Photo of the Day

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2004年1月1日(木) 

2004年1月2日(金) というわけで謹賀新年

フジ・FinePix F610
 3倍ズームレンズ内蔵でスーパーCCDハニカムの「HR」を使用する縦形タイプデジタルカメラ。内蔵するズームレンズ(35〜105mm相当)はスーパーCCDハニカムSR採用のF700と同じ、使用するスーパーCCDハニカムHRのサイズや画素数(1/1.7型、630万画素)などはネオ一眼のS7000と同じ。カメラスタイルの縦形は、なぜかフジがこだわり続けているものですが、ぼくはどうにもホールディングがウマくできない。つまり(ぼくには)持ちにくい。とくに縦位置構図で撮影をしようとすると、さてどのようにカメラを保持すればいいのか…、といつも悩んでしまいます。




 スーパーCCDハニカムは第四世代になり、さらに“極小化”されて「HR」タイプと「SR」タイプのふたつがラインナップされました。HRタイプはともかくとして、SRタイプ ―― 大小ふたつのフォトセンサーが対になってハイライト部からシャドー部までの広い階調描写をする ―― のほうには大いに期待され注目されておりましたが、現在のところF700の一機種のみにしか採用されておりません。SRタイプはCCDを製造する技術だけでなく画像処理アルゴリズムも、きっとじつにヤヤこしくて難しいのだと思いますが、これは画期的なCCDだと高く評価しておりますからがんばってどしどし搭載機種を出して欲しい。
 おそらく今年の早い時期には発表されるでありましょうS2Proの後継機種には、きっとこのSRタイプCCDが搭載されるのではないかと予想していますが、いかがかな。(フジはオリンパス・フォーサーズシステムにコダックなどと一緒に“賛同”していますが、それを採用するようにはとても思えません)

2004年1月3日(土) 三本目の交換式手ブレ補正レンズ

キヤノン・EOS-1Ds + シグマ・APO 80〜400mmF4.5〜5.6 EX OS
 シグマとしては“初”の手ブレ補正レンズです。OSとはオプチカル・スタビライザーの意味。35mm判カメラ用の手ブレ補正レンズとしては、キヤノン、ニコンにつづくものでして、ぼくは“シグマの快挙”であると高く評価しております。基本的にはキヤノンのISレンズ、ニコンのVRレンズと同じ構造で、対になった角速度センサーをレンズ内に組み込んでブレを検知し、補正光学系を動かす方式であります。キヤノンもニコンも先行して製品化させておりますからすでに取れる特許はことごとく抑えているはずで、同じような方式でその特許をかいくぐって製品に仕上げる苦労は並大抵のことじゃなかったかと思います。




 この80〜400mmOSズームはシグマSA、キヤノンEF、そしてニコンFマウントが発売、発売予定になっておりますがペンタックスやミノルタ用は製品化の予定もありません。理由はカメラボディ側が手ブレ補正レンズに対応していないからです。
 キヤノンのEF100〜400mmF4.5〜5.6 ISレンズ、ニコンのVR 80〜400mmF4.5〜5.6レンズとスペックなどはほぼ同じで ―― 流し撮り用の切り替えスイッチもあります ―― こんなところからもシグマの意気込みが感じられます(ぼくなどはもうちょっと違う焦点域のズームでもよかったのにとは思いますけど)。
 で、かんじんの手ブレ補正機能の完成度ですが、これはキヤノン、ニコンとほぼ同等だという印象でした。よくできていました。ただ、レンズそのものの描写性能についていささかの不満もありまして、三本のレンズを手ブレ補正機能も含めて(ぼく個人の感覚的)総合評価をしますと、一にニコン、二にキヤノン、三がなくて、四にシグマという、まあ、そんな感じでした。

