Photo of the Day
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2004年12月1日(水) オリンパステクノロジーフェア
オリンパス・E-300 + ZUIKO DIGITAL 14〜45mmF3.5〜5.6 高ISO感度でややノイジーな画像になりますが、しかしE-300の初期設定ではISO感度の選択範囲はISO100からISO400までで、ISO感度拡張をONにして初めてISO800とISO1600が選べるようになります。ですから(ぼくの勝手な解釈ですが)E-300はISO800、1600での撮影は「ノイズが目立ちますから覚悟して使って下さいね」と制限をしているのでしょうね。
E-1はAF測距時のスーパーインポーズ表示がありません。E-300ではその機能を搭載しております。けれどそのスーパーインポーズがえらくハデで、測距枠の真ん中に日の丸のようなまん丸な大きな赤い玉が光ります。いまでは慣れてしまいましたが使い始めたときはいささか驚かされました。
本日、12月1日から数日間、「オリンパステクノロジーフェア」が東京で開催されます。そのフェアの記者発表会と事前内覧が昨日ありました。オリンパスの最新の技術展示会というべきもので、1989年から5年ごとにおこなわれており今年はその4回目の開催となります。さらに今年はちょうどオリンパス創立85年とかさなりそれはそれは盛大なフェアでした。展示内容はカメラなど光学のもろもろから電子映像技術、医療関連の先端技術などじつに多岐に渡っておりまして、ひとつひとつどれを見ていても飽きません(質問すればじつに丁寧に解説してくれます)。発表前のまだまだ研究段階の「製品」や「技術」などもたくさんおおやけにされていて、オリンパスの度量の大きさに感心させられました。
ただ、このフェアは一般公開しておらず招待を受けた人たちだけが見られるものでそれがちょっぴりモッタイナイ気もしました―― でもオリンパスは他の競合メーカーの技術者にもたくさん招待券を送っているそうです。
2004年12月2日(木)
2004年12月3日(金)
2004年12月4日(土) ふらり、と香港
オリンパス・μ-40 DIGITAL あの斬新なデザインのμミニの“兄弟機種”ではなくて、スライドバリア式のμシリーズの“次世代に向けた後継機種”となります。でもスライドバリア式ではなくμミニと同じ「トップシェルバリア方式」をでフルフラットボディです。でも、ボディサイズはちょっと大きくそのデザインもややオーソドックスです。μミニやi:robe (アイローブ) など最近のオリンパスの“飛んだデザイン”を見慣れたものからすればいささか物足りない気もしないでもありません。2.5インチ型の大型液晶モニターを搭載しております。この液晶モニターはAZ-1に初採用された広視野角で明るくてクリアーな「ハイパークリスタル液晶」です。「μ」ですからもちろん生活防水機能を備えております。その他もろもろたくさんの機能を盛り込んだ意欲機種であります。
ゆえあって、ふらり、と香港に来ております。
12月なのに暖かいです。寒いのが苦手、中華料理が大好きなぼくとしては暖かいし食べ物もウマい香港に来て急に元気になりまして、るんるん気分です。でもざんねんながら香港は詳しくない。どこに行けばどんなおもしろいものが見られるのか、とんと知識がないので、せっかく香港くんだりまで来ているのに、豚に真珠猫に小判みたいなもんです。というわけでふらりふらり気の向くままあちこち「散歩」しております。で、明日は国境を越えて中国のほうに入ってみようかなと。
2004年12月5日(日) ふらり、とシンセン
オリンパス・μ-40 DIGITAL 大型2.5インチ型の「ハイバークリスタル液晶」はとってもキレイでクリアーに見えます。広視野角、つまり少しぐらい上下左右方向から見ても視認性が損なわれることがありません。また強い陽射しの中でも予想以上の見え具合でフレーミングに苦労することもありませんでした。ただ ―― これはとっても贅沢な悩みかもしれませんが ―― 明るくキレイに“見えすぎる”のでレックビュー画面を見ての適正露出の判断に悩むことがありました。μ-40の液晶画面を見ていると、よしっイイのが写せたぞ、とその場では満足するのですが、ところがそれをパソコンに取り込んで見返してみるがっかりしてしまうということも多々ありました。キレイに見え過ぎる液晶モニターというものも功罪相半ばするもんですねえ。
