがカメラを少しでも小型化するにはしょうがなかったのかもしれません。今後の課題でしょうね。小さな不満点もなくはないですが総合的に見れば良くできたカメラです。ほぼ同じスペックで同時期に発表されたソニーのCyber-Shot H1がどんなデキなのか興味があります。それを使ってみれば、S2 ISの評価も多少違ってくるかもしれませんけど、ね。
キヤノンの一人勝ちが許せない、だの、キヤノンは儲け主義でカメラを作っている、なんて非難する人がいるようですが、それはキヤノンに対して“筋違い”の誹謗ではないでしょうか。一人勝ちは結果的にそうなってしまったわけですし 、儲け主義はこれは企業なのですから一面、しょうがないことですね。ただ、だからといってキヤノンの現状 (カメラについてだけです) にすべて“これで良し”と思っているわけではなく、ぼくとしてはキヤノンにもう少ししゃれっ気のあるカメラやレンズを出して欲しいという要望もあります。しゃれっ気のある製品を出すには勇気がいりますが、このところのキヤノンを見ているとその勇気がだんだん薄くなり、現状維持に徹しているように感じられなくもないのが残念です。
カメラやレンズを開発しているキヤノンの人たちを見ていると、他のメーカの技術者にはない“マジメさ”もあります。ぼくの知っている限りですが、みなさんとても正直で一途で一生懸命です。そうした様子を見ているともっともっと楽しいカメラやレンズが出てきてもよかりそうに思うんですが、なにがそれにブレーキをかけているんでしょうかねえ。ぼくなんぞがエラそうなこと言えませんけど…。
2005年5月25日(水)
2005年5月26日(木)
2005年5月27日(金) D50はシルバーモデルがおすすめ
ニコン・D50 + AF-S DX 18〜55mmF3.5〜5.6G D70あたりからニコンの絵づくり (露出と色調) が少し変化してきたようで、D2Xで“大幅に”変わったように思います。D1やD100などの画像と比べるとずっと“軽ろやか”になった印象です。ぼくはこうしたニコンの、最近の絵づくりの傾向は大歓迎です。そして、D50ではその傾向がいっそう顕著になって ―― むろんユーザーターゲットを充分に考えた上での絵づくりにはなっていますがD2Xの絵づくりの流れを受けているようです ―― D50のディフォルト設定のまま撮影した画像は従来の重々しい雰囲気をもったニコン画像とは大違いの“あっけらかん”としてビビッドな印象です。D70/D70sのカラーモードの標準設定が「モードIa」なのに対してD50のそれは「モードIIIa」になっているため余計にそう感じるのかもしれませんが。
D70/D70sとD50との“差”がほとんどないのが悩ましいところです。ニコンは涙ぐましいほどの努力をして“差別化”をしておるんですが ―― たとえばシャッタースピードですがD70系は1/8000秒だけれどD50では“可能なのにわざと”1/4000秒に下げています ―― でも、ここあそこに逆転現象 (下克上、なんていわれてますが) が見られます。そのひとつは画質です。ぼくはD70/D70sよりもD50のほうが良いとの印象でした。とくにハイライト部の描写や測光性能は、D50のほうがいい。ただしカメラそのものの質感だとか操作感は (そりゃああたりまえだけど) D70/D70sのほうがいいです。でも画質はD50。ニコンとしては公式には「D70/D70sとD50は同等の画質」と言っていますがそれはD70sを売らんがための建前論だと思いますし、モデルチェンジしたばかりのD70sの立場もない。D70が出たときのD100に対するニコンの言い訳と同じですよね。
D70sとD50と同じ条件で撮り比べてみれば圧倒的な確率でD50のほうが勝ってましたから。でもまぁ、これはデジタルカメラではしょうがないことですね、新しいモノ勝ちの世界ですから。
2005年5月28日(土) シルバーモデルには専用のシルバーストラップが付属