2004年1月4日(日) たぶん、シトロエンDS21のブレーク

キヤノン・EOS-1Ds + シグマ・APO 80〜400mmF4.5〜5.6 EX OS
 レンズ鏡筒には手ブレ補正モードスイッチのOSスイッチがあります。このへんも、ニコンやキヤノンと同じ。スイッチは手ブレ補正機能をOFFにするポジションと、通常の手ブレ補正モードの「1」と、さらに流し撮り撮影モードの「2」に切り替えることができる。流し撮り「2」モードでは光学補正レンズの動きが左右方向には動かず上下方向にだけに動いてブレを補正するもの。これにより流し撮りをしたとき上下ブレなく“キレイ”に写せる。とはいうものの、やはり流し撮りは慣れが必要で、それなりの流し撮りテクニックがないといくら手ブレ補正レンズを使ってもそう思ったようにキレイに写すことはむつかしい、と思う。




 シトロエンのDSといえば、あのフランスのギャングが黒のDS21を乗り回していたシーンや、ドゴール大統領の専用車を思い浮かべます。なんとも宇宙的奇っ怪なスタイリングで、その乗り心地も、目をつむるとまるで空飛ぶ絨毯の上のようです(なんど乗っても車酔い寸前までイキます)。そのメカニズムはといえば、そりゃあフランス的に唯我独尊複雑怪奇でして、シトロエン通にあれこれ教えてもらうのですがぼくにはサッパリです。DS19、DS20、DS21、DS23とありまして(たぶん)そのなかでは、ぼくはDS21のパラスが大好きです。いま、ソニーのCyber-Shot T1のテレビコマーシャルをやっておりますが、そのなかのラストシーンで後ろ姿が一瞬ですが写りますがあれがDS21パラスです(たぶん)。
 このDS21(たぶん)のブレークはなかなかシブいツートンカラーで、春のフランスの田舎道を走ったりするとぴったり似合いそうです。右ハンドル車のようで、こりゃとても珍しいんではないでしょうか。

2004年1月5日(月) 

2004年1月6日(火) *ist D専用広角ズームレンズ

ペンタックス・*ist D + DA 16〜45mmF4 ED AL
 デジタルカメラ専用、つまり(いまのところ)*ist Dの撮像素子サイズに最適化させた“限定”広角ズームレンズがこのDA16〜45mmF4であります。35mm判カメラ換算でほぼ24〜70mmに相当する。APS-CサイズのCCDをカバーすればいいだけの狭いイメージサークルしかないから、とうぜんながら35mm判のフィルム一眼には使用することができない(マウントはK-AFマウントなので取り付けることはできる)。しかし、広角ズームレンズながら小型で軽量なレンズに仕上げることができる。同じような考えで作られた“限定”レンズとして、ニコンのDXレンズ、キヤノンのEF-Sレンズ、シグマのDCレンズなどがすでにありますね。




 ディストーションのとても少ない素直な描写をする広角3倍ズームレンズです。ややレンズ全長が長いかなという気もしないでもないですが、しかしそのぶん、ズームリングの操作部がたっぷり幅広なのでズーミング操作もホールディング感もすこぶるよろしいです。*ist Dとのバランスも良い。ただ、贅沢な望みかもしれませんが、望遠側が70mm程度まででなくせめて100mmぐらいまであれば(そして開放F値がズーム全域コンスタントF4のままなら)、ぼくなんぞは、もうほとんどレンズ交換しないでつけっぱなしにしておきますね。
 このズームにはクイックシフト・フォーカスシステムという“画期的”なリアルタイムAF/MF切り替え機構を内蔵させています。もうバツグンに使いやすいです。すばらしい機構です。ボディ内モーター駆動式のAFシステムのレンズでも、まるで超音波モーター内蔵レンズのようにAF/MFのシームレス切り替えができるんですから驚きです。ペンタックスも、やれば(その気になれば)デキるんじゃないですか…。

2004年1月7日(水) 

2004年1月8日(木) ほんじつはレンズのお勉強

ペンタックス・*ist D + DA 16〜45mmF4 ED AL
 現行のペンタックスKマウントレンズはすべてAF対応で、絞りリングのある「FA」レンズ、絞りリングのない「FAJ」レンズ、そしてデジタルカメラ専用で絞りリングのない「DA」レンズの3種類がある。この16〜45mmズームにつけられた「ED」と「AL」の意味は、EDがエクストラ・ディスパージョン・レンズ(特殊低分散レンズ)で、ALはアスフェリカル・レンズ(非球面レンズ)。