経済特区(のある)シンセン ―― 「深」と土偏に川で「セン」 ―― におります。ここ数年で急成長急拡大した街です。安い賃金を求めて世界各国のメーカーが(もちろん日本の企業も多い)ここに工場を造っています。昨夜、フェリーで香港からここシンセンに渡ってきました。まだ街中をじっくりと見てないですけれど、なんだか“インスタント食品”のような印象の街ではあります。治安もあまり良くないと聞いています。香港のしっとり水気を含んだヒューマンな雰囲気とはかなり違って、ここはなんだかぱさぱさした水分の少ない空気が漂っております。
でも、いい天気です。天気がよければモノもよく見えてくる。さてこれからその水分の少なそうな乾燥したシンセンの街のほうに行ってみようかなあと。まあそんなことを考えながらカメラを用意しております。まったくもって極楽とんぼのようですね、自分ながらあきれますが…。
2004年12月6日(月) ちょっとキッチュなシンセン市
オリンパス・E-300 + ZUIKO DIGITAL 14〜45mmF3.5〜5.6 発売が始まったばかりのできたてほやほやのE-300をここ中国に持ってきました。集中的に撮影をして使い込んでみるとそのカメラの実力のほどの多くがわかってきますからね。だから撮影中に、ISO感度やホワイトバランス、画質モードやドライブモードなどを意図的に、積極的に変更して撮影をします。すると、あれっ、と思うことや、これはなかかいいぞ、といったことが短時間に感じ取れるんですよ、これが。
というわけで、標準ズームレンズとセットで10万円以下の800万画素デジタル一眼、ということが当初は少し心配だったのですが ―― 価格相応の、それ相当のカメラじゃあないだろうか、なんてことなどなどです ―― いやいや、良くできたカメラですよ。総合的に見れば機能的にも性能的にもこれなら文句ありませんね。
シンセン市は新興都市です。手品のように突然、高層ビルが建ち並び広い道路ができて街が作り上げられました。そこに多くの人たちが流れ込んできて働いたり生活したりして、毎日、急激な速度で街が広がっています。数日、たった2〜3日いただけでも、街がまるで生き物のように成長して広がっていく様子が感じ取れます。街中をクルマで走ってみるとあちこち工事中ばかりです。香港からそのままシンセン市中に地下鉄を引き込もうとその工事が急ピッチで進められていました。風景はこれでもかっ、というほどにキッチュですがイヤみはまったくありません。あっけらかんとしていてぼくには好印象です。
そんな街を抜けて、本日は地元の有名なテーマパークで ―― 中国くんだりまで来てテーマパークに行く、というのがぼくのスノッブなところであります ―― のほのんと遊んできました。
2004年12月7日(火)
2004年12月8日(水) 老人の姿を見かけない街
オリンパス・E-300 + ZUIKO DIGITAL 14〜45mmF3.5〜5.6 E-300とセットになっている標準ズームの14〜45mmについては、じつは、性能はそこそこではないかなあと思っておりました。E-300を売らんがために“グリコのおまけ”のようなレンズをセットにしたんではなかろうか、とまでウガった見方をしたこともありました。ところがそうした(あほな)思い込みは、使ってみて大きなマチガイであることがよくわかりました。800万画素の高解像度に充分に対応した大変にコストパフォーマンスの高いレンズです。描写性能については(低価格であることを考慮に入れずとも)文句なしの合格点です。とくに感心したのはズーミングしたときの操作感です。トルクが一定で、かつなめらかです。ズーム焦点域のどの場所でもトルク変動がまったくなくスムーズに回転します。ちょっとズームするだけでとても丁寧に作ったズームレンズであることがよくわかります。
広州から南、香港まで広がる珠江デルタ地区とよばれている新興地は、高速道路が縦横に走っていたりクルマも多く、そしてあちこちに“ミニ香港”を思わせるような高層ビルが建ち並ぶ街が点在しています。このあたりの経済発展の恩恵を受けようと中国各地から人々が流れ込んできています。たとえばシンセン市 ―― 広さはほぼ東京都 ―― だけでも百数十万人の流動人口があると言われています。急にできあがった街ですから ―― 経済特区ができる少し前のシンセインは数万人程度の小さな漁村だったそうです ―― 街を歩いていても、クルマで走っていても「老人」の姿をまったく見かけません。なんだかそれがとっても奇妙な感じでした。京都なんか、こういっちゃナンですが“偉そうに”歩くお年寄りの多い街で、それが独特の雰囲気を醸し出しています。ところがここは若者ばかり。その若者たちによって ―― しょうがないことですが、ガサツでデリカシーに欠けるところも多々あります ―― 街は混乱を極めているといった印象でした。
