This is Tanaka

2007年・東京 - 春~夏START

ここから続く「66カット」の写真は、すべてリコーのコンパクトデジタルカメラ・GX100のただ一台だけで撮影したものです。
GX100は24~72mm相当の広角ズームレンズを内蔵したちょっと“変わり種”のコンパクトカメラです。あれこれカスタマイズができること、レンズ描写がいいことなどの理由で、いま、ぼくのもっともお気に入りのカメラのひとつとなっています。
こうしたお気に入りカメラ ―― あるいはちょっと個性的なカメラ ―― を手にすると、がぜん、新しいテーマや新しい被写体を探して写真が撮りたくなってきます。
というわけで、春から初夏にかけて東京の街角を約2~3ヶ月、GX100を片手に散歩したときや、仕事のついでに“あるテーマ”を決めて撮影することにしました。そうして写した中から選んだのがこの「66カット」です。

“テーマ”というにはややおおげさですが、撮影では被写体に対する「眼の高さと距離」に少しこだわりました。 つまり、日常的な視線、ふだんの目線、とでもいえばいいのでしょうか。非日常的な意図的なカメラアングルで写さない、無闇に近づいたり離れたりし過ぎない、ということをテーマにしました。
高いところにあるものは、ただ見上げて写す。低いところにあるものは、そのまま見下ろして写すように心がけました。被写体との距離、すなわち相手との間合いも気を配りました。近づきすぎず離れすぎず。そんなふうにして撮影したものばかりです。ただしGX100に備わっている機能はフルに活用しましたし、ぼくが持っている撮影テクニックのありったけを使いこなして写したつもりです。
写っているものも、東京の街角を歩いていれば ―― 世界中でも東京の街角ほどバラエティに富んだ愉しい街はそうはありません ―― あたりまえのように自然に誰もが出くわす景色ばかりのはずです。その景色を、ごくごく日常的な目線になるようにして写した写真です。

なお、ここの写真は雑誌「デジタルフォト」(2007年10月号)に5ページで掲載されています。ページ構成上、雑誌では“一覧表示”のようなスタイルになっています。そのページとここをリンクさせてみることにしました。
PCのディスプレイ画面で、まるで写真帳のページを一枚一枚めくるような感覚で見てもらえるとうれしい。では、どうぞ。