Photo of the Day

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2003年10月1日(水) 最近のキャノンの、あっけらかーん、とした画質

キヤノン・PowerShot A80
 PowerShot のAシリーズは汎用の単3型乾電池が使用できること、撮影モードがフルスペックであること、機能のわりには比較的(キヤノンの他の機種に比べて)低価格であること、などが特徴ではないでしょうか。単3型乾電池が使えるということで、国内向けというよりもむしろ海外の市場を睨んだシリーズのように思えます。とくに、この A80 の場合は、レンズ鏡筒部を“銀ピカ”にしたりして、かなりアメリカ市場に軸足を置いているようです(アメリカではこうした光り物がウケるそうなんですよ)。
 さて A80 の画像は、IXY DIGITAL L もそうなんですが、どうも最近のキャノンの画像は色調もそうで、はてさて、なんといえばいいのか、のほほーんとしたといいますか、あっけらかーん、とした画質なんですよねえ、そんな傾向があります。




 ところで、昨日、シイベルヘグナー社(ライカの総代理店)からニュースレリーズが届きまして、それを読んで苦笑いしてしまいました。「ライカMP(0.72)エルメスエディション」を500台限定の特別バージョンとして発売する、というものなんです。通常、グッタペルカが貼ってある部分に、あのエルメス社 (ライカ社の大株主) が特注したバレニア(仔牛の革)を貼って、さらにストラップも同じ素材で仕上げているそうです。100%シルク生地で裏打ちした特製のケース入りですって。ズミクロン35mmF2レンズ付きで130万円。
 フェラーリとμ−20、FURLA と IXY DIGITAL L、そしてこちらはクルマですけどメルセデスSLKとジョルジュ・アルマーニ、とかなんとかかんとかありますけれど、それにしても、いまのライカってこんなことしかすることないのだろうなあ…。

2003年10月2日(木) 

2003年10月3日(金) 38万円のコンパクトデジタルカメラ

ソニー・QUALIA 016
 QUALIA(クオリア)は今年6月に発表されたソニーの新しいブランド商品で、高級スピーカーやプロジェクターなどと一緒にコンパクトデジタルカメラ(016)もラインナップされた。クオリア・ブランドの商品はどれも価格を度外視して、徹底した“ツクリ”の良さを売りにしている。だからどの商品も価格はとても高い。デジタルカメラ016について言えば、そのスペックだけを見て判断するなら38万円は“べらぼうな”価格と受け取られてもしょうがない。でも、ぼくは実際、こうしていまクオリア016を使っておりますが、38万円の「価値」は十分にあると納得させられているんです。




 たかが200万画素で単焦点レンズ内蔵のコンパクトデジタルカメラがなんで38万円なんだよ、と短絡反応するのも仕方ないのでしょうけれど、でもそうした人でも、このカメラを手にして眺めてみればきっと少しは印象が違ってくると思います。誤解を招くのを承知の上で言いますけど、これはデジタルカメラであってデジタルカメラではありません。いや、まぎれもないデジタルカメラなんですが、撮影してデジタル画像を得るという機能価値よりも見たり触れたりして楽しむ工芸品としての価値のほうがずっとウエイトが傾いているように感じました。
 クオリア016のフルセットが入った専用ケースを開けて、ひとつひとつ手にしてじっくりとその仕上げなどを見ていると、まるで魔法にかかったようにだんだんとシビレてしまいました。

2003年10月4日(土) 毀誉褒貶かまびすしいカメラですねえ

ソニー・QUALIA 016
 このクオリア016 について、絶賛賞賛したりするとヘンな非難囂々を浴び、あるいはまるで軽佻浮薄の権化のように見られてしまうのは、じつに残念至極であります。でも、昨日も少し述べましたが、実物のセットを手にしてそのひとつひとつの仕上がりなどを子細に見てみると、あながちぼくが軽佻浮薄の輩ではないことがわかって頂けると思います。もちろん、クオリア 016 は外観のツクリの良さだけではなく、備わっている斬新なメカニズムとアイディアにたいしても大いに感心するはず。たとえば「ダイレクトシャッター」や「手ブレ補正」などがそれです。