2004年12月9日(木)
2004年12月10日(金)
2004年12月11日(土) 「十大元帥」の朱徳と林彪
オリンパス・μ−40 DIGITAL このμ−40を使っていて、どうもナンだかヘンだなあと思っていたことがあって、それはISO感度がオートのほかISO64からISO400まで設定できるようになったことです。いままで、μシリーズだけはガンとして「ISOはオートのみ」を貫いてきたのだが (担当者には何度も何度もクレームを言い続けてきました) 、ようやく念願かなって(むろんぼくが言ったことなどオリンパスは聞いちゃあくれませんが)μ-miniと、このμ−40からISO感度設定が可能になりました。ぼくにとっては、キヤノン・IXY DIGITALのシャッタースピードと絞り値の表示なしと、このオリンパス・μシリーズのISO感度オートのみは“コンパクトデジタルカメラの二大悪”だったわけで、そのひとつが改心してくれてよかった、よかった。
上の、軍人たちが描かれた絵皿の写真のハナシを少し。
深センから香港国際空港に向かうフェリー乗り場の中のちっぽけな土産物やさんに、ぽつんと飾られていた(もちろん売り物の)絵皿です。いつものようにぼんやりと眺めていたぼくは ―― いつもぼんやりモノを見てますからぼくは ―― 絵皿に描かれた軍人たち(どうも「中国十大元帥」のようですね)の中に、朱徳と林彪の顔が並んでいるのを見つけて目が点になりました。一番うえの真ん中が朱徳、その右隣が林彪です。
林彪と言えば文化大革命のとき、あの四人組とはもうひとつ別の、軍の旗頭として権力を振るい、その後、毛沢東の暗殺を企てて結局、ソ連に亡命するときに死亡(殺されたのかな)。で、その横の朱徳はそれまで失脚状態で文革後にやっと復権した人物。林彪と隣り合わせに並んでいることがとっても不思議です。それよりもなによりも、林彪は文革後もずーっと中国では、四人組とならんで“極悪人”の代表格だったはずなのに、あっけらかんとしたその顔を土産物売場で見かけまして、へーぇっ中国も変わったもんだなあと思った次第です。
2004年12月12日(日)
2004年12月13日(月)
2004年12月14日(火) 手ブレ補正とマクロレンズ
コニカミノルタ・α-7 DIGITAL + AF28〜70mmF2.8 以前に使ったときにも感じたことだけど、こんど使ったカメラもまたどうもピントがおかしい。すべての撮影カットでピントがズレるというわけでなく、ときどき「ふっ」とズレるカンジなんです。かなり神経質にピント合わせをしているつもりなんですけどねえ。ところで、大きいカメラだなあ重いカメラだなあ、と、使っているとついソンなことを感じてしまいます。むろんEOS-1D Mark2やD2Hなどと比べると文句なしに小さくて軽いカメラなんだけど、ナンだか大きさと重さばかりが気になってしまうカメラなんですよ。持ち重りがする、とでも言うんでしょうか。
α-7 DIGITALはCCDシフト方式の手ブレ補正なので、レンズにかかわらず手ブレ補正を生かして撮影ができる。だからマクロレンズを使ってクローズアップ手持ち撮影をしても手ブレがきちんと補正できるぞ、ありがたいぞ、といったことがどこかの雑誌に書いてありましたが、でもしかし、ソレはちょっと違うんではないかい。
クローズアップすればするほど、角度ブレよりも並行ブレ、または前後ブレが目立ってきてきます。角度ブレ (ピッチングやヨーイングのブレ) はα-7 DIGITALのブレ検出センサーである角速度センサーで検知できます。ところが並行ブレも前後ブレも加速度センサーでないとブレ検知はできません。さらに前後ブレを補正するとなるとピントを前後に高速移動させなければならない。ま、いずれにしても、マクロ撮影での (厳密な意味での) ブレ補正は現在のところ不可能でありまして、だからマクロレンズを使ったクローズアップ撮影でも通常撮影と同じように手ブレ補正の恩恵に預かれると言い切るのはちょっと早合点ではないでしょうか。
2004年12月15日(水) 許容錯乱円と手ブレ
