Photo of the Day
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2004年6月1日(火) コシナ・ベッサとはぜーんぜん違うもんです
エプソン・R-D1+ミノルタ・Gロッコール28mmF3.5 R-D1を使いこなすにはJPEGで撮影するよりもRAWで撮影し専用RAW現像ソフトの「Photolier(フォトリエ)」を使って画像に仕上げるのが“ベスト”でしょう。「フォトリエ」ではプリンタドライバの画像処理技術(3Dルックアップテーブル)を応用したエプソン独自の色変換処理をしているということです。従来の二次元マトリックス演算処理による画像処理では、ある特定の色をイジると他の色まで引きずられてズレてしまうけれど、3D-LUTを利用するとそうした色ずれがなくなるということなんだだそうです ―― このへんのハナシは専門的すぎてよくわかりません。またレンズの周辺光量不足を補正する機能などもあって、これを使わないとどうにも困ってしまうレンズもありますので役立ちます。
というわけで「フォトリエ」をさんざん使ってみましたが、その備わっている高機能はともかくとして、ぼくには、まずそのGUIが馴染めず、もうちょっとあれこれガンバッテくれればなあ、と感じました。
R-D1で撮影をしていると、ときどき「おおっ、それは、例のエプソンの…」と声をかけられます。で、しみじみと眺めてから、「やっぱり、中身はベッサなんですか、ボディはベッサですか…」と独り言のように言う人が、意外や、結構おります。違います。カンチガイも甚だしいです。外観スタイルは、いっけん、そのベッサに似てはおりますが、とうぜんながらぜんぜんの別物です。一部の部品作りでコシナに協力はしてもらっているけれど、ベッサとの“共通点”はきわめて少ない。つまり“共通部品”はほとんどなくて、ぼくの聞いた範囲では、外観では巻き上げレバーとファインダーの外側のガラス、そしてレンズ脱着ボタン、ボディマウント金属ぐらいなもんらしいです。いうまでもなく、中身はデジタルですからダイキャストは新規開発ですしボディ外装も新規、シャッターも違う巻き上げ機構もファインダー光学系も違います。R-D1の組み立てもコシナではおそらくできるわけはなく、だからなんやかやを考えれば30万円の価格は決して高くはないとぼくは思うわけですよ。
良いデジタルカメラです。また同じことを言いますが、R-D1で撮影していると、写真を撮るといういうことについてあれこれ考えさせられ、それがまた愉しい。
2004年6月2日(水)
2004年6月3日(木)
2004年6月4日(金) どうしたわけか、いま香港です
リコー・Caplio GX + ×0.8専用ワイドコンバージョンレズ 小さなワイコンを取り付けると22mm相当までをカバーする超広角ワイドズームとなります。22mm、って数字がちょっと中途半端な気がしないでもありません。気分としてなのですが、24mmの次は21mm、というのがごく自然です。なじみもあります。で、「22mmより21mmのほうがイイじゃないですか、気分としても。なぜ"21mm"になるようなワイコンを作らなかったのですか?」とリコーの企画担当のかたに尋ねたましたら、「22よりも"21"がイイのはじゅうじゅうわかっています。じつは性能をとるか"21"をとるかでさんざん悩んで結局"22"になったというワケなんです、描写性能重視です」と。広角側の、それも超広角になるほど、たった「1mm」の壁を越えるだけで想像以上のタイヘンさがあるというのはわかっているけど、でもしかし、「ワイコンつけると21mmになるぜ」と聞くだけで、ぼくなんか単純ですからそれだけで「うっ」と喜んでしまいます。残念だったなあ。
なお、描写性能をとっただけあって、その写りはダントツによい。いま、つけっぱなしでばんばん撮っています。
