Photo of the Day
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2006年2月1日(水) いけいけどんどん、ですシグマは
ニコン・D200 + シグマ・17〜70mmF2.8〜4.5 DC MACRO シグマはまさに“怒濤の勢い”で次々に新しい、そしてタイムリーなレンズを出してくる。たえず走り続けていて、少しでもそのスピードを緩めると前のめりにつんのめって転んでしまうんじゃあないか、と心配になるほど、いけいけどんどん、だ。シグマはそのレンズ生産のすべての工程を会津にあるひとつの工場でおこなっている。海外に工場はひとつも持っていない。会津工場で試作から製品化まで文字通りなにからなにまでやってしまうので、設計側と製造側とのコミニケーションも密で、さらにレスポンスも良い。だから、ちょっとした試行錯誤や、製品の手直しや、あるいは突然の仕様変更をするにしてもごく短時間に臨機応変に対応できるという“強み”をもっている。ちょっと大袈裟なたとえをすれば、前日ひらめいたアイディアが翌日の夕方には製品化されている、なんてこともシグマではけっして不思議なことではないのだ。シグマとはそんな“勢い”のある会社なのだ。
そのナニにつけてもスピーディーなシグマが、一転、まるで、石橋を叩いて叩いていつまでたっても渡ろうとしない、そんな印象さえするのが、SD10の次の機種であります。SD10の“後継機種”となるか、あるいはまったく新しい“新型機種”となるか不明なのだが、しかし、SD10の次の機種をだいぶ前から開発していて、それがようやく、ほぼ完成状態にあるらしい。いま、せっせと雪の会津工場の片隅で、新しいFoveon撮像素子を組み込まれた試作機種の最終調整をおこなっているのだろうか。次機種ではとJPEGファイルでの記録保存も可能との話もある (ま、とうぜんだろうね)。
その“次機種”が2月末にフロリダのオーランドで開催のPMAか、あるいは3月末の東京ビッグサイトでのPIEのどちらかでお目見えするらしいぞ、との噂もある (マジメに受けとるなよ) 。あてにならない噂話にしろ、コニカミノルタのカメラ事業撤退などの暗いニュースを聞いたばかりだから、このシグマの新型カメラの明るい噂を聞くと余計にわくわくさせられる。
2006年2月2日(木)
2006年2月3日(金)
2006年2月4日(土)
2006年2月5日(日)
2006年2月6日(月) 迷路ゲームができるデジタルカメラ
フジ・FinePix V10 23万画素の3.0インチ型液晶モニターと、高感度ISO1600と、510万画素の1/2.5型スーパーCCDハニカムHRと、ノンフラッシュ&フラッシュ高感度2枚撮り機能と、そして、4種類のゲーム搭載のカメラであります。ゲーム搭載 (パズル、ブロック崩し、迷路、シューティング) てのがぼくにはちょっとナンでして ―― ぼくはいわゆるパソコンゲームとかインターネット掲示板とか格闘技というものにぜんぜん興味が湧かず、だからほとんどやらない見ない ―― カメラにナンでゲームなんぞ入れるんだッ、と憤慨嫌悪したけど、昨日、V10を使っててちょっと手持ちぶさただったんで、モノは試し、と迷路のゲームをやってみたら、あはは、こりゃあおもしろいもんですねえ…。やはり、食わず嫌い、観念的否定論、てのはよくないよね。しかし小さくカタチの良くない十字キーが動かしにくくて少しいらいらしてきて最後までやらずに途中でギブアップ止めちゃいましたけど。
V10のCCDは、Z1やZ2と同じ1/2.5型の第五世代スーパーCCDハニカムHRだ。最高ISO感度はISO1600まである。高ISO感度での画質が ―― このテのカメラで目くじら立てて画質のことを言いたくないけれど ―― 同クラスのカメラに比べて“格段の低ノイズ”であることが特長でもある。いや確かに、1/2.5型クラスとしては文句なしにノイズの少ない画像なのだが、Z2でもタイヘンに気になっていたのだけれどノイズを抑え込もうとしてその処理をやりすぎているように感じる。たぶん、高ISO感度で目立ってくる色ノイズを消そうとしてるんだろうけど、それをやりすぎているために画像にシャープさがなくなり、とくにエッジ部がふにゃふにゃになってしまっている。その影響が低ISO感度にまで及んでいるのがいささか気になる。ソコまでがんばって色ノイズを消そうとしなくてもイイのではないでしょうか。少しぐらいノイズが残っていても、その替わり、シャープで切れ味の感じられる画像のほうがぼくは好きだけどなあ。