 特殊低分散ガラスレンズは異常(部分)分散とも言いますが、各メーカーでAD、LD、SDなどよびかたが違っています。高価で加工も難しいレンズです。光の分散率が低い(屈折率の変化が少ない)特殊なレンズなので、望遠レンズなどでおこるを軸上色収差抑えるために使用されることが多い。広角ズームレンズにこうしたEDガラスが使われているのは、広角レンズで目立つ倍率色収差のほうを抑制するためです。いうまでもなく、非球面レンズは球面収差(や周辺光量の低下、歪曲収差など)を防ぐ働きがあります。

 で、広角系レンズで見られる画面周辺部の色のニジミ(ズレ) ―― 高画素タイプのデジタルカメラのせいで大変に目立ちやすくなってきましたが ―― は、倍率色収差と球面収差が混在していてどちらがどちらとにわかに判断しにくいのが実情です。

 なお、ぼくもよくわかってないのですが、厳密に言えば低分散ガラスと異常分散ガラスは違う性質を備えている、として使い分けている人もいます。

2004年1月9日(金) 

2004年1月10日(土) クイック・シフト・フォーカス・システム

ペンタックス・*ist D + DA 16〜45mmF4 ED AL
 このDAズームレンズはAF測距直後に、つまりAFでピントを合わせ終えたと同時に、フォーカスリングを操作してMFでピント補正することができる。これをペンタックスではクイック・シフト・フォーカス・システムとよんでおります(コレ、もうちょっとシャレた言い方ができなかったんだろうか…)。数日前にも述べましたが画期的な素晴らしい機構です。ミノルタも同じようなAF/MF瞬時切り替え可能なダイレクトマニュアルフォーカスの機構をすでに採用していますが、ペンタックスのほうが、その操作感の良さ(と、メカニズムのスマートさ)は格段に上です。

 ただ、これから発売されるDAレンズ以外のFAやFA-Jレンズにもこの機構の搭載を期待したいところだけれど、カメラボディ側がその、なんとかかんとかシステムに対応していなとウマく作動しないようなので、いろいろ難しいところもありそうです。




 昨日だったか、*ist D用の新しいファームウエアが発表になり、さっそくダウンロードしてインストールしてみました。いままではハイパーマニュアルの機能を利用するにはレンズ絞りをA位置にセットしておく必要があったのだけれど、新ファームウエアではA位置以外の位置に絞り値をセットしてもハイパーマニュアル撮影が可能になった。だから、たとえばMレンズのようにA位置のないレンズではその使い勝手がすこぶる悪かったのだがこれが「大幅に向上」しました。

 また同時にマニュアル撮影モードで露出補正ができるようになり、これを利用すれば内蔵ストロボの調光補正撮影も手軽にできるようになりました。Z-1のころからハイパーマニュアル機能を高く高く評価をしているぼくにとっては、うれしいお年玉プレゼントになりました。

2004年1月11日(日) 

2004年1月12日(月) Kiss Digitalひとり勝ち

キヤノン・EOS Kiss Digital + EF-S 18〜55mmF3.5〜5.6
 めちゃくちゃ売れているそうですね、このカメラ。売れるだろう、とは思っていましたけれど、ここまで売れるとはなあ、という気もしないでもないです。販売にかかわっている人からの話では、すべてのレンズ交換式デジタル一眼レフカメラをひっくるめてその中での販売台数は、昨年の12月中旬、Kiss Digitalだけで80%を越えておった、と。だんとつの第一位です。第二位がEOS 10Dで、約10%だったそうです。