というわけで、ナンだか自分でもよくわからないのですが、いま香港にいます。久しぶりの香港です。楽しいです。あちこち歩き回ってスナップしたりお店を覗いたり屋台のおっちゃんをからかったりおいしい中華料理を食べたりビールを飲んで愉しい人たちと話し込んだりして ―― 何しに来てるんだかねえ ―― あっという間に一日が終わってしまいました。ここに来る前に数日、半徹夜状態で大急ぎで仕事をかたづけて、そのカイがありました。
さて、これからはクルマで国境を越えて中国に行きます。生まれて初めての中国です。中国にいちど行ってみたいなあと思い続けて20年以上たちますから、いやあウレシイです。たった数日の中国旅行ですが、ぼくはいままでになかったほど心うきうきしております。
2004年6月5日(土) 広東省東莞市長安鎮
リコー・Caplio GX + ×0.8専用ワイドコンバージョンレズ ワイコン(ワイドコンバージョンレンズ)、つまりマスターレンズの前面に取り付けてマスターレンズの焦点距離はそのままにして画角を広くするレンズアダプタ。同じような働きをするものとしてテレコンバージョンレンズ(テレコン)やクローズアップレンズなどがあります。こうしたアダプタレンズを取り付けるとマスターレンズの持っている描写性能よりも良くなることはあり得ず悪くなるというのが"常識"だった ―― 少なくともぼくにとっては ―― のですが、ところがどっこい、コンバージョンレンズを使ってもマスターレンズの性能が落ちるどころか、反対に、描写性能をアップすることも不可能ではない、なんて話を、メルセデスSクラスに乗って香港から中国国境に向かうときに聞いて、「うっそぉー」と女子高校生のような反応をしてしまいました。
GXと専用のワイコンを使って、その写りをみるにつけ、そんなこともあり得るのかもなあ・・・・、と呆れたり驚いたりしております。
念願だった中国に、その端っこですが、いまおります。広東省東莞市長安鎮・長安酒店、てところに泊まっています。じつに立派なホテルでして、室内はといえば「ここはすわニューヨークの高級ホテルか」と思わせるほどです。しかし一歩外に出ればその周囲は、阿鼻叫喚、騒音絶大、塵埃乱舞です。その落差こそが今の中国を象徴しているようにも思えます。
その混沌とした街角を半日、あちらこちら歩き回っておりましたが、なにせ暑い、うるさい、のにすっかり疲れてしまいました。でもなぜ、あんなにクルマやバイクのクラクションを鳴らすのか。クラクションの音がとりわけキライなぼくはほとほと疲れてしまいました。とにかくちょっとご挨拶、とでも思っているのだろうか、めったやたらビービーとけたたましい音があちこちで鳴り響いています。見ていると運転は、とにかく我が儘。いっぽう歩いている人はといえば、唯我独尊を率先遂行しているかのように、信号が赤であろうがクルマが近づいてこようがクラクションをビービーさせられようが無視して歩いています。そうした景色を見るにつけぼくは、人生こうでなくっちゃなあ、と反省もさせられました。
2004年6月6日(日)
2004年6月7日(月) 上海のマッサージは痛かった
エプソン・R-D1 + リコー・GR21mmF3.5 R-D1に21mmレンズをセットするとその画角は32mm相当になります。28mmレンズなら42mm相当です。こうした焦点距離画角の違いはR-D1の"裏ブタ"に換算表が貼り付けてありますから、すぐにわかります(すぐにわかったところで、どーってことはないのですが)。ファインダーのブライトフレームは、50mm、28mm、35mmレンズをセットしたときにボディ上部のフレーム切り替えレバーを手動で切り替えます ―― 自動切り替えでないのがかえすがえす残念です。
21mmレンズをセットしたときにいつも困るのですが、32mm相当の外付けファインダーなんてありませんから、ぼくは仕方なく35mmか28mmの外付けファインダーを使ってヤマカンでフレーミングしています。