2006年2月7日(火) 片手撮りのきわめて難しいカメラ
フジ・FinePix V10 いまここのデスクの上に、3インチ型液晶モニターを搭載した機種をV10のほかに、サンヨーのE6、ソニーのN1、そしてオリンパスのSP-700を並べて、そのモニターの見え具合をさきほどからじっと眺めております。室内で見てる限りですから、にわかに“良し悪し”を断定することはできないので“好き嫌い”のレベルで言いますと、横一列に並べて見比べてみるとソニー・N1がもっともいい感じでした。ところが、色 (ホワイトバランス) に対する応答性がイマイチ良くありません。たとえば、室内のタングステン光源からカメラを窓辺に向けて早朝の外の景色を見ると、画面は真っ青、しばらくするとぼーんやりとニュートラルな色調になります。それに対してフジ・V10はホワイトバランスの応答性はすこぶるよろしいんですが、ちょっと明るすぎる気もしないでもない (贅沢な不満だけど…)。
なおサンヨー・E6、オリンパス・SP-700は、V10やN1と3インチ型モニターに比べると「もう少しがんばりましょうね」と。
カメラサイズはV10がもっとも“小さい”感じがする。V10以外の機種はどれも少し横長スタイルなんだけどV10だけがややスクエアに近いスタイル。ほんの少し背が高いけれど横幅が短いから、そのぶん小さく見える。ボディ背面は、これすべて液晶モニター、と言っていいほど遠慮会釈もないほどモニター画面で占有されております。だからカメラをホールドするときはいやおうなく親指が画面の上を押さえてしまう。画面から親指をずらして全画面を見渡そうとすると、左手を使ってカメラホールドを助けてやらなくちゃなりません。このV10はどれほど工夫しても右手だけでの不精者片手撮りスタイルでは全画面を見渡しながらの撮影は不可能だ。というわけで、親指が画面にかかるのがイヤなら自然と両手撮りをせざるを得ない。でも、だからこそブレにくくなる、というメリットもあるわけです。
2006年2月8日(水)
2006年2月9日(木)
2006年2月10日(金) 画期的、エポックメーキングなカメラであります
オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 35mmF3.5 MACRO E-330はレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラとしては、世界初のライブビュー撮影機能を備えたカメラであります。ライブビューとは、コンパクトデジタルカメラのように液晶モニターに、いま写そうとしている被写体の様子をリアルタイムに映し出せること。コンパクトデジタルカメラでは当たり前の機能なんだけど、デジタル一眼レフではそのメカ的な機構、そして撮像素子の問題などがあって到底不可能だったわけで、どの一眼レフカメラメーカーもいま一生懸命この不可能を可能にしようとがんばっていて、そうした中でいちはやく不可能を可能にしたのがこのオリンパスのE-330であります。ライブビューだけ、にかんしてはフジのS3ProやキヤノンのEOS 20Daなどが“可能”だったけれど、その両機種ともライブビューしながらシャッターを切ることができなかった、つまり撮影はできなかった。E-330はそれができる。お世辞抜きで画期的なエポックメーキングなカメラなんですよこのE-330は。だから、ぼくはいま、xD-ピクチャーカードがどうのこうの、なんてどーでもイイという気分です。