 ダイレクトシャッターとは、クオリア016 の電源を入れていなくてもシャッターボタンを押し込めば「写せる」機能です。通常なら、まず電源スイッチ(メインスイッチ)をONにしてからシャッターボタンを押してようやく写せるわけだけど、クオリア016 はシャッターボタンそのものがメインスイッチも兼ねているわけであります。ダイレクトシャッターは電源OFFはもちろん、メモリーカード(メモリースティック・デュオ)が入ってなくても「写せる」のであります。シャッターを押して写した画像は一時的にバッファメモリーに蓄える。一定時間のうちにメモリーカードをカメラに装填すれば、いま写した画像をカードに転送して保存することができる。
 ずっと昔の電源必要なしのカメラでは、フィルムを巻き上げてシャッターチャージしておけば、メインスイッチなどかかわりなくシャッターボタンを押し込んで「写せた」わけです。そんな便利なこと(そしてじつに当たり前のこと)も、いまではすっかり忘れておりまして(ぼくは)、カメラは電源スイッチをONにしてから撮影をはじめなくちゃならんことを当然のことのように思っていたそんな自分の感性の鈍さを大いに反省させられました。

2003年10月5日(日) このカメラについて語るのはこれまでにしましょう

ソニー・QUALIA 016
 ちっちゃなレンズを内蔵させていて、それをきちんとAF作動させおります。技術的な難度のほどはわかりませんが、AF作動するためにはレンズ群を動かすアクチュエーターが必要でそれをこのちっちゃなレンズに組み込んでおかなくちゃなりません。
 クオリア016 のキットにはワイドとテレのコンバージョンレンズや、これまたちっちゃなストロボなどが入っています。もちろん、そのどれもが「専用(開発)」です。バッテリーもバッテリーチャージャーも、カメラストラップも「専用」で、それらがきれいにレイアウトされて収まっているケースの仕上げと美しさにも感心しきりでした。手垢がつきすぎてイヤな言葉になってしまいましたが、まさに“手づくり”の、こころのこもった電子工芸品です。




 クオリア016 の手ブレ補正機能は多重露出撮影を活用している。つまり、通常、数回の多重露出撮影をするとき適正露出にするためにマイナス露出補正をおこなうのですがそれを“逆手”利用。低輝度被写体を撮影するとき、自動的にシャッタースピードを高速にして多重露出撮影(4回)する。そのひとコマひとコマは露出アンダーだけど、4コマを重ね合わせることで ―― 手持ち撮影で上下左右にズレた画像は微妙に合致させながら ―― 結果的にプラス2段ぶんほどを補正する。さらに適度にISO感度をアップさせるなどして「ブレの少ない適正露出の画像」を撮影直後にカメラ内で作り上げるというわけだ。ただし、露光中に被写体が動いたりカメラを大きくパーンしたりすると4コマがズレた奇妙な写真に仕上がってしまうが、それは愛嬌。
 さて、クオリア016 の200万画素の画質についてだけれど(多くの人に問いただされますが)これについてあれこれ言うのは避けます。少なくともぼくにとっては、ソンなことはどーでもよいことですから。

2003年10月6日(月) 

2003年10月7日(火) 

2003年10月8日(水) C-5060はイマイチ魅力を感じませんでした

オリンパス・CAMEDIA C-5060
 3倍ズームを内蔵し510万画素のデジタルカメラ・C-5050の後継機種。内蔵ズームの撮影画角が27〜110mm相当になりズーム倍率が4倍になった。5050とサイズは同じ1/1.8インチ型だがCCDそのものが変更になっている(詳しいことはわからないが最新型の1/1.8インチ型510万画素CCDのようだ)。ボディは“かなり”大きく重くなった。起動やAF速度などが速くなった。電池は専用リチュウム電池でE-1のものと共通。27mm相当の広角ズームだけど、使っていてあんまりオモシロさもウキウキさも感じず(ぼくには)魅力に乏しいカメラでした。もうイイや…。実販で9万円前後だそうです。




 今年度8月ぶんのカメラ生産・出荷台数が、先月、CIPA(カメラ映像機器工業会)から発表になりました。デジタルカメラの勢いに押されてどのクラスのフィルムカメラも苦戦しているとは知っておりましたが、その中の中判・大判カメラの項目を見て驚きました。国内のカメラメーカーだけの数値ですのでハッセルブラッドやローライといった外国製カメラは数に入っていませんが(入っていたとしても微々たるもの)、なんと生産が約1000台で、国内向けの出荷台数はたった、346台。(残りが輸出)
 中判カメラとはブローニーサイズフィルムを使用するカメラで6×4.5判や6×7判、6×6判などのたくさんのカメラが発売されている。大判カメラは4×5インチ判や8×10インチ判などです。これらの中・大判カメラはけっして一般向けとは言い難いけれど、それにしても、合計してたった346台しかないのには唖然としました ―― 言うまでもなく出荷した台数であって「売れた」台数ではない。…なんか、悲しいなあ。