28mmレンズのとき、フレームはファインダー視野の端っこ、ぎりぎりになってしまいます。アイポイントがとても短いので眼鏡をかけているぼくには、そのフレームはほとんど見えない。R-D1は「世界初の等倍ファインダー倍率」とイバっておりますが、ぼくは等倍よりもアイポイントのほうを大事にしたい。ファインダー倍率をもう少し下げて(そうすればアイポイントは長くできる)ファインダー視野がもっと広くラクチンに見えるようにして欲しかったなあ。とにかくフレーミングがとても難しいカメラですから、ナメて安易にフレーミングすると、とたんに、間の抜けた構図の写真になってしまいます。
中国南方航空に乗って上海に。大都会でクルマも多い(VWのSANTANAばかりですけど)。東莞の交通マナーもひどかったですけど、ここ上海はそれ以上です。東莞の街中ぐらいなら、まあなんとか気をつければクルマの運転はできなくもなさそうに思いましたが、ここ上海では運転したいとはゼッタイに思いません。いやあ、それにしてもヒドい運転マナーです。タクシーの横に乗って何度も「ぎゃーっ」と叫びました。歩いている人も"マナー"なんて言葉をハナから無視しているんじゃないかと思うほど我が儘。高速道路の、それも追い越し車線の脇!をふらふらと荷物を担いで人が歩いていてその側をぶんぶんと120キロ以上のスピードでクルマが通り抜けていく。
とはいえ、でも中国はおもしろい、興味が尽きません。
2004年6月8日(火)
2004年6月9日(水) 詳しい話はできないけれど「中国珍道中」です
リコー・Caplio GX + 0.8×専用ワイドコンバージョンレンズ GXにワイコンを付けっぱなし、撮影モードはプログラムAE (ときどきマニュアル露出モードに切り替え) 、ISOはオート (ときどきISO400にセット) 、WBもオート (ときどきデーライトに切り替え) 、露出補正ほとんどせず (ときどきマイナス2/3EVにセット) 、内蔵ストロボまったく使用せず、てのが今回の中国“珍道中”でのGX撮影パラメータの設定です。いやあ、よく活躍してくれました。使っていて不満らしい不満はこれといってなし。
ところで、たとえばですが21〜50mmズーム内蔵の「GX-W」と、もう一機種、35〜135mmぐらいの「GX-T」なんかがあると、こりゃあ便利便利だろうなあと思いました。
上海はクルマも多いけれど、人も多い、自転車も多い、バイクも多い。なにせ広いんだけど、その広さを感じさせないほどクルマ、人、自転車、バイクが溢れている。でも愉しい。どこに行っても、見ても愉しいので、よく歩きました。そう重くないけれど、一眼レフ2台、レンジファインダーカメラ1台を含めてカメラ4台や交換レンズなどをバッグに入れて3時間ちかくも休みなしに歩くのは、相当疲れますねえ、ぼくもそう若くはないですから。なので、ひと休みして、ぐいっ、と飲む青島ビールの味は格別でした。
ちょいと頼まれた仕事もあったからですが、欲張りすぎてレンズの互換性もないカメラを4台も持って出かけたぼくがばかでして、このシチュエーションはこのカメラで押さえておかなきゃあ、おおっここはそのカメラで写しておかなきゃあと、そのたびにカメラバッグから取り出してアタマも切り替えて撮影をしていました (使用目的が違いますから表現スタイルも変えなくちゃいけません) 。ああ、一台 (あるいは一種類) のカメラだけを持って思う存分に写していたいなあ、と何度も悔しい思いをしました ―― 自業自得。
2004年6月10日(木)
2004年6月11日(金)
2004年6月12日(土)
2004年6月13日(日) ル・マン24時間耐久レース
キヤノン・PowerShot S60 28〜100mm相当の広角ズームを内蔵させたS60は、スライドバリア式のボッテリしたスタイリング、1/1.8型の500万画素CCDはS50と同じだが、S45やS50で不評だった操作部の一部を少し変更しています。いわゆるレンズ固定内蔵の一眼デジタルカメラ以外のコンパクトデジタルカメラの中では28mmからの広角ズームレンズ内蔵カメラは最近では珍しい。開発能力が充分にあるキャノンがなぜこうした広角ズームを搭載したデジタルコンパクトをもっと作らなかったのか不思議、と思われる人も多いのではないでしょうか。でもしかし、フィルムコンパクトでもそうだったのですが広角ズーム内蔵カメラは「売れない」のです。キャノンの使命は大量に売ることですから、作っても少ししか売れない機種の開発にはそうチカラを入れなかったのでしょう。そのキャノンがタブーとも言える広角ズーム内蔵コンパクトデジタルカメラを作って発売したのですから、そのことにぼくは興味があります。