ライブビュー撮影を可能にしたE-330のメカニズムとか操作方法などを詳細にわかりやすく説明をしたいのだけれど、いずれ機会があれば、ということで、いまはメンドウなので省略。ま、大胆に言ってしまえばメカニズムなんて、そんなもんどーでもよくって、大事なことはE-330の使い心地と撮影の可能性がどこまで広げられるか、なんだよね、そもそもカメラってもんはそーゆーもんです。で、使ってみたファーストインプレッションは「素晴らしい」のひと言です。オリンパスEシリーズのユーザーのみならず、キヤノン、ニコン、ペンタックス、コニカミノルタなどのカメラを使っているユーザーも、大いに注目すべきカメラでしょうね。E-330をメーカーを越えて、文字通り「サブカメラ」として使うという方法があるように思う。
固定式レンズを搭載したコンパクト系デジタル一眼にも、E-330と同じように可動式液晶モニターを使ってフリーアングルで撮影ができるカメラもあるけれど、実際にフィールドでE-330を使ってみたら目からウロコ、開けて玉手箱、であります。室内でイジってるのとフィールドで使ってみるのとでは、ぜーんぜん違うのだ。撮影の可能性も大きく広がりそうです。
なお、蛇足でありますが、E-330に使用しているフォーサーズ型750万画素撮像素子はCMOSではなく新規開発のNMOSです。このNMOSがライブビュー撮影を可能にしたひとつのキーデバイスでもあります。
2006年2月11日(土)
2006年2月12日(日)
2006年2月13日(月) ライブビュー撮影機能が当たり前になる時代
オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 18〜180mmF3.5〜6.3 デジタル一眼レフカメラを構え、ボディ背面の液晶モニターを見ながら「どうして見えないんだっ」と文句を言ってる人を最近、よく見かけるようになった。とあるイベントに出展していたカメラメーカーのブースをぼんやりと眺めていたら、いましたねそういう人。「見えませんけど…」と説明員に聞いていて、そんな光景をごく短時間にぼくは5人も目撃した。はじめは「ナニをあほなこと言っとるんだ、一眼レフなんだから見えないのはとーぜんなのっ」とソレを眺めておりましたけど、でも落ち着いて考えてみれば「なぜ見えないんだ」とすなおに疑問に思うことこそ大事なことであって、けっ、一眼レフってそーゆーもんなんだよね、と知ったかぶりをしてコトを終わらせてしまうほうが、けっ、なのだよ。理屈やいいわけなんかどーでもイイんであって、とにかく一眼デジタルもコンパクトデジタと同じように液晶モニターをライブビューしながら撮影したい、と思う人がいるならそれに応えてやるのがカメラメーカーとしてのタダシい姿なんだよね。
E-330のおもしろさと魅力は実際にそれを手にして使ってみないとなかなかわかりにくい。だから、とくに古くからの一眼レフユーザーや知ったかぶりのカメラオジサンなどは、ハナから“食わず嫌い”して「ソンなカメラは初心者向き、わしらにカンケイない」なんてうそぶきそうだけど、ま、手にして使ってみれば、ほほーっ、と思うに違いありません ―― よほど石頭のコペルニクス的ガンコもの以外は、ね。
ライブビューしながら撮影ができるデジタル一眼は、とりあえずオリンパスがはじめて製品化させたわけだが、いうまでもなくどこの一眼メーカーもだいぶ以前から研究や開発をしている。またこういう予想をするとタナカの夢物語と揶揄されてしまいそうだけど、将来的には、デジタル一眼レフカメラのすべてはE-330のようにライブビュー撮影機能を備えたカメラになってしまうでしょうね。少なくとも、オリンパスから今後出てくるデジタル一眼はすべての機種で ―― もちろんE-1の後継機種も、ね ―― ライブビュー撮影機能は搭載してきます。
2006年2月14日(火) いつか、光学ファインダーがなくなってしまうんだろうか…
オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 8mmF3.5 FISHEYE E-330のライブビュー撮影モードには「Aモード」と「Bモード」の二つがある。ほんとうならどちらか一つで充分だったのだけれど、AもBもどちらにも少しエクスキューズがあって、だからそれをお互いに補うようにして (AとBとは連携してないし、してもどうなるわけでもないが) 、ま、言ってみれば、Aモードが不満ならBモードを、BモードがイヤならAモードをどうぞ、てな感じであります。カンタンに言えば、AモードはAF撮影ができるがBモードではMFでしかピント合わせができない、のが大きな違い。AF撮影がことのほか好きなぼくとしてはAモードを選ばざるを得ないのだが、しかし視野率が92%しかない。そんなプアーな視野率ではマトモなフレーミングなどできやしない。これに対してBモードの視野率は100%。でもAFが使えない。だから、しょうがないからぼくは、Aモードでピントを合わせてからBモードに切り替えて ―― 切り替えがじつにめんどうくさいけれど、Bモードに切り替えたとたんピントが固定されてしまうのがいい ―― で、この100%視野率の画面を見て撮影をすることがよくありました。
ライブビュー撮影、つまりコンパクトデジタルカメラのように背面液晶の画面をファインダー代わりにして一眼レフカメラで撮影ができるようになったわけだが、そうするときっと、さきざき、「ファインダーなんか必要ないじゃないか、なくしちゃえっ」なんてことになりかねない。一眼レフカメラからファインダー (光学ファインダーでもLCDファインダーでもどっちでもいいんだけど) がなくなってしまうなんてことは、ぼくにとっちゃあ悪夢以外のナンでもないのだが、ま、それも時代か、とあきらめざるを得ないんだろうなあ、だいぶ先のことになるだろうけれど、でもいやだなあ。
むろん一眼レフカメラのライブビュー撮影機能がイヤなわけでもナンでもないんだが (むしろ大歓迎だ) 、でもファインダーがなくなってしまうのが困るのだ。百歩譲ってファインダーがLCDになってもいいから、一眼レフカメラでは、コンパクトデジタルカメラのようにあっさりとファインダーを取ってしまわないで欲しい、お願いだから…。
2006年2月15日(水)
2006年2月16日(木) まだまだ、E-330ネタ、つづく
オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 14〜45mmF3.5〜5.6 発売が来週末の24日であると正式に発表されましてその実販価格はボディ単体で約12万円前後、で、この14〜45mmF3.5〜5.6ズームが付いたレンズキット価格が約13万円前後ぐらいかな、と予想されている。事前のプレゼンテーションでE-330を見せてもらったときは「12万円かぁ…ちょっと強きの値付けだよなあ」と思っとりましたけど、いやいや使ってみれば、こりゃあ、12万円とは「けっこう安い」カメラでありますぞ、と感じ入りました。撮影の、機能や、写りや、楽しさや、可能性などなどを総合的に考えれば“お買い得カメラ”としてトップクラスにランクしてもいいでしょうね。もちろんいくつかの不満点や改良すべき点などはあるけれど、先日、開発した人たちにインタビューしたとき「できるかぎりアフターカスタムをやっていきたい」というような意味のことを話していましたから、オリンパスは、釣った魚には餌をやらない、てなことはないように思いました。
とりあえず改良して欲しいなあと思ったことの一つに、Bモードには拡大表示機能があるんだけど10倍拡大のモードしかない、やはり3倍とか5倍の“中間拡大モード”も欲しいですよねえ、とインタビューしたときに聞いてみたら ―― 次号の「デジタルフォト」誌です ―― 「前向きに考えてます、倍率変更はファームウエアのバージョンアップでも対応できそうなので、ま、もう少し待っててください (文責・タナカ) 」 と、えらくハッキリした返事でありました。
BモードでもAFでピント合わせができればこんなにウレシイことはない、なぜできないんでしょうか、と尋ねたのだけど、こりゃあ技術的にタイヘンに難しいらしい。ミラーをアップしてしまってるから位相差方式はできない、かといってコンパクトデジタルカメラのようにコントラスト方式ではスピーディーに測距ができないし交換レンズごとに測距シークエンスが違ってきてそれに対応しなければならない、外部測距方式は精度の点で却下などなどで「これはファームアップでは不可能ですが、技術的に可能性は充分にありますから、将来的には必ずナンとかします (文責・タナカ) 」との応えでありました。