コニカミノルタ・α-7 DIGITAL + AF17〜35mmF2.8〜4.0 α-7 DIGITALは撮像素子そのものを“上下左右斜め”方向に動かして手ブレを補正する (ブレを相殺する) 方法で、これをCCDシフト方式とよんでおります。CCDの最大移動量は上下左右方向で最大±2mm、対角線斜め方向でも最大約±2.8mmだということです。いや、もう少し正確に言うならば、上記の数値は「最大移動可能量」であって、実際にブレ補正するときの最大移動量はマウントセンターから約±1.5mm程度なんだそうです。これをどこでどう聞いたのか、ぼくの知人の中で物知りで知られた人でさえ「最大10mm、1cmも動くんだってねえ」と言っていたのには驚きました。あの大きなCCDが10mmも、ぶんぶん高速で動いたらタイヘンじゃあないですか。
手ブレ補正のハナシでいつも引き合いに出されるのが「1/レンズ焦点距離=手ブレしないシャッタースピード」です。結論から言いますけど、こんなのウソっぱちもいいとこです。とくにデジタルカメラではこんなこと安易に信じちゃあいけません。その「1/焦点距離」の根拠というのは、35mmフィルムで撮影した写真を八つ切りまたは六ツ切りサイズのプリントして、それをプリントサイズのほぼ対角線の距離で鑑賞したときに肉眼でブレがブレとして認識できないぎりぎりの「ブレ量」が0.033mm ―― これを許容錯乱円とか許容ボケと言ってます ―― ということになっているからです。いうまでもなく鑑賞するプリントサイズが前提になった数値ですので、拡大倍率が大きくなればブレは目立ってきます。さらに付け加えるなら、たとえ「1/焦点距離」以上で撮影したとしても“ブレない”わけではないのです。“ブレが目立たない”だけのハナシであって、そうした誤解は手ブレ補正機構を搭載したカメラについても多々あるようです。
この許容錯乱円0.033mmはどのメーカーも、いまではもっと小さな数値を基準にしてカメラもレンズも設計をしているのですが、どれくらいの数値なのかはトップシークレットになっておりまして、ぼくがいくらカマをかけて聞き出そうとしても金輪際、教えてくれません。
2004年12月16日(木)
2004年12月17日(金)
2004年12月18日(土)
2004年12月19日(日)
2004年12月20日(月)
2004年12月21日(火)
2004年12月22日(水)
2004年12月23日(木) おすすめのデジタル一眼、かも
ペンタックス・*ist DS + DA 18〜55mmF3.5〜5.6 買って決してソンのないデジタル一眼だと思います。どうしようかなあ…と迷っているなら、ドンッ、とぼくが背中を押してあげましょう。総合的に見てとってもよくまとまっていますし、そこあそこにペンタックスらしさ(もちろんイイ意味でです)も出ていて個性的でもあります。やはりカメラといえども「個性」がなくちゃあ付き合っていても面白味はありませんよね。すべてが平均点以上だけどナンだか物足りないなあ、てなカメラもありますが、この*ist DSはぴりっとした個性が輝いていて使っていて楽しい。なんだかイイ写真が写せそうな、そんな気分にしてくれます。
以前にもココでふれたかもしれませんが、*ist DSには画像仕上げモードとして「鮮やかモード」と「ナチュラルモード」があります。ハデでパリッとした画像=鮮やかモード、色調を抑えめにして階調描写を重視した画像=ナチュラルモード、というふうにカンタンに仕上げの調子を変えて撮影することができます。ぼくは、このモードを頻繁に利用しております。めんどくさがりやのぼくをして、被写体状況のみならず使用するレンズによってもこまめに切り替えて撮影しています。さらには、それに加えて彩度、コントラスト、シャープネスの調整パラメータをイジって撮影することも多々あります。
ひとつには、メニューのGUIがシンプルでわかりやすいためもあるのでしょうけれど、でもなぜかこの*ist DSを使っていると、そうしためんどうな操作がめんどうに感じないのです。というわけで、標準ズームの18〜55mmは、ナチュラルモードにして彩度を+1シャープネス+1に設定すると ―― 被写体状況で多少のアレンジは必要ですが ―― ぴったりするようでした。
2004年12月24日(金) ぼくには使いこなしの難しいズームでした