 そりゃいくらナンでもとウソだろう、と聞き返したほどです、ぼくは。でもほんとだそうです、ええ。で、第三位、第四位は、その機種の名誉のために、申し上げません。




 ボディ背面には、ISO感度、ホワイトバランス、そして露出補正の設定が素早くできるようにダイレクトボタンが配置されております。いちいちメニュー画面に切り替えて設定する必要がありません。これらのボタンのうち、ISO感度とホワイトバランスのボタンは、ワンプッシュでサブ液晶モニター画面は絞り値やシャッタースピードなど他のもろもろの情報が消えて、ターゲットの設定項目の表示だけになる。見やすい。ボタンから指を離しても設定モードになったまま。操作性はすこぶるよろしいです。

 ところが露出補正ボタンのほうはといえば、ボタンを押しても他の情報表示は消えません。画面が煩雑で見づらいことこの上なく、さらにですぞ、この露出補正ボタンを押し続けたままでないとコマンドダイヤルを操作しても露出補正の設定ができません。
 この操作は不可解であります。どうしてこんな仕様になっておるんでしょうか、と発表時にキヤノンに尋ねたけれど、いまだナシのツブて…。

 ねぇ、古賀さぁん、大原さんっ、川瀬さーん、おーい。と、言ったところでこんなとこ見てもいないだろうけどね、ぶつぶつ。

2004年1月13日(火) 

2004年1月14日(水) 

2004年1月15日(木) コンセプトがじつに明快なカメラです

キヤノン・IXY DIGITAL L
 IXY DIGITALにしてIXY DIGITALにあらず、というのがこのカメラについてのぼくの偽らざる印象であります。いちおう名前はIXYとなっており、そのシリーズの中に組み込まれていますが、従来の他のIXY DIGITALとは“まったく別物”と思います。これはぼくの勝手な想像ですが、当初、IXYではなくきっと別な名称を冠して、キヤノンとしてはまったく新しいコンパクトデジタルカメラのシリーズを作ろうとしたのではないだろうか、と、まあそんなふうに考えさせられますし、そんなフシもあります(大はずれの想像かも知れませんが)。




 それはともかく、この機種もよく売れているようですが、こちらのほうはKiss Digitalのように当初から売れることが確実にわかっていたものではなく(さすがのキヤノンも)どきどき不安いっぱいで(おそらく)発売したわけだけれど、結果的には多くのユーザーに受け入れられて、じつは開発した人たちも販売の人たちも「ホッ」としているのではないでしょうか、いま。(ぼくははじめて見たとき、コンセプトが明快なカメラなので、これは売れる、と思っていましたけど、ね)

 なぜズームじゃなくて単焦点なんだとか、単焦点なら広角単焦点にすべきだったとか、こんなちっちゃなカメラに400万画素も必要ないじゃないかとか、いろいろな意見(お小言)があったようですが、キヤノンはソンなこと承知の上の彦左衛門で計算尽くのスペックだったのですよ。このカメラは商品企画陣の勝利であったと思います。

2004年1月16日(金) 無理難題な要求をふたつ

ペンタックス・Optio S4
 300万画素モデルのOptio Sも同じだが、メインスイッチを少し押し続けているとボイスレコーディングモードに切り替わって録音ができます。録音時間は使用しているメモリーカードいっぱいまで可能ですが、はたしてユーザーはこの“便利機能”をどこまで活用しておられるでありましょうか。

 と、エラそうなことを言いましたが、じつはぼくはいまだ一度も実践活用しておりません(試したことはなんどかあります)。なぜかと言いますと、録音しながら撮影、撮影しながら録音ができないからでありまして、そんなムチャなことを言うなよ、とペンタックスに怒られそうですが、いや、やはりぼくはぜひ次機種にはそれができるようにして欲しいなあ。




 「スライディング・レンズ・システム」つまり、レンズ群二階建て一階建て瞬間切り替え構造の、このカメラの内蔵3倍ズームレンズは35〜105mm相当のズーム域をカバーしております。こんなにちっぽけで使い勝手のよいレンズをがんばって作ったことには大拍手なんですが、いや、ぼくが単に欲張りなんでしょうけれど、使っているうちに3倍ズームでは物足りなくなって、4倍ズームが欲しい、もうちょっと広角までカバーして欲しい、マクロ撮影モードシームレス切り替え機能も欲しい、などと欲望が出てきます。