長く借りっぱなしになってるE-330 (β版) も、 もうそろそろ返却しなきゃならない。返してしまうとナンだかぐんっと淋しくなりそうでこれは困った、24日か、発売は…。
2006年2月17日(金)
2006年2月18日(土)
2006年2月19日(日)
2006年2月20日(月) 茨木のり子さん
ペンタックス・Optio A10 ペンタックス初の手ブレ補正機構内蔵のカメラだ。撮像素子を動かしてブレを目立たなくする「撮像素子 (CCD) シフト方式」で、コニカミノルタやリコーなどと同じ方式である。リコーと同じく、どうもペンタックスが独自に開発したものらしい。とりあえずベータ機種を借りて使ってみたのだが、初めて作った手ブレ補正にしては“上出来”であります。驚いた。実感として、3段分から4段分のブレ補正効果はある。ぶーんぶーんっ、といったアクチュエーター (ステッピングモーター) などが作動するかすかな音と振動が指先に伝わってくることがあるが、ま、実用上はぜんぜんに気にすることはないでしょう。ところでA10は、1/1.8型800万画素で2.5型液晶モニター搭載はイイとしても、38〜114mm相当の「3倍ズーム」てのが残念。もういつまでも3倍ズームのままじゃあどうしようもないんですからね、なんとかしましょうよ。
茨木のり子さんが亡くなった、と今朝の新聞で読んだ。詩人、79歳だった。茨木さんの本は、詩集や随筆などを何冊か持っていてときどき眺めてる。お目にかかったことはないのだけれど、とても上品な感じの人のようですね。茨木さんの詩の中でもっとも“ポピュラー”なのは「自分の感受性ぐらい」だろうか。一部分を抜粋。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
……
……
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
2006年2月21日(火)
2006年2月22日(水) SR=Shake Reductionと南青山
ペンタックス・Optio A10 ペンタックス“独自開発” ―― ホントらしい ―― の撮像素子シフト方式の手ブレ補正機能を搭載したカメラで、この機能を「SR (シェイク・リダクション) 」と名付けている。ボディの大きさを見て、ぼくはてっきり、ちっぽけな1/2.5型のCCDを使ったカメラだと思っておったのだけれど、なんと800万画素1/1.8型CCDでありました。手ブレ補正の機構も内蔵させてこれだけの小ささにまとめたのは、さすが、ちっちゃなカメラを作るのが得意なペンタックスならではだ。ただ、ちっちゃくて軽いカメラなのだけれどあいかわらずデザインがイマイチで、実物を手にしてみればすぐに気づくことだけれど、ボディのレンズ鏡筒まわりの「ぴかぴかリング」が、まったくもってじつにダサい。ナニがどーなって、こんなにもダサい飾り物をつける気になったのだろうか、いやになっちゃうよ、まったく…。
ペンタックスのカメラ開発と企画のほとんどはムカシから、板橋区の東武東上線「ときわ台駅」からふらふらと10分以上歩いた先の住宅街と町工場が入り交じったその奥にある。板橋区前野町二丁目。ずっと遠い昔はそこで一眼レフカメラを生産していたのだがそれが栃木県益子町の工場に移ったのだけれどしかし今ではカメラ生産のほとんどはフィリッピンのセブ島の工場でおこなうようになった。レンズのほうは埼玉県の小川町で作っていたのだが数年前にこの工場は閉鎖されてその生産の多くはベトナムのハノイにある工場や中国上海に移った(たぶん)。デザイン部はといえば、もうだいぶ前のことになるのだが板橋区前野町からハナの南青山のど真ん中にデザイン部だけがそっくり移転した。流行の最先端の街にいれば刺激を受けておのずとセンスも磨かれ感受性も豊かになるのではないか、との浦野社長のアイディアだったそうだが、なんだかいつまでたっても板橋区前野町二丁目の“センス”が抜けきらず、だからA10のようなデザインのカメラを作っておるのに違いない、中身はイイのに、いやになっちゃうよ、まったく…。
2006年2月23日(木)
2006年2月24日(金) 「新北海園」の長生きオウム