ペンタックス・*ist DS + DA 18〜55mmF3.5〜5.6 *ist DSとセットで発売されたのがこの18〜55mmズームレンズです。いろんなイミでかなり“思い切った”ズームレンズだと思いました。ただ、ぼくには、まるで気性の荒いじゃじゃ馬のような印象を受けました。このじゃじゃ馬は遠くから眺めているぶんにはまぁイイのですが、さて乗りこなすとなると少し厄介…、ま、そんな感じでしょうか。ですから、はじめこのレンズを使い出したとき、やや持て余しぎみでして、なんでここまでコントラストを強めたレンズ設計にしなきゃあいけなかったんだろう、などと感じたほどでした。ぼくは基本的に、シャープネスやコントラストの強いレンズ描写やデジタルの画質は好きじゃありません。なおさらハイコントラストでシャープの強い鮮やかモードで撮影してたもんだから、いっそう、このレンズの“アラ”が目立ってしまったのでしょう。
安いズームレンズなんだからそこまでこだわることもないじゃないか、気に入らなけりゃ使わんでもいいではないか、とも思うのですが、でもせっかく手に入れたズームレンズじゃあないですか、なんとか乗りこなしてみたい。というわけで、*ist DSの画像仕上げモードを切り替えて撮影したみたり、画像パラメーターをいろいろといじったり、あるいは*ist Dで使ってみたりと ―― 結構、それが楽しかったのですけれど ―― 時間はかかりましたけれどまあまあそこそこ乗りこなせるようになったかなあと、いまは思っておるわけです。
でもこの難物ズームのおかげでしょう、他の多くのペンタックスの新旧レンズとの相性のよい設定パラメーターもだんだんとわかってくるようになりました。
2004年12月25日(土)
2004年12月26日(日) デジタル一眼専用のレンズですけれど…
ペンタックス・*ist DS + DA 40mmF2.8 レンズ全長、つまりマウント面からレンズ先端部までの“レンズの厚み”が約15ミリ。超薄型で、なおかつ90グラムという超軽量レンズであります。こうした薄型単焦点レンズはいままでにも、ペンタックスだけでなくニコンにもリコーにもそしてコンタックスからも出ていまして―― ペンタックスにはMレンズに同じく40mmF2.8がありましたし、FAレンズとしては43mmF1.9リミテッドもあります ―― で、これらの薄型レンズのことを俗に「パンケーキレンズ」と呼んでおります。
なかでも、もっとも薄型ではないかと思えるこの40mmF2.8レンズを*ist DSにセットすると、小型一眼デジタルであるはずの*ist DSが大きくデカく見えてしまうほどです。でもとっても魅惑的なスタイリングになります。
43mmF1.9レンズに比べると、こちらの40mmF2.8はいささかハイコントラストぎみの描写ですね。が、そのぶん、とってもシャープでカリリッとした印象の写りをします。だからぼくは当然ながら画像仕上げモードはもっぱら「ナチュラルモード」を選んで使っております。また、やや硬めの描写のレンズですから*ist Dと組み合わせて使ってみると、いやあ、これがなかなかウマいぐあいにマッチするんです。
ところでこの40mmF2.8はDAレンズでありますから、いわゆるAPS-Cサイズ撮像素子のデジタル一眼専用レンズです。はやい話がペンタックスの*ist Dまたは*ist DSにしか使用できないのでありますが、ななんということでありましょうか、35mm判フルサイズのフィルムカメラでも、使って使えないことがない、ということを発見しました。絞り開放付近では画面周辺部が少し流れますけれどF8からF11ぐらいに絞れば、もう、どうってことありません。イメージサークルが大きい贅沢レンズです。
というわけで、このレンズを購入されたアナタ、ダマされたと思って一度、ソレをやってみる価値はありまっせ。
2004年12月27日(月)
2004年12月28日(火) いいなあ、いいレンズだなあ
ペンタックス・*ist DS + DA 40mmF2.8 いいレンズです。ぼくは大いに気に入りました。ちょっと硬めの描写傾向がありますが、ソンなコトはこの際まあいい。「ナチュラルモード」で撮影したり画像パラメーターを設定すればカンタンにコントロールができる程度です。だから*ist DSでは、ちょっと柔らかめになるように調整をしてこの40mmを使ってますし、*ist Dではナンにもしなくてもぴったりぼくの好みの画像になる。F2.8の開放絞りからガシガシ使えるのもいい。なんだか、とってもイイ写真が写せそうな気分にさせてくれます。
最新型のマセラティ・クワトロポルテ。言うまでもありませんが、クワトロポルテとは4ドアを意味します。ぼくは、クルマはドアが四つついたモノのほうが、二つしかないものよりずっと好きです。かれこれ40年ぐらいまえの、でもとても状態のよいクワトロポルテに少し乗せてもらったことがあるのだけれど、その乗り心地は重厚ですこぶる上品でして、すっかり魅了されました。