※28mmからの広角ズーム内蔵コンパクトデジタルカメラはS60がキヤノンでは初と思っておりましたが、ぼくの知識不足でA50やA5ズームなど数機種がすでにあったんですねえ。数人の方からご指摘をいただきました、ありがとうございました。
ハナシはぜんぜん違いますが、フランスのサルテサーキットでル・マン24時間レースがおこなわれていますね。現地時間で12日午後4時にスタートですからいま走っている最中です。数年前まではTVでも中継などをやっていてそれなりに盛り上がっていたのですが、最近はさっぱりで、いささか淋しいものがあります。何度か取材に行ったことのあるぼくは6月の梅雨晴れのいい天気を見ると、ついル・マンのレースを思い出してしまいます。
言うまでもありませんがル・マン24時間レースはまる一日走りっぱなしの耐久レースです。80年近い歴史があります。古くはブガッティやベントレーから、フェラーリ、マセラティ、アルファ、ジャガー、フォード、ベンツ、ポルシェなどなどが競って走っていました。ぼくが取材に行った頃のピット裏の通路はスティーブ・マックイーンが歩いていた映画のシーンそのままの姿が残っていましたし、ティルトルルージュからミュルサンヌコーナーに向かうユーノディエールの直線コースには、いまのようなスピードダウンさせるためのシケインなどなかったですから、見ていてもそりゃあスリリングでした。時速400キロを超えるクルマもあったりして、そんなクルマの走るのを芝生に横になりながら眺めているのはこれまた格別でした。なお、このル・マンのコース近くにあった競馬場で、あのライト兄弟が公開飛行をしたのです。
長ばなしをしました。
2004年6月14日(月) テレコンはあるけれどワイコンはありません
キヤノン・PowerShot S60 がんばってもっと軽く小さくできなかったんだろうかなあ、とS60を使ってみて感じました。でも、それでもS50よりも小さく軽くなっているんですが、しかしそもそもこうしたスライドバリア式カメラ ―― バリアのぶんだけ重くなり嵩張る ―― の存在そのものにぼくはいま疑問に思いはじめています。バリアなしでレンズ部を守れる方法がなにかあるんではないでしょうか。
バリアを開けるときの操作感はS50のほうが格段に良かった (S60になって脱線はしなくなりましたが) 。S60ではバリアに指の引っかかりがなくなって (ナゼなんだろう) 真っ平ら。急いで開けようとすると指先がつるんっと滑ってしまいます。また、液晶モニターはS50と同じ1.8インチ型なんですが、不思議とS60ではなんだかヤケに小さく見えてしまいます。
レンズには新開発のUAレンズ (超高屈折率のガラスモールド非球面レンズ) を初採用して高性能、小型に仕上げているとのことです。その描写は、これでもかっ、と言わんばかりのかりかりシャープです (このシャープさはレンズ本来のものなのかDIGICによる画像処理のせいなのか、ぼくには不明ですが) 。ただし重箱のスミをつつくように見れば ―― キヤノンだからついそうしたくなりますが ―― 28mm広角側の画面四隅のぎりぎり端っこで、ぽこんっ、と画像がボケることがあります。ナンなのでしょうねこのボケは。
S60にはワイコンはありませんが別売でテレコンバージョンレンズが用意されています。大袈裟なアダプターを使って大きなテレコンを取り付けますが、この使い勝手がさっぱり感心しません (あれこれ問題点が多い) 。そのテレコンについてはさておき、いつものようにキヤノンのS60を開発した人たちに向かって尋ねました「さて、なぜにワイコンを用意されなかったのでありましょうや?」と。担当者は「うーむっ…それはですねえ… (数秒、沈黙) …あまり言いたくはないのですが…」。