オリンパス・μ 810 イマイチ注目度が低いようだけれど ―― ソンな気がするだけで確証があるわけではない ―― ぼくは、タイヘンに興味を持ってこのカメラを眺めております。最近のオリンパスのコンパクトデジタルカメラとしてはとてもスマートなデザインで、ステンレスボディの仕上げも素晴らしい。もちろん防滴 (生活防水型) 仕様。レンズも良い。ISO感度はナンとISO64からISO3200まで設定ができる。ISO3200のときだけ300万画素相当の画像サイズになるけれど、ISO64〜1600までは800万画素サイズそのままである。ブレ軽減撮影モードを選べばシーンに応じてISO1600まで自動的に感度アップして手ブレ、被写体ブレを軽減してくれる (カタログ文の受け売り、みたいだけど)。これに加えて、810には世界初の方式による「電子手ブレ補正機能」を搭載しておるんですが、この説明がチト難しい…そのうえオリンパスが、なぜか、この世界初の機能を積極的にアピールしようとしない。
もうかれこれ30年近くになるかなあ西麻布の交差点近くの「新北海園」の酢辛味麺が大好きでときどき思い出しては昼食に六本木から坂を下って食べに行く。ぼくがここにはじめて来たときからだけど店の入り口にオウム (たぶん) がまるで門番のようにおりまして、ときどき大声ではっきりとした“コトバ”を喋っています。
「もう何歳ぐらいになるの、このオウム、もういい歳でしょう」
「いいえ、まだ若いんですよ」
「ふーん、じゃあこれは“二代目”なの?」
「いや、むかしからいますよ、今年で51歳」
「51歳なら、いい歳じゃあない、それにしても長生だよねえ」
「100年から150年、生きますよこの鳥は」
「100年っ、うそだよ、そんな長生きなんかするもんか…」
「うそじゃないよ、ほんとに100年も150年も生きますよっ」
と、そこの若い店員とおしゃべりしてたら「オハヨッ」と、そのオウム。
2006年2月25日(土)
2006年2月26日(日) さて電子式手ブレ補正の実力は…
オリンパス・μ 810 μ 810には高ISO感度に加えてもう一つの「手ブレ補正」の機能を備えている。レンズの一部やレンズユニット全体を動かしたり、撮像素子を動かして“機械的”にブレ補正をするのではない。ブレて写った画像を撮影後に“ソフト的”に修正して(画像処理をして)ブレを補正するものである。ただし、撮影した画像のすべてがブレ補正処理ができるというものではなく、電子手ブレ補正が可能だとμ 810が認定した画像だけ限られる ―― ココがかんじんで、ブレていない、あるいはブレすぎている画像は無視されナニも聞いてこずブレ補正はできない。限定されたブレ画像だけが画像処理される。オリジナル画像はそのまま残しておき、補正処理したもうワンカットがメモリーカードに追加記録される。処理時間は数秒。
この810の電子式手ブレ補正の詳細な処理内容については不明なのだけれど、ブレの検知は機械式手ブレ補正と同じ角速度センサーを使っている。そのセンサーでブレの“量”と“方向”を検知し、そのデーターをもとにブレ補正の画像処理をするわけだが「ピクセル単位」のきめ細かさで画像修正をおこなってるらしい。
「補正効果」は、ま、こんなもんかなあ、といった程度の効果しかない。「うおーっ」と驚くほどのものではない。感覚的には(贔屓目にみても)シャッタースピード換算で、約1段から1.5段ぶんぐらいの補正効果、ぐらいかなあ。はっきりいって、機械的手ぶれ補正のものに比べると残念ながら補正効果はそれほどでもない。そして補正した画質はといえば、これは画像をイジるからしょうがないのだけれど、とくにエッジ部の描写がちょっと不自然になってしまっている。かなり強引に(ヘタくそに)シャープネス処理をした画像、のように見えなくもない。
とはいうもののしかしぼくは、将来的にはもっともっと改良されて良くなっていくんではないかと期待している。もし、この電子式手ブレ補正の改良がさらに進んでいけば、もっと実用的になるのではないかと“夢”を持ってる。機械式手ブレ補正と組み合わせて使うことができればおもしろそうだし、実際にそうした研究と開発が進められておるようであります(たぶん)。
2006年2月27日(月)
2006年2月28日(火)