一時、マセラティのスタイリングがちまちましてしまって残念だったのですが、最新型ではダイナミックなフォルムに一変しました。なかなかパンチがあってよろしいです。ただし、いくらヨロシイと言っても、とってもぼくなんぞ手が出せるような価格ではありませんけれど。その点、パンケーキ40mmF2.8レンズなら、ナンとかなりそうです、ね。
2004年12月29日(水)
2004年12月30日(木) いいなあ、いいレンズだなあ、再び
ペンタックス・*ist DS + FA 135mmF2.8 この135mmF2.8もペンタックスのレンズの中では(ぼくにとっては)秀逸な一本です。フィルムカメラの時の常用レンズでしたが、*ist Dや*ist DSでも常用レンズになってしまいました。
結局、デジタルカメラの画質の良し悪しはレンズの「チカラ」によるところが大きいですね。いいレンズを使うと、おやっ、と思うほどのすばらしい画像が得られることが多い。それはコンパクトデジタルカメラにも言えることで、レンズが良いと写りも画質も良い(当たり前ですよね)。そりゃもちろん画像処理の技術も大事ですけど、でも、たとえばですがレンズ性能があまりかんばしくなければそれを画像処理でナンとか補おうとして結果的に無理難題を強いたような画像になってしまうようですね。
あるメーカーの画像処理をやっている人が、インタビューしたあとの帰り際「…レンズがもうちょっと良ければ」と、ボソっとひとりごとのように言っていたことがありました。
唐突ですが、写真表現はすべてにおいて自由であるべきです。フィルム時代からデジタル時代になって、さらに強くそう思うようになりました。“写真表現”のためにはどんなことをやってもかまわんとさえ思っています。撮影後に画像処理をやりすぎてはイカンとか、写真はプリントして鑑賞すべきもので液晶モニターで見て終わってはダメだとか、ホワイトバランスをキチンと合わせて撮影スベキだとか、デジタル写真時代になるとあれこれと小姑みたいにこごとを言うのを聞くことがあります。ナニをいっとるんじゃです。好きにやればいいのです。好きなように写真を表現したり楽しめばいいのです。写したあとに画像をいじりたければ好きなだけやればいいんです ―― ただし、そうした結果の写真が表現としておもしろくなけりゃだめですよ。
くどいですが写真は自由。表現することも、鑑賞する方法も自由。だから、プリントにして仕上げるときも、写真を四角い少し横長の枠の中に閉じこめておくというのもそんな約束事などないわけですから、三角でも丸でもいいんです。カメラの小さな液晶モニターだけで見る写真、それで表現する写真があってもいいわけで、写真はすべてプリントして(あるいは印刷物として)鑑賞すべきもの、なんて勝手に決めつけないで欲しいです、よね。
2004年12月31日(金) 今年の、ベスト・オブ・コンパクトデジタルカメラ
リコー・Caplio GX なーんの権威も威力も賞状もありませんが、ぼくの、今年の「ベスト・オブ・コンパクトデジタルカメラ」は、このリコー・Caplio GXに決定しました。
個性的なカメラです。コンセプトも明快なカメラです。あれもこれもと欲張っていないのがいいです。液晶モニターがもう少し見やすければイイのになあ、とか、画質ももっと思い切って個性的であってもよかったのになあ、と思うことはありますが、しかし使っていると、とっても気分良く写真を撮っていることにふっと気づくときがあります。これは大事なことです。写すときの“気分次第”で写真の良し悪しが決まってしまうことがありますからね。オプションのワイドコンバージョンレンズもイイです。
来年のコンパクトデジタルカメラは「個性的」がキーワードになるかもしれませんね。なーんの根拠もありませんが。
暮れのおしつまった人通りの多い六本木の大通りで、まっさらの千円札をひらいました。とつぜんぼくの足下に“湧いて出た”ように千円札が落ちていたのです。ぼくの前後には人が行き交っております。その千円札を発見したとき、しばしそこに立ち止まってじっとそれを見ていました。で、ナニを考えていたかと言いますと「なーんだ一万円札じゃあないのか…」であります。まったくもって強欲なオトコであります。さらに、「まぁエエか、千円でも」と、ひらってポケットに突っ込んでしまいました。なんともずうずうしいオトコであります。自分で自分がはずかしい。とかなんとか言いながらも、その千円札を「今年の記念だ」と、まったく、いま事務所の壁にピンで貼り付けています。…でも、もしお心当たりの方、申し出てください(しらじらしいなあ)。