2004年6月15日(火)
2004年6月16日(水) S60のワイコンのナゾ
キヤノン・PowerShot S60 S60のレンズ描写は、中心部から周辺部まで充分すぎるほどの高画質です。広角ズームレンズにありがちな、とくに広角側での周辺部での“画像の流れ”はほとんどありません。いいやっ、ソンなことはない、周辺部で画像がだらしなくなる、と感じられた方はきっと (失礼を顧みず申し上げますが) 画面中心部があまりにもシャープすぎるため“相対的に”周辺部の画質が落ちるように見えてしまうからではないでしょうか。
ただ、数日前に言いましたが画面の四隅のほんのわずかな部分でカクンッとボケることがあるぐらいで (原因不明、目立つときとまったく目立たないときがある) 、そのことを除けばとても優秀なレンズだと言って良いでしょう。
それにしてもS60にテレコンがあってワイコンがないというのはナンだかへんです。多少使い勝手が悪くても28mm+ワイコンだと魅力倍増だったでしょう。ワイコンを用意しなった理由は言いたくない…、と答えを拒んでいた担当者ですが、彼がしぶしぶ語ったところによると ―― 以下、ぼくに答えてくれた理由がホントかどうかわかりませんけど ―― 、満足できる性能のワイコンに仕上げようとすると“トンでもなく”大きくなってしまった。それじゃあ“あまりにもみっともない”ので製品化することを諦めた、ということでした。
ホントだろうか、とぼくはいまでもその答えを100%信じられません。というのも、リコーが、同じ28mmからの広角ズーム対応のあんなに小さくて性能のよいワイコンを作っているのに、なぜキヤノンにできないのだろうか、と思うわけです。なにかに臆病になっているようにも感じます。同じようなことはキヤノンの「ISO400の壁」にも感じることです。キヤノンはいったいナニを怖がってISO400以上の感度設定を避けているのでありましょうか。
2004年6月17日(木)
2004年6月18日(金)
2004年6月19日(土) フジ新型カメラのナゾ、三つ
富士フイルム・FinePix F450 フジの、ひさびさの“力作”です。フジのあの販売力を持ってすれば、かなり売れる (売る) に違いありません。ボディサイズや内蔵レンズは同じにして、F450は500万画素、F440は400万画素として2機種を発表しました。とても小さいボディで高品質に仕上げています。小さく薄いカメラですが操作性もホールディング感も大変に良い。液晶モニターは2.0インチ型で、なおかつ約15万画素の高精細画質を自慢しています。ただ、明るい場所ではちょっと見にくくなるのと、暗い場所では画面も同じように暗いままで、これまた見にくいのが少し気になりました。
F440、F450の発表会で話を聞いていて「おやっ?」と不思議に思ったことと驚いたこと三つがありました。以下、簡単に。ひとつは、内蔵ズームレンズです。どうも、ペンタックスのスライディングレンズシステムと同じ“二階建て”レンズ構成のズームレンズらしいのですが、それについての説明も解説もありません。カタログにもプレスレリーズにもそれについては“まったく”触れられておりません。ふたつめは、自社開発の“こだわりの”スーパーCCDハニカムではなく他社 (おそらく松下製) のごくフツーの1/2.5型CCDを使用していることです。なぜ、スーパーCCDハニカムにこだわらなかったのか、というわけです。
みっつめは、フジのデジタルカメラでは初めてのPRINT Image Matching 2 (PIM2) 対応機種です。PIM2はエプソンが提唱して各メーカーに長い間、賛同を求めていたのですが、キヤノンとフジだけが「アンチPIM2連合」を組んでいたのですが、その一角が崩れたわけです。フジにいったいナニが起こったのか…。このPIM2についてハナシをすると長くなってしまうので、以下、省略。
2004年6月20日(日) 謎の3.4倍内蔵ズームレンズ