2003年10月9日(木) もうイイや、と言いながらクドイですが

オリンパス・CAMEDIA C-5060
 昨日、この5060に魅力が感じられないと言いましたけれど、どうしてだろうか、と考えてみました。広角27mmからの4倍ズームレンズを内蔵していたり、備わっている機能などに不満はないのでありますが、しかし実際に使ってみるとどうもシックリしない。バランス良くコンパクトにまとまったC-5050に比べて、大きくて、重い ―― 実質的には5050とそう大差はないのだが、持ち重り、とのコトバがぴったりする。大きさと重さを、それ以上に感じさせるカメラなのですよ。




 いや、大きくて重いから魅力がないというのではありません。どう言えばいいのかなあ…、失礼な言い方かも知れませんが、アンバランスなマッチョカメラ、という印象か。筋肉もりもりの典型的な体育会系なんだけどどこか理屈っぽいカメラ、のような気もしないでもない。
 ぼくとしては、せっかくの広角27mmからのズームを搭載してるんだから、もっとフットワークよく気持ちよく撮影がしたいと思うわけですが、オリンパスとしては機能を欲張りすぎたのでしょうか、それがアダになっているようなんです。もうイイや、と思ったのも、げっぷが出るほどの満腹感をいだかせる機能満載だったからかもしれませんが。

2003年10月10日(金) 

2003年10月11日(土) 近接撮影ができるようになりました

カシオ・EX-S20
 あのカードサイズ薄型のエクシリムEX-S1の後継機種。旧S1は1/1.8インチ型200万画素CCDを使用していたが、新型S20では1/2.7インチ型200万画素CCDになった。単焦点レンズ内蔵で固定焦点式であることは同じ。ボディサイズは旧S1よりもわずかだけど小さくなったが、それよりも新S20のもっと大きな機能アップは、マクロ撮影モードが加わったこと(30センチ)、レンズバリアが内蔵されたこと、ジョグダイヤルふうの操作部がもっと大型で操作感のよい十字キーふうに変わったことなどでありましょうか。




 30センチの近接撮影ができるようになったのがいちばんウレシイことでした。旧S1では、なにが不満かといってこれが唯一最大の不満でしたから。S20の内蔵レンズはだいたい37mm相当の画角なので、撮影距離30センチといえばちょうどA4サイズの書類がぴたりとフルフレームで撮影できるわけです。
 旧S1は画質面でも(いまから思うと、固定焦点式だからとあきらめていたからでしょうか)しゃきっとした描写ではなかったのだが、この新S20では、かりかりぱりぱりっ、とした“目の覚めるような”シャープ感あふるる描写になっています。ところで、カシオのデジタルカメラのどの機種も、オートホワイトバランスの不安定さが最大のネックであったのですが、この新S20もその傾向がまだ残っていて、ちょっとそのへんが気になった次第です。

2003年10月12日(日) 

2003年10月13日(月) ライバルとしての携帯電話

カシオ・EX-S20
 旧S1に比べて動作はかなりきびきびするようになった。シャッターボタンを押して撮影したあと、旧S1では、一拍おいてからアフタービューが表示される感じがしていたのだが、新S20では“瞬時に”表示される。固定焦点式カメラなのでシャッターボタンのストロークはごくごく浅い。AFカメラのようなSW1、SW2といった長いストローク感触がないため、文字通りフェザータッチでシャッターが切れる。ついついAFカメラのクセでシャッターボタンに指を置くと、ぽつんっ、とシャッターが切れてしまう。この浅いシャッターストロークに慣れるまでに、なんども、おーっとっとっとなる。