ニコン・D50 + AF-S DX 18〜55mmF3.5〜5.6G Kiss Digital Nや*ist DSなどに比べるとかなり“大振り”な印象を受けるボディです。ホールディング性を重視するために「敢えて」この大きさにこだわったのだ、とニコンの開発担当者は言うのですが ―― ホントの理由はそうではありません、ぼくは知ってます、その応えはウソです ―― だから、持ちやすいか、といえばそうとは言い難い。Kiss Digital Nのグリップ感の悪さはおいておくとして*ist DSのほうが数倍持ちやすい。D50のグリップはボッテリ太すぎるため相当な握力を必要とします。同じことはD70/D70sにも言えます。長時間、持って歩いているとヘンに疲れるカメラです。くだんの開発担当者は「*ist DSのホールディング性は良くない、あんなもんでイイんですか」なんてぼくに言っておりましたが、じっさいD50を長期間イヤというほど使ってみたら「ナニを偉そうに言っておるんかい」と少し憤慨しました。
ホールディング性やボディの大きさのほかにも些細なことですがいくつか気になる点もありましたが、しかし総合的に見れば、いやあじつに良くデキたカメラです。よく写りますし (ほんと、掛け値なしによく写る) 、操作性も決して悪くない。機能的にも充分。で、このD50ボディ単体の価格が9万円を切るということらしいのですが ―― 一部の噂バナシでは8万円以下だとも聞きましたが、そりゃいくらナンでもねえ ―― えらい時代になったもんです。
D70sと一緒に使ってると、やはりD70sのほうが“高級さ”を感じますが、だからD50がチープかと言えば決してそんなことはない。機能的にはD70sとほとんど変わらず画質はD70sよりもイイ。でも、やっぱりD70sのほうがいいなあ、とぼくの知人は言ってましたので「なんでじゃ」と聞いてみると、コマンドダイヤルが二つある、CFカードが使える、その他いくつかあげてましたが、「絵はD50がイイんだよ」とぼくが合いの手を入れると、うーんっ、とナニも言わなくなりました、とさ。
2005年5月29日(日)
2005年5月30日(月) D50が優れている点
ニコン・D50 + AF-S DX 18〜55mmF3.5〜5.6G 背面LCDに表示した再生画像をスクロール (画像送り) するとき、D70/D70sもD50も十字キーで操作します。D70/D70sはいままでのニコンのやり方と同じく「上下」で画像送り「左右」で情報表示です。ところがD50ではその方式を変更し、「左右」で画像送り「上下」で情報表示となりました。さらにD50ではコマンドダイヤルでもスクロールできるようになり、そして画像を部分拡大したままその拡大率とポジションをホールドしたまま画像送りすることもできるようになりました (D2Xもそうです) 。同じ構図の写真をチェックするときとても便利です。サムネイル画像表示の時は、十字キーで上下左右の1コマ送り、コマンドダイヤルでページめくりもできます。このへんの操作性の良さはD70/D70sとは“段違い”です。このD50の操作性の良さだけでD50を選んでもイイでしょうね。
先週半ばには京都市内をほぼ三日間、雇われタクシー運転手なみに右に行ったり左に行ったり上がったり下がったりして走り回り、東京に戻ってきて今度は、40年ほど前の古いイギリス車に乗って軽井沢を往復をしてきました。東京から軽井沢なんてちょろいもんだと思われるでしょうけれど、クルマの運転がキライなうえに気を使う古いクルマでの遠出ですからぼくとしては“一大事”でした。
軽井沢行きのときは不思議なほど順調でして、のんびりゆっくりと走って ―― いつクルマの機嫌が悪くなるか心配だったですけど ―― それでも3時間半ほどで軽井沢プリンスホテルに到着しました。ところが、翌日の日曜日は、午後3時半頃に軽井沢を出たのですが関越も環八もずーっと渋滞またド渋滞で水温計を睨みながら恵比寿の自宅に戻ったときは午後9時を過ぎておりました。もうしばらくは、あの丸いハンドルを触りたくもないし見たくもない。
2005年5月31日(火)