富士フイルム・FinePix F450 ボディサイズを小さくするために、大変な努力がされています。電池をさらに小型化しているのもそのひとつ。そのため電池容量が少なくなっています。カタログスペックでは「CIPA基準で約150枚」ということですが、でも、ほぼ一日中、電源のON/OFFを繰り返しつつ、ストロボ発光こそしなかったもののズーミングしたり何度も液晶モニターで画像確認したりしてスナップ撮影をしましたが (撮影カットは160枚以上でしょうか) 、電池残量警告マークはまったく出てきませんでした。実感としてもっともっと写せそうです。
ただしこれは、撮影しないときは必ずメインスイッチをOFFするぼくの撮影スタイルでの話です。写すときにスイッチをON写し終えればOFFにする、というのがぼくの撮影のやり方です。コンパクトデジタルカメラではこの方法がもっとも省電力です。なお、こうした撮影スタイルはコンパクトデジタルカメラの場合のみでして、一眼デジタルではONにしっぱなしでスリープモードもOFFにして撮影を続けます。
謎の内蔵の3.4倍ズームレンズは、ペンタックスのスライディングレンズシステム・ズームレンズと同じ"よう"なのですが、じつは、ペンタックスのOEMとも特許バーターともまったく関係なさそうです。つまり、フジが独自で開発、独自で製作のズームレンズみたいです (ならば、自信を持ってもっとアピールすればいいのに…) 。非公式ですけれど、フジの人、数人、ペンタックスの人、数人から、そんなような話を聞きました。それはともかく、フジからこのズームレンズについての (オフィシャルな) 詳しい話や資料がまったくないものですから、どんなメカニズムになっていて、ペンタックスのそれとどんなふうに違うのか、どのへんがフジ独自なのかなどがさっぱりわかりません。
ところで、ツマらんことですが、Optio 4SiとF440/F450とを並べて、ヨイショっ、でスイッチONしてみました。レンズの飛び出しも引っ込みもF440/F450のほうが速かったです。でも、まあ、そりゃあそうでしょう。1年以上の後発ですから、良くなってあたりまえです。それにしても外観がいかにもソックリでなんともまあ疑わしくも思わせるズームレンズですが、良いレンズですし良いカメラです。
2004年6月21日(月)
2004年6月22日(火) F440のワインレッドカラーがおすすめ、かも
富士フイルム・FinePix F440 F450が500万画素で約5万円、F440は400万画素で約4万円ということになっております。F450とF440とを (少しの間ですけれど) 使ってみた印象ではF440のほうが“お買い得”のような気もしました。一万円でプラス100万画素を買う、必要もないように思えます。いや、これはぼくの単純な印象でありまして、画質の良し悪しがとか、画素数の多寡がとかなんとかかんとかの屁理屈はありません。
F450のほうはステンレス金属の質感を生かしたボディスタイルの一機種のみですが、F440はボディカラーが3種類用意されていて、シルバー (ややありふれたカラーです) 、ホワイト (上品で良い色なんですがキヤノンIXY DIGITALのホワイトと比べるとちょっとパンチがないかな) 、そしてワインレッド (渋い色合いでぼくはこのカラーリングがおすすめ) と選択肢も増えて楽しい。
フジのコンパクトデジタルカメラを使っていて不満だったことがいくつかありました。そのひとつに、マクロモードに切り替えるとズーム内蔵機種だと広角側に固定されてしまうことでした。理由は定かでないのですがフジはずーっと長い間、がんこにそのスタイルを守り続けてきました。でも、このF440/F450から心機一転 (かどうか) マクロ撮影モードを選んでもズーミングができるようになりました。広角側では最短が9センチで望遠側になると約39センチになってしまいますが、でもしかしズーム全域でマクロ撮影ができるようになって使い勝手は格段に向上しました。
ただ、マクロモードで測距範囲外になったときに、測距不能の警告がとてもわかりづらいのが困りました。理想をいえば、測距不能時にはシャッターロックされると安心なんですけれど (このクラスのカメラでは) 。