 このEX-S20の正式発表日からたった数日遅れだったと思うが、同じカシオからデジタルカメラ内蔵の携帯電話が発表になった。「カメラ付きケータイ・A5403CA」というもので、こちらもS20と同じ1/2.7インチ型200万画素CCDを内蔵させている。内蔵レンズの詳細は発表資料では不明だが、驚くなかれ、この「ケータイ」の内蔵カメラはAF対応だ。AFロックつき。そのうえ、デジタルズームは25段階、10倍。いっぽう、本格的デジタルカメラ(の、はずの)S20は固定焦点式。パーンフォーカスで、有り体に言えばピントはごまかし。デジタルズームもたった4倍。
 その「ケータイ」の写りがどれほどのものかも不明だけれど、携帯電話のオマケ程度に思っていたケータイ内蔵デジタルカメラがここまで“機能充実”してくると、主客転倒、携帯電話機能のほうがオマケのようにも思えてしまう。

2003年10月21日(火) *ist Dでレンズ三昧

ペンタックス・*ist D + A 15mmF2.8
 *ist Dにいろんなレンズを取り付けて遊んでおります。この15mmF2.8はMFレンズで、絞りリングにAポジションのある「Aレンズ」とよばれているもの。絞りリングをこのAポジションにセットをしておけば*ist DでAF以外のすべてのオート撮影が可能となる。ペンタックスのAF対応レンズでは20mmがいちばんの広角レンズなので(17〜28mmのフィッシュアイズームレンズはあるけれど樽型に強く歪む)それよりも広角で撮影をしようとするとこの15mmF2.8のMFレンズを選ぶしかない。




 ペンタックスのMFレンズには ―― ぼくはてっきり35mm用のMFレンズは生産が中止されていると思い込んでいたのだが、ところがどっこい、まだまだ魅力的なレンズが何本も作り続けられている ―― 絞りリングにAポジションのないMレンズやPレンズもあるのだが(さすがにこちらのほうは生産はやめております)これを*ist Dに取り付けて撮影をしようとすると、カスタムファンクションで設定を変更したり、あれこれちょっと厄介な操作をしなければならない。
 MレンズやPレンズが使いにくくなったのは*ist Dでボディマウント部の、あるレバーを省略してしまったからだ。ZシリーズやMZシリーズには、このレバーがあったのでM/Pレンズでも絞り優先AE撮影などができたのだが、残念ながら*ist Dからは、こうしたレンズを使うには“完全マニュアル露出撮影”をするしかない。

2003年10月22日(水) *ist Dでレンズ三昧、再び

ペンタックス・*ist D + FA Soft 85mmF2.8
 ペンタックスには35mm判カメラ用のソフトフォーカスレンズが2本ある。1本はこの85mmF2.8で、もう1本は28mmF2.8。ただ、28mmという広角画角とソフトフォーカス描写というのがぼくはどうにも馴染めず、このレンズを持ってはいるのだがほとんど使ったことがない。というよりも、ぼくの撮影技量ではとてもムツカシくてウマく使いこなせない。その点、85mmぐらいの中望遠レンズだとボケ量とソフト量がうまい塩梅にミックスできておもしろい描写ができる。けれど*ist Dと組み合わせると焦点距離が約130mm相当になってしまうので、最初のうちはやや戸惑うこともありました。




 ソフトフォーカスレンズはAF対応になって大変に使いやすくなった。そもそもソフトフォーカスレンズは ―― あ、言っときますが、ソフトフォーカスフィルターの描写とはゼンゼン違いますからね、そりゃ文句なしに、バツグンにソフトフォーカスレンズの描写のほうが上品で繊細でまろやかです ―― ソフトレンズは球面収差だけを意図的に残してそれを利用してソフト描写をしておりますが、マニュアルでピント合わせをやろうとすると球面収差の影響でピント移動が起こる。ファインダーで見て正確にピント合わせしたつもりでも、実際に仕上がった写真ではピンぼけになってしまう。そのピントのズレ量を予測して“カン”でピントを合わせなくちゃならんのです。
 このため、ムカシのソフトフォーカスレンズを使いこなすには“なかなかの職人ワザ”がいるんだとよく聞かされていました。でも、このソフト85mmはAFですからピント移動を自動的に補正してくれますからラクチンです。(ところで、ソフト描写だからと、ピント合わせをぞんざいに考えてしまう人がいるようですが、これは大間違いでありまして、ソフトフォーカスレンズを使ったときはピント合わせにかなり神経質になる必要がある。ピントの合っていないソフトフォーカス描写ほど間抜けな写真はありませんから)