 ボディサイズと厚みがここまで小さく薄くてなくてもいいから、35〜140mmまたは30〜120mm相当ぐらいの、スライディング・レンズ・システムの4倍ズーム内蔵機種が欲しいなあ、と思います。収納時に少しぐらいレンズ部が出っ張っていてもぼくは気にしませんから。

2004年1月17日(土) 

2004年1月18日(日) 

2004年1月19日(月) OMレンズ用フォーサーズマウントアダプター

オリンパス・E-1 + 14〜54mmF2.8〜3.5
 E−1の「フォーサーズシステム」は、4/3型の撮像素子と専用レンズとの組み合わせでシステムとして成立するものです。それ以外のサイズの異なる撮像素子とか4/3型撮像素子に最適化していないレンズを介在させたのでは、それはフォーサーズシステムのカメラとは言えなくなる。オリンパスが古いOMレンズをE−1に取り付けられるようにしたことは ―― マウントアダプターを作って配布することにした ―― 、すなわちフォーサーズシステムやE−1そのものをオリンパス自らが否定することになってしまうのではないでしょうか。




 オリンパスは当初、こうしたレンズアダプターを出すつもりは毛頭ない、それはフォーサーズシステムと相容れないことだから、とハッキリ言っておりました。だからそれを聞いて、あっさりとOMシリーズを売り飛ばしてしまったひともいるかも知れません。(こうしたことが予想されたからというわけでなないですけど、ぼくはレンズもカメラも売ってはいませんよ、大事に持ってますし、ときどき使ってもいます)

 でも、ぼくは意地でもぼくのOMレンズはE−1に取り付けて使うことはしたくない。ナニをそんなに意固地になるかねえ、ふふんっ笑止の沙汰、とあきれるでしょうけれど、いやぼくはソレだけはやりたくないです。ペンタックス・*ist Dにスクリューマウントレンズを取り付けて撮影を楽しむのとは、まったくまったく別のハナシです、これは。

2004年1月20日(火) 実質的に“4本め”のE−1用交換レンズ

オリンパス・E-1 + 11〜22mmF2.8〜3.5
 この11〜22mmズームはE−1専用交換レンズであるズイコーデジタルの“ようやく5本め”となるレンズです。といいますか、その5本のうち、300mmF2.8レンズは特殊レンズとぼくは考えておりますから、実質的には“4本め”のレンズといえるかもしれません。しかし、まだまだレンズラインナップがものたりない。1本加わったところで、焼け石に水、という感じもしないでもないです。

 ところで、こうしたE−1の淋しいレンズラインナップを補うために、あのOMレンズアダプターを作ったわけではありませんよ、詳しくは言えませんがまったく別の理由です。




 E−1にセットすると35mm判換算で約22〜44mm相当の画角になります。標準ズームである14〜54mmF2.8〜3.5とレンズ外観を見比べただけでは、違いがほとんどわからないほどに大きさなどが似ています。14〜54mmのフィルター径は67mmですがこちらの11〜22mmのほうは72mmと前玉が大きい。開放F値は14〜54mmと同じくF2.8〜3.5ですから、22mm相当の超広角でF2.8と、大変に明るいレンズ、ということになります。

 ちょっと使ってみるだけで、じつに丁寧に作り込まれたレンズであることが、写してみても、手にして操作してみても、それがひしひしと伝わってきます。オリンパスの(クソ)真面目さがこのレンズに化けたかのようです。良いレンズです。素晴らしい広角ズームレンズです。

2004年1月21日(水) それにしても寝起きの悪いカメラです

オリンパス・E-1 + 11〜22mmF2.8〜3.5
 すっかり気に入ってしまいましたよ、このズームレンズ。ズーム全域でF2.8のコンスタントF値だったら、もう、言うことなし、だったですけどそりゃあ高望みすぎますね。とにかく描写が素直です。超広角レンズは(以下は、かなり情緒的なハナシですが)まったく同じ焦点距離のレンズでも微妙にディストーションやパースペクティブの描写の違いで、使い勝手が大きく異なってしまうようです。