2004年6月23日(水)
2004年6月24日(木)
2004年6月25日(金) ぼくの常備カメラです
ペンタックス・Optio S4i このS4iが、フジのF440/F450と同じスライディングレンズシステム ―― くどいようだけれどフジがそう名付けているわけではない ―― を採用しているから、その比較のために使っておるんだろうなあ、と思われては困るので言い訳をしますけれど、いや、このS4iはやはり小さくて軽くてよく写るので、つねづねカメラバックのサイドポケットにいつも入れておりまして、だからよく使うんですよ。いまのぼくの常備カメラです。
いったん、バックのサイドポケットからS4iを取り出して、数カットをスナップしてしまうと、またバックのポケットにしまい込むことはあまりせずに、なぜなんでしょうかねえ、そのS4iをシャツのポケットに入れたりズボンの尻ポケットに入れてしまいます。もう一台メインのカメラがあっても、その後は、なにかにつけてそのS4iでぱしゃぱしゃと写してしまいます。ですから、これまた、なぜか知らぬけれどS4iで写したスナップ写真が、最近はめったやたらと多いのです。
メモ替わりにも頻繁に使いますし、もちろん、マジメなスナップ写真も ―― て、ナンだかヘンな言い方ですけど ―― 写します。ときどき、記者発表会などで使うことがあるのですが、ぼくはこのS4iの起動音を「みゃーんっ」という猫の鳴き声に設定しているものだから、しーんとした会場で、突然、みゃーんっ、と音がしたりすると、そうりゃあ周囲からかなり怪しまれます。なかには、猫が紛れ込んでいるんじゃあないかと椅子の下を覗き込む人もいて、そんな様子を見て楽しんでもおりますが、しかしいい年をしたオッサンのやることじゃあないですよねこんなこと。
2004年6月26日(土)
2004年6月27日(日)
2004年6月28日(月) FinePix F440とF450に、ひとことふたこと
富士フイルム・FinePix F440 液晶モニターは2.0インチ型と小さなボディには充分すぎるほどの大きさがあってとても見やすい、のですが、明るい場所 (晴れた日の戸外など) でとたんに見づらくなること、暗い場所では暗いまんまで (シャッターボタンを半押ししてもゲインアップされず) 見づらいことが、ひじょうに残念なことでした。さらにこの液晶モニターは15万画素の高精細でそれはそれでイイことではありますけれど、しかしぼくとしては多少、液晶モニターの表示画素数が低くても (つまり画像が粗く表示されても) 暗い場所でくっきり明るく見えたり、明るい場所でも手で画面を覆わなくても気持ちよく見える液晶モニターのほうがいいよなあ、と思います。
フジの新型カメラでおおいに期待していたことのひとつとして、ダイレクトプリント (ピクトブリッジ) のときの使い勝手の改善がありました。が、見事、期待を裏切られまして、いささかがっかりしました。カメラとプリンターを接続して機種を選ばずに気楽にプリントしてもらえるようにと (おもわくはいろいろあるようですけどそれはさておき) ピクトブリッジの規格が採用されました。このピクトブリッジ・ダイレクトプリント・システム導入の“積極推進派”のひとつのメーカーが富士フイルムだったのです。
ところが、そのかんじんのフジのデジタルカメラはといえば、なぜか、カメラに備わっているダイレクトプリント機能がじつに貧弱なのです。プリントのペーパーサイズは選べない、プリントレイアウトは選べない、プリント品質は選べない、ただひとつ、撮影日時を印字するかしないかが選べるだけで、あとはお仕着せのフチなしL判プリント、それしかできません。ちなみに、そのピクトブリッジ設立フォーラムから“蚊帳の外”だったリコーのデジタルカメラでさえ、プリントサイズだけでも、L判、2L判、はがきサイズ、A4判が選べて、さらにフチなしフチありプリントなども自在にカメラ側から設定できるんですよ。
2004年6月29日(火)
2004年6月30日(水)