2003年10月23日(木) *ist Dでレンズ三昧、みたび

ペンタックス・*ist D + 645用レンズアダプターK + FA645 MACRO 120mmF4
 645用レンズアダプターKとは、ペンタックスの645カメラ用交換レンズを35mm判Kマウントカメラに取り付けるための変換アダプター。同じように、ペンタックス67用レンズをKマウントカメラで使用できるような変換アダプターも、さらには、M42スクリューマウントレンズをKマウントに変換するアダプターもある。ただし、こうした変換アダプターを使って異機種のレンズを*ist Dで撮影しようとすると、あれこれの制限が出てくるし、いくつかの設定の変更もしてやらなくてはならない。ちょっと厄介だが、それもまた楽しい。




 645用のレンズをわざわざ*ist Dに取り付けて使うというのは物好きもいいところだと思う。ふだんは、そんなことしません。よく言われることだけど、中判用レンズを35mm判カメラで使用するとレンズの真ん中部分の“おいしい部分”だけで撮影ができるから描写がよくなる、なんて。でも、そんなこと(確かにそれは一面、正しいことだけれど)あんまり意味のないこと、とぼくは思います。
 ただ、35mm判カメラ用レンズにない、独特の描写性能を備えたレンズがあればそれを変換アダプター経由で使うことはあります。たとえば、ペンタックス67用に開発された「67ソフト120mmF3.5」という名レンズがあるのだけど、これは秀逸ピカイチのソフトフォーカスレンズだとぼくは信じておりまして、そのために変換アダプターを介して645判カメラや35mm判カメラで使っていることはあります。

2003年10月24日(金) *ist Dでレンズ三昧、まだまだ

ペンタックス・*ist D + アダプトール2マウント + TAMRON SP500mmf8
 *ist DにペンタックスのMFレンズであるAレンズやMレンズ、スクリューマウントレンズなどをセットして撮影するとレンズによっては適正露出にならないことがある。とくに分割測光モードにしていると、そのレンズの露出適応性はかなり悪くなるようだ。そこで、ぼくは最新のFAやFA-Jレンズ以外のこうしたMFレンズを取り付けて撮影するときには、中央部重点測光かスポット測光モードに切り替えて撮影をするようにしている。




 タムロンのSP500mmF8は小型の反射望遠レンズ。ペンタックスにも、MFレンズだが400〜600mmF8〜12反射望遠ズームレンズ、というヘンテコなレンズがあるのだが、ぼくはこのタムロンの500mmレフをいろんなカメラに取り付けて愛用しています。いいレンズです。タムロンの交換レンズは、そもそも、文字通り1本のレンズがマウント部だけを交換すればあれこれマウントの異なったカメラボディに取り付けられるのが大きな特長だった。いまでもそうしたアダプトールマウントレンズ(MFレンズのみ)が5〜6本、細々とだけど作り続けられている。
 だからぼくはこのタムロン500mmレフなどのレンズのために、ペンタックスKマウントや、ニコンマウントやライカRマウント、ミノルタαマウント、キヤノンFDレンズマウント(残念ながらEFマウント用はない)などあれこれを持っていてときどき交換しては使っています。

2003年10月25日(土) 

2003年10月26日(日) *ist Dでレンズ三昧、くどい

ペンタックス・*ist D + マウントアダプターK + ジュピター85mmF2
 ジュピター85mmF2はM42スクリューマウントのロシア製レンズ。このテの珍妙なレンズが大好きな人たちには、ふんっそんなもん、と一笑に付されてしまうごくポピュラーなレンズです。ただしジュピター85mmF2といっても、さまざまな種類があるようで(ぼくはこのへんの知識は不如意です)、いま持っているのは正しくは「MC JUPITER-9 85mmF2」です。ロシア製レンズには、昔のツアイスレンズの“そっくりさん”も多く(レンズ構成として)、事実このレンズもゾナー85mmをベースにしているとも言われていますが、ふんっ、似ても似つかぬ描写です。いや、ロシア製レンズをばかにしているわけではないですけど…。5300円で新品を購入。




 ゾナーと似ても似つかぬ、とイヤみなことを言いましたけれど、でもジュピターにはジュピターの独自の“描写の味”があります。すべからく、レンズというものはそうゆうもんでして、正確厳格な科学写真撮影が目的ならいざ知らず、そのへんで見かけた風景や親しい人物、季節の花々を撮影するなら、ときには個性ぷんぷんの、へんてこりんなレンズを使ってレンズ描写も楽しんだほうが写真もおもしろくなるじゃないですか。
 こうしたことは、カラーフィルムにも言えることですし、ひいてはデジタルカメラの画像にも言えることでありましょう。そのフィルムの色はダメだとか粗粒子だとか、その画像の描写はヒドイとかノイズがあるとか、はてさて非難囂々するよりも、その色や描写を“個性”と見て、それを生かすように“工夫して”写真を写してみるのもこれまた楽しいと思いますがいかがでしょうか。