 たとえばM型ライカ用のスーパーアンギュロン21mmF3.4(初期タイプ)などは、じつに使いこなしの難しいレンズでした。どうもウマく写せない。ところが同じ21mmでも、リコーが限定で発売したライカスクリューマウントのGR21mmF3.5のほうはとっても使いやすい、ぼくの大好きなレンズでありました。と、まあ、そういうわけで、クセのない描写をするこのオリンパス・ZUIKO DIGITAL11〜22mmF2.8〜3.5はとっても魅力的なレンズでした(ちょっと誉めすぎかな…)。

 ところでE-1ですけど、撮影中にスリープ状態に入ってしまったE−1を起こして撮影状態に戻るまでにエラく時間がかかるんですよね。ともかく大変に“寝起きの悪い”カメラであります。なんどかシャッターチャンスを逃したことがあります。ですからぼくはE−1がけっして眠り込んだりしないようにスリープOFFにして使っております。さっと寝起きが良いようになんとかならんもんかなあ。

2004年1月22日(木) 

2004年1月23日(金) 

2004年1月24日(土) 大きな液晶画面は見やすくてよいですねえ

カシオ・QV-R51
 R51は、高速起動がウリであった400万画素3倍ズームレンズ内蔵のQV-R40の、バージョンアップ機種。ボディはほとんど同じ大きさのまま、500万画素、2.0型液晶モニターを搭載しているのがもっとも大きな変更点でしょうか。500万画素はともかくとして ―― こうした高画素数スペックを聞いた“だけで”ノイズがどーのダイナミックレンジがこーのと過剰否定的反応する必要はありません ―― 大型の液晶画面がよろしいです。
 前モデルのR40は1.6型ですが、R51と並べて見比べてみると、うへっ、と言うほど大きさが違います。ですから、構図を決めるときもメニュー画面を見るときも、格段に見やすく、そして使いやすい。




 ただし、ボディの大きさを、小さな液晶画面を備えた旧型と同じままで、そこに大画面液晶モニターを“無理矢理に”搭載したわけですから、ちょっとその弊害もR51には出ているようです。十字キーボタンなどが小さくなって端っこに押しやられてしまいました。そのため、カメラをホールディングしたときに、不用意にこれらのボタンに指がかかってしまって誤ってスイッチングしてしまいます。そうした誤作動がやや頻繁に起こったのが気になりました。

 R51の画像は、色調が大変にハデになっているのが印象的でした。おおむね好感の持てる画質でありましたが、レンズ描写性能に少し気になる部分もありました。単3型乾電池2本を電源にしているなど、ちょっと魅力的なカメラです。なお、使わせてもらったカメラはまだベータ版の機種でした。

2004年1月25日(日) 「ダイレクトON」ボタンの操作性の良さ

カシオ・QV-R51
 前モデルのQV-R40で初めて採用された「ダイレクトON」ボタンのアイディアは大変に良かったのですが、しかしカシオ開発陣がもうひとつ思いっきりが悪くてその良さが生かし切れておりませんでした。ダイレクトONボタンとは、メインスイッチがOFF状態でもボディ背面のボタンを押すだけでカメラが起動するという素晴らしい機能を備えたスイッチボタンです。ところが、R40ではカメラをOFFにするにはわざわざ(押しにくい)メインスイッチを押してOFFにしなければなりませんでした。

 そのQV-R40を見せてもらったときに、どうしてなの、なぜなの、なぜダイレクトONボタンを“もう一度”押すだけでカメラOFF状態にできないのですかっ、なんでなんですかっ、と担当者に詰め寄った(ごめんなさい、あのときはキツく言い過ぎました)ことがありました。




 ダイレクトONボタンを、押してON、押してOFF、であればわかりやすいしスピーディーにカメラ起動も操作もできます。メインスイッチも必要なくなりますからカメラもすっきりスマートになります。