2003年10月27日(月) 

2003年10月28日(火) EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6レンズの謎

キヤノン・Kiss Digital + EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6
 Kiss Digitalといっしょに発表発売されたこの18〜55mmレンズは、キヤノンAPS-Cサイズデジタルカメラ専用、それもいまのところ“Kiss Digital専用”のレンズだ。今後出てくるかも知れないキヤノンのAPS-Cサイズデジタルカメラにも使用はできるようにはなるだろうけど、レンズの機構上の制限があって同じAPS-CサイズのEOS 10Dなどには取り付かない。また、このレンズは単体としては発売されておらず、Kiss Digitalとセットでないと手に入れることはできない。で、Kiss Digitalと組み合わせて使っているのでありますが、はてな?、と思わせるところがあって興味が尽きません。




 レンズ単体では売られていないからレンズ価格は不明だが想像するに二万円そこそこの“安い”レンズ。だがしかし、キヤノンの二万円程度のズームレンズにしては写りが“良すぎる”のだ。一般的に言って、キヤノンのレンズは高いレンズと安いレンズの「差」が大きい傾向があります。なのに、この18〜55mmは安いのに性能がよろしいのだ。なぜか? とぼくは考えました。
 以下はぼくの推測でありますが、ひょっとしたらKiss Digitalの画像処理エンジン(DIGIC)でこのレンズだけの専用の画像処理をおこなっているんではないだろうかと思うわけです。たとえば周辺光量不足や、ディストーション、軸上や倍率色収差などのどれかは画像処理にまかせてそれで補正する。画像エンジンで一部の収差を補正することが前提になっていればレンズ設計はめちゃくちゃ楽ちんに(安く、そして性能が良く)できるはずです。レンズ側からボディ側に「いまこうしたレンズがセットされているよ」と情報を伝えればよいだけだから、補間処理などやろうと思えば簡単にできるはず。キヤノンならこうしたことやりかねないですからねえ。

2003年10月29日(水) 

2003年10月30日(木) 改良版フォビオンX3センサー搭載のSD10

シグマ・SD10 + 24〜70mmF2.8
 SD10は、SD9の実質的な後継機種(しばらくはSD9と併売)。大幅改良モデルではなく、表面的には文字通りマイナーチェンジ程度の改良。しかし、カメラのデキとしてはすこぶる良くなっております。安定したバランスの良いカメラに仕上がっております。おもな改良点としては高ISO感度の選択範囲が広がったこと、シャッタースピードの連動範囲も広がったこと、そしてなによりも使い勝手の上でも注目したいのが電源の一元化だ。SD9ではCR-V3を2本(または単3型乾電池型4本)と、さらにCR123Aを2本必要とした。とくに、このCR123Aの消耗が激しくてすぐにドロップしてしまい、ぼくはよく困らされた。SD10でその悩みが解消されたことはウレシイかぎりであります。




 SD10に搭載のFoveon X3センサーは、サイズ、画素数ともにSD9と同じ。しかし、X3センサーそのものに“大幅な”改良が加えられたようで、ひとつには従来よりも集光効率を高めるためにオンチップのマイクロレンズを載せた。さらに、センサーの製造工程の見直しと改善もはかられ、センサーからの色情報(R/G/B情報)の取り込み精度をアップさせた(そうです)。
 SD9ではISO100〜400までしか感度設定できなかったが、SD10では拡張モードを選べばISO100〜1600まで設定可能となった。マイクロレンズのおかげだろうか、十分に光を取り込むことができるようになって、じっさい画質もよくなった。SD9に比べてノイズが少なくなりました。ベータ版機種を使った限りだけど、たとえばSD9のISO400は、ちょうどSD10のISO800に相当する感じだった。ともかくISO400ぐらいまでならほとんど不満なく使えそうであります。
 価格は期待していたほど安くはないけれど、でも十分にその価格に見合った実力も持ったカメラになっていると思う。ぼくはもともとSD9の(フォビオンの)あの、独特の色調と画質が好きで、だからシグマがんばれ、フォビオンがんばれ、であります。

2003年10月31日(金) 


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