 もちろんぼくがそんなふうに文句を言ったからというわけではありませんが、R51ではカシオはカスタム設定で、ダイレクトONボタンを押すだけでON/OFFができるようにしました。ですから、ボディ背面のダイレクトONボタン ―― ふたつあって、ひとつは撮影モード、もうひとつは再生モードのボタン ―― を操作するだけで、じつに素早くカメラをON/OFFして撮影を楽しむことができるようになりました。この操作になれると、皆さん、きっとクセになりますよ。他のカメラのメインスイッチON/OFF操作が、なんだかばかばかしく思えることでしょう。

2004年1月26日(月) 

2004年1月27日(火) オートホワイトバランスがかなり安定しました

カシオ・QV-R51
 カシオ・デジタルカメラを使っていてもっとも気になっていた点はオートホワイトバランスの不安定さでありました。もう、それはムカシからで、5年ほど前のQV-8000なんとかのカメラと、最近の機種とのオートホワイトバランスの気まぐれ加減はあんまり変わらんなあというのがぼくの印象でした。ことにEXILIM Z4やZ3などを使っていたときには“先祖帰り”したのではないかと思わせるほどオートホワイトバランスは、気まぐれ傍若無人、女心と秋の空でありました。
 それがどうでしょうか、このR51を使ってみましたらダイヘンシンしたかのようにじつに安定したオートホワイトバランスとなっているのです。ワタシ少し生まれ変わってみましたの、てな感じです。




 いままでのカシオのオートホワイトバランスモードは敏感すぎる傾向がありました。きっと、このホワイトバランスなどを調整している開発の方がとても“マジメで頑固”な人のようで ―― いやどんな人かぼくは知りませんが ―― とにかく正確にピタリと色バンラスをとりたいとの一途な気持ちが先行して、だから、ピタリとハマったときはすこぶる具合がよいのですがハズれると(またハズれることが多かった)ちょっと残念な結果になってしまうことがままありすぎました。頑固さが災いしているとぼくはずっとそう思っていました。
 R51ではそのへんが吹っ切れたように肩の力を抜いたホワイトバランスになっておりまして、使っていてこちらの気分も軽くなってきました。

2004年1月28日(水) 

2004年1月29日(木) 

2004年1月30日(金) 

2004年1月31日(土) 「某C社」の「なんとかKiss」

キヤノン・EOS Kiss Digital + 18〜55mmF3.5〜5.6
 確かに書き込み速度は遅いです。連続して数カット撮影したりするとずっとアクセスランプがつきっぱなしになり、シャッターボタンを押せども引けども叩けどもKiss Digitalは知らんぷりを決め込んでおります。つまりなんと言いましょうか、シカト、してるんです。ワガママな育ち方をしたんだろうなあ、と、もう最近は諦めておりますが、そんなおりにニコンのD70が出てきてそれを触ってみたら、こちらは厳しくキビシく育てられた謹厳実直青年という感じがするんです。




 そのニコンのD70の新製品発表会が数日前にありました。ニコンにしては珍しい大がかりな発表会でした。D70に対する意気込みがひしひしと感じられる発表会でもありました。ただ、その思い入れがやや先鋭的になりすぎて、ぼくはちょっといたたまれない気持ちになりました。
 いきなりニコンの関係者から出た発言が上記の「某C社のなんとかKiss」でした。華やかなオオヤケの舞台で、それもエラい人が「某C社」というような隠語を平然と発言するのに驚いた次第です。さらに「なんとかKiss」と言うにいたっては“毒”さえも感じます。なぜ、ごく普通に「キヤノンのKiss Digital」と言わないんでしょうか、そのへんのところがぼくにはよく理解ができません。発表会の席上で「某C社」と「キヤノンさん」とごちゃまぜにして言っているのを聞いていて、よけい、わけがわかりませんでした。

 記者席の最前列には発表会の撮影を担当する各社のカメラマンたちが陣取っていまして、ぼくの席から見える範囲では、すべてがキヤノン製のカメラとレンズでした。その様子を、壇上から冨野さんが(じつに温厚な優しい性格の人なんですが)睨みつけるようにしていたのが印象的でした。

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tanaka@thisistanaka.com
Akiary v.0.51